【Mobile World Congress 2013】
ドコモ、Tizen搭載端末を下期に発売へ
(2013/2/27 15:51)
Tizen Associationは、26日(現地時間)、「Mobile World Congress 2013」に合わせ、バルセロナ市内でイベントを開催した。
同団体のチェアマンで、NTTドコモの取締役 執行役員 永田清人氏が、「ドコモでは今年の後半に端末を発売する」と語った。永田氏によると18日(現地時間)に発表された「Tizen 2.0」が「商用端末でエコシステムを築ける、リアルなプラットフォーム」とのことで、関係各社が端末の発売に向け取り組むことになる。ドコモ以外では、仏・Orangeがイベントで年内の端末発売を明言している。
Tizenは、LinuxベースのOSで、サムスン電子やインテルらが主導で開発を進めてきたスマートフォン向けのオープンなソフトウェアプラットフォーム。ファーウェイ、NECカシオ、パナソニック、富士通といったメーカーが参画しているほか、キャリアではVodafoneや韓国のKTも団体に名を連ねる。イベントには、永田氏のほか、ファーウェイのデバイス部門でチェアマンを務めるリチャード・ユー氏が登壇。「Tizenは本当にオープンで、ローエンドだけでなく、ミドル~ハイエンドまでカバーできる」と、そのプラットフォームの魅力を語った。
「Mobile World Congress 2013」で注目を集めているFirefox OSと同様、TizenもHTML5でアプリケーションを開発できる。Firefox OSとは異なり、ネイティブ環境のアプリを実行することも可能だ。OSには、アプリを販売する「Tizen Store」が用意されるほか、キャリアの独自ストアにも対応。こうしたカスタマイズを柔軟に行えるのが、Tizenの特徴となっている。
イベントでは、サムスン電子のSenior Vice President、ハンキル・ユーン氏によってTizen上で動作するアプリも紹介された。ストリーミングラジオのアプリ「Mr.Radio」や、動画共有アプリの「Vimeo」は、すべてHTML5で開発されたという。一方で、ゲームロフトが開発した「Asphalt 7」はネイティブのAPIを利用しており、他のプラットフォームで提供しているタイトルと同様、リッチなグラフィックスを実現している。
永田氏はTizenのメリットを「UXやUIが先進的で、アプリケーションの開発にも柔軟性がある。オペレーターの観点からいうと、我々の資産を、決済を統合した形でユーザーに直接お届けできる」と語っている。Orangeの担当者も「Tizenは本当にオープンで、多様性を創造できる」と期待をのぞかせた。
Tizenで開発される端末は「マーケット次第」(永田氏)で、ハイエンド~ローエンドまで、さまざまなターゲットが想定されている。一方で永田氏は「日本のマーケットはすべてがスマホがハイエンド。グローバルと比べ、高すぎるぐらい。日本のユーザーは本当にスムーズな操作感や、動画、ゲームを求める」と述べており、日本では十分な機能を搭載したハイエンド端末が発売されることになりそうだ。