【Mobile World Congress 2015】

LG、VoLTE対応でWebOS搭載のスマートウォッチや、ミッドレンジスマホを発表

 LGエレクトロニクスは、3月1日(現地時間)にスペイン・バルセロナで開幕するMobile World Congressに先がけ、報道陣向けのイベントを開催した。

 このイベントで紹介されたのは、ミッドレンジのスマートフォン4機種と、スマートウォッチ2機種。いずれもMobile World Congressで披露すると予告されていたもので、同社は2月16日にはAndroid Wear搭載の「LG Watch Urbane」を、2月24日にAndroidスマートフォンを、それぞれ発表している。また、2月26日には、LTEに対応したスマートウォッチの「LG Watch Urbane LTE」を発表した。

スマートフォン4機種と、スマートウォッチ2機種を発表したLG。このほか、1月に開催されたCESで発表された、「G Flex 2」も紹介された

 スマートフォン4機種は、「幅広い層に向けた、ミッドレンジのラインナップ」(LGエレクトロニクス・ヨーロッパ 社長兼CEO Braian Na氏)。名称は「LG Magna」「LG Spirit」「LG Leon」「LG Joy」で、すべてLTEに対応。発表された中では「LG Magna」が最もスペックが高く、それぞれ5インチ、4.7インチ、4.5インチ、4インチのディスプレイを搭載する。MagnaとSpiritは、背面がなだらかにカーブしており、手に取ったときのフィット感を高めているのも特徴だ。

5インチディスプレイを搭載した「LG Magna」。会場に展示されていたモデルはデュアルSIM対応で、ナビゲーションキーからSIMカードの切り替えメニューを呼び出せた。背面には、LG製フラッグシップモデルでおなじみのキーを搭載
4.7インチディスプレイ搭載の、「LG Spirit」。こちらも、背面にキーを搭載する。なお、会場には「LG Leon」と「LG Joy」は展示されていなかった

 Magna、Spirit、Leonの3機種は、同社のフラッグシップモデル「G3」や「G Flex 2」と同様、ボリュームキーや電源キーを背面に搭載する。Magna、Spiritはタッチパネルと液晶を一体化した、「インセル型タッチパネル」を採用。LGエレクトロニクスによると、これらのモデルはスペックや価格を抑えた端末ながら、ソフトウェアの一部もフラッグシップモデルと共通しているという。具体的には、画面消灯時に時刻などを上部に表示する「Glance View」や、自撮り棒を使って撮影する際にジェスチャーを認識してシャッターを切る「Gesture Shot」を利用できる。

消灯した画面からスムーズに時刻を確認できる「Glance View」
ジェスチャーでの自分撮りにも対応する

スマートウォッチ「LG Watch Urbane」「LG Watch Urbane LTE」

 スマートウォッチは、「LG Watch Urbane」と「LG Watch Urbane LTE」を用意。前者が「G Watch R」などの後継機となるモデルでOSにAndroid Wearを採用しているのに対し、後者はWebOSを搭載し、単体でLTEの通信機能を備えるモデルだ。

 LGエレクトロニクス・イギリスのモバイル部門を率いるAndrew Coughlin氏によると、「LG Watchは、クラシックな外観に、最新のスマートな機能を搭載した」というのが特徴。いずれも、G Watch Rで採用されていたのと同じ、円形の有EL「P-OLED」を搭載しており、ステンレスの筐体やレザーバンドなど採用する“本格志向”のスマートウォッチだ。

 LG Watch Urbaneは、G Watch Rなどの流れをくみ、OSにAndroid Wearを採用する、スマートフォンの周辺機器的なウェアラブル端末。デザインをより、クラシックな時計に近づけているものの、仕様はG Watch Rと共通となる。

OSにAndroid Wearを採用した、「LG Watch Urbane」。仕様は日本でも発売中の「G Watch R」と共通

 これに対してLG Watch Urbane LTEは、LGエレクトロニクスがスマートテレビのプラットフォームとして採用したWebOSを搭載。単独での通話、通信に対応しており、単体で利用することができる。円形のアイコンが弧を描くようなUIで、翻訳やメッセージなど、さまざまなアプリを搭載する。NFCにも対応しており、決済にも利用可能だ。発表会会場のデモ機は、韓国で利用可能な電子マネー「Cashbee」が内蔵されていた。

LTEに対応し、WebOS搭載の「LG Watch Urbane LTE」
一般的な時計より一回り大きいが、LTEに対応しており通話や通信が可能
右側面には、竜頭のような3つのキーを搭載する。上から、設定ボタン、メニューボタン、戻るボタンとなる
翻訳機能。日本語にも対応している
NFCを搭載しており、韓国の電子マネー「Cashbee」を利用できる
キーボードも搭載。ただし、日本語キーボードは見つからなかった

 SIMカードは内蔵式。会場の説明員によると、端末にSIMカードが組み込まれた形となり、ネットワーク経由で情報を書き込むとのこと。基地局を介さず、LTEで端末同士が直接通信する、「Walkie-Talkie」という機能も備える。説明員によると、これは、3GPPのリリース12で標準化された「LTE Direct」という仕様に基づいて実現したものだという。

LTEで端末同士が直接通信を行う「Walkie-Talkie」に対応する

石野 純也