インタビュー

「gooのスマホ」は“お手頃なプレミアム”、ZTE端末部門トップが語る

「gooのスマホ」は“お手頃なプレミアム”、ZTE端末部門トップが語る

日本で目指すのは「一歩一歩の成長」

 NTTレゾナントが22日に発表した「gooのスマホ」は、これまでポータルサイトとして展開してきた「goo」のブランドでオリジナルスマートフォンを販売するというもの。このオリジナルスマホは、中国ZTEが製造したもので、グローバルモデルをベースに、gooのロゴマークを入れ、淡いピンクのボディカラーを用意するなどカスタマイズが施された機種だ。

 グローバルではシェア4位、北米プリペイド市場では2位になったというZTEは、世界各地に展開し、ハイエンド機種にも注力する方針だ、とZTE執行副総裁で、グローバルでの端末事業部門を統括する曽学忠氏は語る。

曽氏

 現在、ZTEは、ビジネスシーンにもマッチするフラッグシップの「Grandシリーズ」、プレミアムな価値の提供に軸足を置いた「Starシリーズ」、カスタマイズに対応し値頃感のあるプレミアムというコンセプトの「Bladeシリーズ」、そしてカメラに注力した「Nubiaシリーズ」を展開する。曽氏によれば、ZTEとしては、付加価値の提供を目標にしており、最近では「手頃な(アフォーダブル)プレミアム」で他社との差別化を図る。

 その手頃なプレミアムというコンセプトにマッチするのが「Bladeシリーズ」であり、その最新機種をベースにした機種が「gooのスマホ」で発売されることになった。たとえば「g03(ぐーまるさん)」というgooのスマホのなかでは最もハイエンドになる機種では、網膜認識という生体認証機能が今後利用できるようになる予定だが、これは使いやすさや正確性など機能面での特徴のほか、ソフトウェア改修で導入可能なことなどコスト面も踏まえたもの。網膜認識は、比較的コストを抑えつつ、差別化に繋がる高機能、という「手頃なプレミアム」を象徴する機能と位置付けられている。

gooのスマホ

 「日本市場は品質が重視され、製品の投入先として、アジア太平洋地域で最も重要なマーケット。部材調達先としても、シャープやジャパンディスプレイのディスプレイ、ソニーのカメラなどを購入し、その金額は年間ほぼ5億ドル(約600億円)に達する」(曽氏)と、ZTEとしても重視する地域。その日本におけるスマートフォンの投入計画としては、ひとまずMVNOに代表されるオープンマーケットを今回の「gooのスマホ」を通じてチャレンジし、口コミなどでZTEの認知度や「手頃なプレミアム」という商品の魅力をアピールする。そうした評判を得て、もう1つの事業の柱である大手キャリアでの展開にはずみをつける構え。

「キャリア向けビジネスもしっかりやっていく。オープンマーケットも着実に、ステップバイステップで成長していく」(曽氏)

 かつてはグローバルで発売した機種をそのまま日本向けに展開していたところ、最近は日本のデザイン事務所と協力してデザインを仕上げているというのも、これまでとは一味異なる取り組み。同社では、これまで日本市場で得た7年間のノウハウをもとに、さらに存在感を高めることを目指す。

関口 聖