シャープのシステム液晶が大河内記念技術賞を受賞


大河内賞の受賞者

 大河内記念会は、生産工学の優れた業績を表彰する第56回 大河内賞の受賞業績および受賞者を発表した。記念賞が1件、生産特賞が1件、技術賞が3件、生産賞が4件の合計9件が発表され、技術賞にはシャープのシステム液晶を開発・実用化した業績も選ばれている。

 シャープが大河内記念技術賞として受賞した業績は、「高性能結晶性シリコンTFTを用いた周辺回路一体化液晶パネルの開発と実用化」。このシステム液晶は、ドライバやコントローラ、電源ICといった周辺機能素子をアモルファス液晶のガラス基板上に集積したもので、シャープでは周辺回路一体化液晶パネルとして量産を行っている。あわせて高性能CGシリコンの開発も行われている。システム液晶を搭載した製品は多岐にわたり、携帯電話をはじめデジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレーヤーなど幅広く採用されている。

 大河内賞ではこのほか、リチウムイオン充電池のセパレーター開発で旭化成が、片面2層の記録型Blu-rayディスクの開発・量産でパナソニックがそれぞれ大河内記念生産賞を受賞している。

授賞式の模様。片山社長のほか、モバイル液晶事業本部から2名、株式会社 半導体エネルギー研究所の2名も合わせて受賞した賞状を授与されるシャープ 代表取締役社長の片山幹雄氏
会場ではシステム液晶の開発経緯や特徴が紹介された周辺回路を一体化したシステム液晶のパネル部分
旭化成のリチウムイオン充電池のセパレーターが大河内記念生産賞を受賞パナソニックの片面2層・記録型Blu-rayディスクの開発と量産も大河内記念生産賞に

 

(太田 亮三)

2010/3/12 17:59