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「電子レシート」のデータを標準化、経産省が実証実験

 経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、「電子レシート」の標準データフォーマット化の実証実験を、東京都町田市で行う。実験期間は2月13日~28日。

電子レシートアプリ

 「電子レシート」は、スマートフォンのアプリなどで表示できる、電子化された買物レシート。今回の実験では、業種が異なる複数の店舗で標準仕様の電子レシートを発行し、さまざまな店舗のレシートを一元的に管理し、活用できるようにする。

 今回の実験には、町田市の飲食店、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなど合計27店舗が協力し、標準仕様の電子レシートシステムを導入する。対象店舗を訪れれば、誰でも実験に参加できる。

 来店客は、スマートフォンに「電子レシートアプリ」をダウンロードし、会計時にアプリのバーコードを提示することで、電子レシートを受け取れる。電子レシートアプリは、他のアプリと連携するインターフェイス(API)を備え、ユーザーの希望に応じてマネーフォワードなどの家計簿アプリに転送したり、LINEで共有したりできる。

 「電子レシート」の実用化は、企業にとってはマーケティング上の利点がある。これまで、事業者ごとに管理されていた購買データが統合されることで、特定の個人の一連の購買履歴を分析し、消費者のニーズを捉えた商品開発・サービス提供などに役立てることができる。

 実験に参加するユーザーは、どのアプリに情報を渡すかを自ら選択することができる。また、企業に送信される購買情報・個人情報の一部を隠す(マスク処理する)ことができる。例えば、「35歳」という個人情報を「30代」としたり、購入時刻を「11時台」のような、おおよその時刻にしたりできる。

実験の概念図

 経済産業省より委託を受けた東芝テックが実験の運営主体となる。電子レシートデータを保管するクラウドプラットフォームはマイクロソフトの「Azure IoT Hub」を利用。個人情報保護を保護するためのシステムにはKDDI総合研究所の技術を活用する。このほか、参加店舗、レジシステムの開発、クラウド開発、連携アプリの提供などで、合計26社、5団体が実験に参画している。