着うた参入妨害裁判、ソニー・ミュージックが上告


 ソニー・ミュージックエンタテインメントは10日、着うた参入妨害とされた東京高等裁判所の判決を不服として、上告および上告受理の申し立てを行ったことを明らかにした。

 SMEやビクターエンタテインメント、ユニバーサルミュージック、エイベックス・マーケティング、東芝EMI(現EMIミュージック・ジャパン)の5社は、2005年3月、着うた配信事業への参入を妨害しないよう、公正取引委員会より排除勧告を受けた。東芝EMIは勧告に応じたが、他4社に対しては審判が行われ、2008年7月に審決が下された。

 審決の結果、レコード会社によって共同設立されたレーベルモバイル(現レコチョク)に着うた配信を委託する一方、他の事業者に共同してそれぞれが保有する楽曲の原盤権の許諾を与えていないとされた。

  2008年8月、この審決の取り消しを求め、SMEやビクターエンタテインメント、ユニバーサルミュージック、エイベックス・マーケティングの4社は、公取委を被告として審決取消訴訟を起こした。2010年1月29日、東京高裁はレコード会社側の訴えを退け、公取委側の排除勧告を認めたことになる。

 ソニー・ミュージックでは、公取委が認定するような「共同の取引拒絶」といった事実はないとして、上告および上告受理の申し立てを行った。

 なお、そのほかのレコード会社では、エイベックス・グループ・ホールディングスとビクターエンタテインメントは「検討中」としている。ユニバーサル ミュージックからはコメントが得られていない。

 



(津田 啓夢)

2010/2/10 17:20