ソフトバンク、福岡のLTE実験で下り最大70Mbpsを達成


 ソフトバンクモバイルは、福岡県北九州市で行っているユビキタス特区での実験において、LTE(Long Term Evolution)方式の実験を行い、下り最大70Mbpsという通信速度を達成した。

 LTEは、2010年度以降に国内でも導入される予定の通信規格。ソフトバンクモバイルでは、2011年にDC-HSDPAと呼ばれる通信規格を導入した後、LTEを導入する方針を示しているが、2009年12月から福岡県北九州市のユビキタス特区において1.5GHz帯を利用した、LTEシステムのフィールド実験を開始。3局の実験用基地局、MIMO技術(最大2本のアンテナを利用)、最大10MHz幅という環境で実験を行ったところ、下り最大70Mbpsを達成した。

 同実験では、あわせて「光張出し基地局構成」「複数基地局協調伝送方式(ECO-LTE)」の基礎実験も行われた。前者は、複数の基地局装置を1カ所にまとめ、アンテナを離れた場所のビル屋上に設置するもので、設置時や運用のコスト抑え、光ファイバーで結んだ基地局間の協調制御が容易になるという。一方、後者の「ECO-LTE」は、隣接する基地局を協調制御して送受信するもの。この2つを組み合わせたことで、干渉を受けやすいセル(基地局1つがカバーするエリア)とセルの境界でもスループットが向上することを確認したという。

 このほか同じ1.5GHz帯を用いてサービス提供を行ってきた第2世代サービス(PDC方式)については、予定通り停波したとのこと。

 



(関口 聖)

2010/3/31 15:58