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学割商戦は絶好調「学生が家族を“連れてくる”」~Y!mobile寺尾氏が語る新機種の狙いと課題
2017年5月31日 09:30
Y!mobileは2017年夏モデルとして、Android Oneの上位モデル「X1」、ストレート型のVoLTE携帯「Simply」、デザイン性を高めた「Pocket WiFi 601ZT」の3機種を投入する。ソフトバンクでY!mobileブランドを統括する寺尾洋幸氏が、新機種投入の狙いや今後の課題を語った。
2017年夏モデルの狙い
約2年半ぶりに投入されたストレート型端末「Simply」の狙いは、「一定数あるストレート端末の需要を手堅く抑えに行く」こと。PHS端末は2018年3月をもって販売を終了することから、「今後はPHSからの移行を見据えてラインナップを揃えていく」という。
Android Oneシリーズはスマートフォン初心者が主な対象のローエンドの機種を投入していたが、6月発売の「X1」ではおサイフケータイなど日本向け機能を一通り揃えたミドルレンジのモデルとなる。価格は「S1/S2よりは少し高めになる」(寺尾氏)という。
「Pocket Wifi」の新機種「601ZT」は、大容量プランによってモバイルルーターの需要が縮小する中で、ファッション性を特徴として打ち出す。「気軽に持ち歩いて電池を気にせず使いたい」という需要を踏まえて、持ちあるきの小物としてふさわしいデザインを意識したという。
学生が家族を“連れてくる”
PHSのウィルコムとモバイルルーターのイー・モバイルが統合して生まれた「Y!mobile」。その軸は「シンプルな料金プラン」「コストパフォーマンスの高いプロダクト」「ヤフーとの連携によるOTTサービス」の3つにあると寺尾氏は語る。
「料金プラン」ではS/M/Lと3種類のスマホプランやワンキュッパ割を投入。大手キャリアより割安な料金体系を武器に、ソフトバンクのサブブランドながら“格安SIM”として存在感を示している。特に2017年3月の春商戦では「昨年を遙かに超える契約数を獲得した」という。
さらに寺尾氏は、「学生が家族を“連れてくる”」として、2016年3月に獲得したユーザーのうち5人に1人は、1年以内に家族もY!mobileに乗り換えている状況を紹介。学生の家族を獲得して拡大していく方針を示した。
販売比率はiPhone 4割、Androidが6割
「プロダクト」の主軸となるスマートフォンは小型モデルのiPhoneとAndroid Oneシリーズの2本柱で展開。iPhone SEをプレミアムモデルとして位置づける。
寺尾氏によると、Y!mobileスマートフォンの販売比率はiPhoneが4割、Androidが6割程度で推移。「Androidが頑張っている」(寺尾氏)状況だという。iPhoneは若年層が中心に購入されている。Androidシリーズはシャープ製の「S1」が30~50歳のシニア層が中心と「なんとなく売り分けができている」とした。
また、一部の販売店は、Y!mobileのSIMカード単体とSIMロックフリーのスマートフォンをセットで提供している。こうした状況に寺尾氏は「SIMフリーではY!mobileとのサービスとのコネクティビティが弱くなってしまう。店頭で買える端末にもサポートを入れていく必要があると考えている」と、SIMロックフリー端末向けのY!mobileサービスの展開を示唆した。
Eコマース連携でスマホ販売を“レコメンドビジネス”に
「ヤフーとの連携」として、Y!mobileユーザー向けのYahoo!プレミアムの無料化や、Yahoo!ショッピングとの連携強化などを紹介。Yahoo!ショッピングでの取り組みでは、開始1年で取扱高が5倍になったという。
寺尾氏はYahoo!ショッピングとの連携強化を通じて、「スマートフォン販売をレ点商法からレコメンドビジネスへしていきたい」という。オプションサービスの抱き合わせ販売ではなく、Eコマースのプラットフォームを生かし、ユーザーが求める商品を提供していくという考えだ。
“サブブランド批判”にどう戦う?
記者からの「“大手キャリアのサブブランドは優遇されている”という批判にはどう戦っていくのか」という質問に対して、寺尾氏は「サブブランドならサブブランドと宣言した上で、ちゃんとやればいい。ユーザーにとっては、必要なサービスを提供する主体はMVNOでもサブブランドでも関係ないのではないか」と答えた。
そして、Y!mobileが提供する「ユーザーにとっては必要なサービス」として、「インターネットの便利さをもっと多くの方に届ける」という理念を紹介した。
課題はシニア層のサポート
「格安スマホ」が多くのユーザーに浸透する状況で、Y!mobileの今後の課題は「シニア層のサポート」にあるという。寺尾氏は「初めて使う携帯電話がスマートフォンという高齢者もいる。これからスマートフォンを初めて使われるお客様には一定のサポートが必要となる」として、サポートを強化していくという。
その取り組みとして、Androidの専門知識を備えたスタッフを育成する「Android Ambassador」を紹介。寺尾氏は「大手キャリアよりも少ないスタッフで100点満点の満足度を狙うのは難しいが、60~70点を取って落第しないようにやっていきたい」と語った。
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