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Galaxy S8もいち早く展示、ニューヨークのショールーム「Samsung 837」を体験

Samsung 837の外観

 3月29日(現地時間)、サムスン電子はニューヨークで発表会「Unpacked 2017」を開催し、最新モデルの「Galaxy S8」と「Galaxy S8+」を発表した。今回のUnpackedでは日本のプレス関係者を対象としたプレスツアーも開催され、ショールーム「Samsung 837」など、サムスン電子のニューヨークにおけるプロモーション活動についても取材する機会が得られたので、それらをレポートする。

 サムスン電子はニューヨークにおいて、「Samusung 837」というショールームを運用している。場所はマンハッタン島のダウンタウンとミッドタウンの境目あたり、チェルシーマーケットのすぐ近く。住所で言うと837 Washington Streetで、そこから「Samsgun 837」という名前になっている。ちなみにすぐ近所にアップルストア(Apple West 14th Street)やGoogleのニューヨークオフィスがあったりする。

吹き抜けを使ったシアター。スクリーンは96枚のフラットディスプレイを使用

 Samsung 837はさまざまなサムスンの最新製品が展示されているが、各製品の販売は行われていない。最新製品を見てもらおう、体験してもらおう、という施設だ。主に2フロアからなっていて、1階はVRなど派手な体験スペースが中心で、2階は製品の展示中心のスペースとなっている。

 建物の中央は2階から地下まで続く吹き抜けになっていて、階段状の座席を備えたシアターもある。取材時は使われていなかったが、ミキサー卓やDJブースも用意されていて、各種イベントも開催されるとのことだ。

建物に入ると、いきなりGalaxy S8シリーズが展示されている

 取材をしたのは3月30日だったが、前日発表されたばかりのGalaxy S8シリーズが早くも展示されていた。それも相当な数が用意されていて、一般の来場客が実機を手に取り、自由に触れる形式での展示となっていた。発売は4月21日からとアナウンスされているが、かなり早い展示だ。

Galaxy S8用の展示什器。カラバリのサンプルも付いている
S8展示エリアで説明するスタッフのお姉さん

 Samsung 837では基本的の商品の販売は行われていないが、Galaxy S8シリーズについては4月20日まで、予約を受け付けている。実機を触ってみて、気に入ったら予約できるというわけだ。予約特典として専用コントローラー付きのGear VRがオマケにつくほか、256GBのmicroSDカードとAKGブランドのY50BTヘッドフォンがセットになった99ドルのオプションセットも用意されている。

 ちなみにオンラインストアの価格だと、たとえばAT&Tの場合、Galaxy S8が750ドル(約8.3万円)、Galaxy S8+が850ドル(約9.4万円)などで、最安ではVerizonのGalaxy S8が720ドル(約8万円)となっている。

タブレットの展示コーナー
ウェアラブルの展示

 スマートフォンの展示はGalaxy S8シリーズのみだが、ほかにはWindowsタブレットの「Galaxy TabPro S」なども展示されていた。ウェアラブル製品もファッションアイテムの一部というようなコンセプトで展示されている。

リビングルーム風の展示エリア
キッチン風の展示エリア

 また、2階にあるリビングルームを模したエリアには大画面テレビ、キッチンを模したエリアには冷蔵庫や電子レンジなどの家電製品も展示されている。いずれもスマートフォンなどとの連携が可能な製品で、たとえば冷蔵庫は内部の映像をリモートでチェックすることも可能となっている。

 2階のタブレット展示など、一部の展示テーブルには椅子もあり、座ってゆっくりと製品を試すことができるようになっている。カフェもあるので、軽い飲食も可能だ。

カフェスペース、座っていろいろな製品に触れることができる

 カフェ以外にも2階には椅子のあるテーブルが多数あり、スタッフに製品の説明などを受ける、いわゆるワークショップも開催されている。Galaxy S8シリーズのワークショップも、4月8日から4月23日まで開催されている。ワークショップには人数制限があるが、事前に予約しておくことも可能だ。

 Samsung 837では製品サポートもやっていて、サムスン電子製品の画面割れや電子的な故障を対応してもらうことができる。こちらも公式Webサイトで予約が可能だ。

明らかにヤバイ動きをしているGear VR体験シート。これは2台設置されている

 1階にはさまざまな電動式シートなどを使った「4D VR」のGear VRの体験コーナーが設置されている。同時に10人以上が体験できるタイプのシートも設置されているので、休日など混雑するときにも、あまり並ばずに体験できそうだ。ただしこちらは予約しておくことはできない。動きの激しい体感シートは2台ずつしか設置されていないので、混雑する時間帯は少々待つかも知れない。

多人数同時体験タイプのシート
うつぶせで体験するタイプ

 Samsung 837は展示する商品を絞り込むことで展示をシンプルにし、テーブルや椅子を余裕を持って配置することで、よりゆっくり製品を試すことが可能となっている。この種のショールームとしては、かなりユーザー体験を重視している印象で、用事を済ませたらすぐに帰る、というのはちょっともったいないような施設となっている。

 Samsung 837周辺はチェルシーマーケットを始め、さまざまな買い物スポットや飲食店、観光スポットがあるチェルシー地区なので、買い物などの途中に寄って休憩するのも良さそうだ。ただしSamsung 837では商品の購入はできないので、せっかくの専門店なのにマイナーな周辺機器などを見たり買ったりできないのは、やや残念な印象を受けた。

タイムズスクエアでビルボードを使ってプロモーション

タイムズスクエアの北方向

 Unpacked 2017でGalaxy S8シリーズが発表された日の午後、サムスン電子はタイムズスクエアで複数のビルボードを使って、Galaxy S8シリーズのプロモーションを展開した。

 タイムズスクエアはニューヨークミッドタウン中心部、斜めに通っているブロードウェイと42 Streetや7 Avenueが交わる地域で、多数のビルボードが派手な広告を流し続けていることで知られている。観光名所ともなっているため、昼夜問わず人の極めて多い場所でもある。とくに取材時はなにかの撮影をしていたようで、道路の一部を占有していたほか、その見物人も多く集まっていた。

タイムズスクエアの南方向

 流された映像は、青い海中に巨大なクジラが泳ぐというイメージ映像で、Galaxy S8シリーズのロゴも表示されるが、Galaxy S8シリーズ自体の映像は流されていなかった。ビルボードごとにスクリーンの形状が異なり、普通の映像を流すのには不向きだと思われるが、見物人が一目で最新のスマホだとわかるような映像ではなかったのは、ちょっともったいない印象も受けた。

複数のビルボードにまたがってクジラが泳いでいる

 サムスン電子のGalaxy Sシリーズは、同社のフラッグシップモデルだけあって、毎回プロモーションには力を入れているが、昨秋のGalaxy Note 7の発売中止・リコールもあってか、今回はこれまで以上に力が入っている印象を受けた。

 日本においても期間限定の「Galaxy Studio」が各地で開催されているが、Galaxy S8シリーズが日本でもし発売されるならば、大規模にGalaxy Studioでのプロモーション展開がなされそうだ。Galaxy S8シリーズの日本発売はアナウンスされていないが、Galaxy Sシリーズは日本市場に適したハイエンド端末でもあるので、日本での発売を期待したいところだ。