本日の一品
Googleの「Android Wear」を搭載する腕時計「LG G Watch」
(2014/8/4 06:00)
「LG G Watch」はGoogleが提供するウェアラブルデバイス向けプラットフォーム「Android Wear」を搭載した腕時計型端末だ。LG製ではあるが、GoogleがGoogle Playで販売している。Nexusシリーズなどと同じような扱いだ。
Android Wearデバイスとしては、サムスンの「Samsung Gear Live」がLG G Watchとほぼ同時に発売になっているほか、夏にはモトローラの「Moto 360」の発売も予定されている(日本発売は未定だけど)。
LG G Watchは単体ではほとんど何もできず、BluetoothでAndroidスマホ(タブレットでもOK)と連携させて利用する。スマホ側はAndroid 4.3を搭載していればメーカーは問わない。
主な機能は「新着通知」と「音声コマンド」、「アプリ」の3つとなっている。
まずスマホ上のアプリに届いた新着通知を表示してくれる。標準アプリだけでなく、SNSアプリや防災速報系アプリなど、ダウンロード追加したアプリの新着通知も、スマホに届き次第、すぐにLG G Watchに表示される。
新着通知はAndroid Wearの機能のほんの一部に過ぎないが、これがいちばん便利なポイントだと思う。
画面サイズの大きめのスマホだと、衣服のポケットに入れるには若干大きくて、普段はカバンの中に入れているという人も多いように思う。しかし新着通知を確認するためにしょっちゅう取り出している、という人も少なくないだろう。そうやってしょっちゅう取り出していると、電池の減りも早くなるし、落として破損してしまうリスクも増えてしまう。
しかしLG G Watchを身につけていれば、新着通知を逃すことはないので、新着通知を確認するためだけにスマホを取り出す必要はなくなる。とくに画面の大きなスマホとの相性は抜群で、筆者はドコモの「AQUOS PAD SH-06F」と組み合わせて利用している。カバンやポーチの中に入れて持ち運んでいても、新着通知を受け取れるのがとても便利だ。
スマホ上のアプリに新着通知が届くと、LG G Watchのバイブが少しだけ震えて通知してくれる。バイブの強さも長さも控えめだが、肌に密着しているものが震えるので、新着通知に気がつかないことは少ない。またバイブだけでなく、新着が届くとディスプレイ上に表示されるので、気になったら画面を見れば良い。
新着通知だけでなく、Google Nowのカードを表示する機能もある。Google Nowのカードとは、Android端末に標準搭載されているGoogle検索アプリに表示されるアレだ。天気や最近検索した場所への移動時間、好きなプロスポーツチームの最新の試合結果などなど、「ユーザーにとって有用」とGoogleが判断した情報をプッシュで配信してくれる。入出力インターフェイスが限定されているLG G Watch上でのGoogle Nowカードは、スマホ上とはまた違った利便性があって面白い。
LG G Watchは音声コマンド機能も搭載している。腕を振ったり画面をタップすると画面が明るい状態になるので、その状態で「OK, Google」からのコマンドをLG G Watchに向かって話しかけると、いろいろなことができる。たとえば「OK, Google 今日の天気は」と話しかければ、天気のカードが表示される。こうした各種カードの表示以外にも、タイマーの設定やナビ、Google検索など音声でコマンド入力可能だ。
天気などはそのままLG G Watch上で確認できるが、Google検索の結果の表示やナビについては、スマホ側で表示したり操作したりする必要がある。だったら最初っからAndroid端末でやった方が早いよ、と突っ込みたくなる仕様だ。
Android Wearはプラットフォームとして公開されていて、アプリを追加したりできるが、まだアプリの数は少なく、この面での実用性は高くない。そもそもスマホを使わず、腕時計型デバイスだと便利なアプリというのがイマイチ想像できないのだが、ここはアプリ開発者のアイディアに期待したいところだ。
LG G Watchは1.65インチのIPSカラー液晶を搭載していて、タッチで操作する。前述の音声認識は、腕を振り上げるモーションジェスチャで音声待受にできるので、かろうじてハンズフリーでも使えるが、タッチ操作では装着している腕とタッチする手の両手を使うので、片手で使えるスマホより不便なときもある。
液晶は標準では常時点灯表示で、自動消灯・点灯する省電力モードも用意されている。しかし時刻や新着通知を見るたびに腕を振ったり両手でタッチ操作するのも面倒なので、筆者は常時点灯の設定で利用している。
液晶の明るさは6段階で設定できるが、真夏の晴天下だと、最大輝度でも画面は若干見にくい。内蔵電池は「1回の充電で終日持ちます」とされているが、どのくらいの利用でどのくらい持つかわからないので、最大輝度バリバリで使うのはちょっと怖く、筆者は輝度を少し落として使っている。
そもそも現状の機能の大半は文字表示が中心なので、モノクロディスプレイでも問題なかったと思う。たとえば北米でそこそこヒットしている「Pebble」は、バックライト不要のメモリ液晶を搭載していて、連続稼働時間は1充電で約1週間となっている。しかも全反射のモノクロディスプレイなので、明るい場所での視認性は高い。スペック的にはカラーの方が良いようにも思えるが、腕時計として使うとなると、カラーは不利だと感じさせられた。
Android Wearはまだアプリが少なく、その真価を発揮できていないが、現状の通知機能だけでも、Android端末ユーザーにとっては使う価値のあるデバイスだと思う。スマホの新着通知に気がつかないことが多い人は、試してみてはいかがだろうか。
製品名 | 製造元 | 購入価格 |
---|---|---|
LG G Watch-Android Wear | LGエレクトロニクス | 2万7800円 |