ウィルコム、乾電池駆動で備蓄用途の「防災だフォン」


パッケージ

 ウィルコムは、乾電池で駆動し、一定の初期費用を支払うことで月額利用料が発生しないPHS音声端末の新機種「防災だフォン」(TWX01NX-DE)を発表した。4月18日に発売される予定で、法人向けに提供される。

 「防災だフォン」は、大規模災害発生後の備えとして開発されたストレート型のPHS端末。2011年3月の東日本大震災では、ユーザー数が一定規模のウィルコムで音声通話の規制が行われなかったことから、企業の評価を受け、昨年発売の乾電池駆動の「イエデンワ」を中心に企業におけるPHSの導入例が拡大したという。こうした経緯を踏まえて開発された「防災だフォン」は、災害そのものの被害を回避したり軽減したりするものではないが、災害後の連絡手段として安定した運用が行えるよう、工夫されたモデルとなっている。

 ベースとなった機種は、通話メインで開発され、EメールやJavaアプリ非対応の「WX01NX」(昨年10月発売)で、同じネットインデックス製の「防災だフォン」は乾電池で駆動すること、専用カバーが用意されている。単4電池3本で駆動し、アルカリ単4電池であれば連続通話時間は210分、連続待受時間は約350時間となる。

 販売時のパッケージボックスは、端末本体と背面カバー(シリコン製)が見える形で、電池の写真が添えられており、箱から出すと電池を入れてカバーを装着する、という手順を踏むことになる。電池は専用の「乾電池ボックス」に電極の向きをあわせて挿入し、そのボックスを端末に取り付ける。単4電池3本がパッケージに同梱される。この電池は利用しなければ5年間もつという。

 機能面では、リモートロック、ライトメールに対応する。128×160ドット、1.8インチディスプレイを装備する。大きさは48×116×29mm(最厚部)、重さは約123g。

シリコン製の背面カバー(カラー調整中のもの)背面

専用価格で提供、通話料は別途

 通常のPHS端末と異なり、「防災だフォン」は備蓄用途での導入が見込まれており、料金体系・価格も「防災だフォン」専用となっている。

 導入時の初期費用は3万5800円で、この料金にユニバーサルサービス料や端末代、月額利用料が含まれる格好となり、月々の利用料は発生しない。ただし、通話した際には通話料がかかる。通話料やライトメールの利用料は、標準コースと同じ。ウィルコムや固定電話宛の通話は1通話につき10.5円と60秒につき10.5円がかかり、他社の携帯電話には平日8時~19時は16.5秒につき10.5円(3分で約114円)などとなる。

 契約期間は3年間で、その期間分を月額利用料として単純計算すると、月額994円相当となる。3年経過後の利用料は月額525円だが、さらに3年間の契約を可能にするプランなどを今後検討する。3年以内に解約すると、解除手数料1万500円がかかる。




(関口 聖)

2012/3/6 15:11