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IIJ、契約帯域に応じたM2M専用の定額制データ通信プラン

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は27日、ワイヤレスM2M(Machine to Machine)専用のデータ通信サービス「IIJモバイルM2Mアクセスサービス」のラインアップを強化すると発表した。契約帯域に応じた定額型の「プランC」を6月9日に開始するほか、機能も拡充する。

 IIJモバイルM2Mアクセスサービスは、M2M用途に特化した閉域網のアクセス回線として、M2Mデバイス用のSIMカードを提供するデータ通信サービス。従来は、夜間のみ高速通信が可能な「プランA」と、低速で常時通信が可能な「プランB」の2つの従量課金プランを提供してきた。

 今回提供する「プランC」では、契約帯域幅に応じて定額で利用できるのが特長。契約帯域内で複数回線の通信を効率的に集約することで、コストパフォーマンスの向上が図れるため、大規模なM2M利用に最適という。また、通信キャリアから帯域提供を受ける場合は最低10Mbpsの契約になるが、プランCでは1Mbpsからの契約が可能なため、M2Mビジネスをスモールスタートできる点もメリットとしている。

 通信速度は、下り最大150Mbps、上り最大50Mbpsで、端末のスペックや契約帯域により変動する。価格は、初期費用が契約ごとに3万円(税別)、登録手数料が回線ごとに3000円(税別)、月額基本料が1回線あたり月額200円(税別)から、帯域費用が1Mbpsあたり月額30万円(税別)から。

 また、M2Mビジネス向け機能の拡充としては、ゲートウェイのマルチテナント対応を実施する。従来、ユーザーのシステムと閉域接続するためには、接続するネットワークごとにゲートウェイを設置する必要があったが、マルチテナント対応により、ゲートウェイを仮想的に分割し複数のテナントで共有できるようになった。テナントごとに異なるプランで契約することもできる。

 さらに今回より、契約および回線の情報を取得するAPIを提供。これを利用することで、ユーザーのシステムとの連携が容易になり、回線ごとのパケット利用量・SMS送信数の参照や、回線の利用停止・再開をより柔軟に行えるようになるとのこと。今後は、多数のM2Mデバイスに対して一斉にSMSをプッシュ通知する「IIJ SMSプッシュサービス」にもAPIを追加する予定としている。

石井 一志