本日の一品
有線LANしかないホテルでも、スマホとPCをWi-Fiで
（2014/1/9 06:00）
今やかなり多くのホテルで無線LAN（Wi-Fi）の整備が進み、ほとんどの場合無料でインターネットにアクセスできるようになっている。ホテルによっては、より高速な回線を有料で貸し出していたりもするけれど、だいたいは無料の回線でメールの送受信も動画の再生も十分、快適にできるのではないだろうか。
しかし、いまだに有線LANしか備えていないところもあるにはある。一切、インターネット回線がないよりはマシなのだけれど、問題はスマートフォンからだと利用できないこと。有線LANポートのないMacBook Airなんかも困ってしまう。先日仕事で海外のホテルに滞在した時も、まさにそんな環境。事前に有線LANしかないことはわかっていたので、有線LANを無線LANに変換するバッファローの「WMR-300」を用意していったのだった。
「WMR-300」の仕組みとしては、スマートフォンやノートパソコンなどから本製品を無線LANルーターに見立ててWi-Fiでアクセスし、本製品から先は有線LAN経由でインターネットに接続するというもの。使い方はシンプルで、ホテルの部屋にある有線LANの口から本製品にLANケーブルで接続し、本体から伸びているUSBケーブルをパソコンやモバイルバッテリー、あるいはスマートフォンのACアダプターなどと接続して電源を取るだけ。
あとは本体裏側に書かれてあるQRコードを専用アプリ「QRsetup」で読み取るだけで、スマートフォンならすぐにWi-Fi接続が完了する。パソコンや携帯ゲーム機などでは、同じく裏側にあるSSIDとパスワードを使ったり、AOSSの仕組みを用いて容易に接続することが可能だ。仕様としては最大300MbpsのIEEE802.11b/g/n（2.4GHz）に対応しているので、互換性や通信速度の面で不満に感じることもないはず。
ホテルだけでなく、有線LANしかない実家への帰省時に、スマートフォンをWi-Fiで利用したいといった場合にも活躍するわけだが、もし実家の宅内LANにぶら下がっている他のパソコンなどと通信したくなった時は、本体のネットワーク設定を変更する必要がある。というのも、初期設定では「ROUTERモード」になっており、宅内LAN側のネットワークと無線LAN側のネットワークが分かれる形になっているからだ。
設定変更するには、バッファローが提供している「エアステーション設定ツール」などを使い、Webブラウザーから設定画面（初期設定ではhttp://192.168.11.1/）にアクセス。トップページにある「ROUTERモード」を「BRIDGEモード」に変更すればよい。ただし、「BRIDGEモード」のままでホテルに持ち込んで有線LAN接続してしまうと、今度はホテルの他の部屋の客からも自分の機器が丸見えになってしまうことになる。セキュリティのことを考えるなら、通常は「ROUTERモード」で使うのが安全だろう。
とにもかくにも、「WMR-300」を持って行ったことで海外出張もつつがなくこなせたのだけれど、唯一、ホテルの部屋にある有線LANポートの位置と、電源の位置が離れていたことがネックになった。本製品の電源用USBケーブルは数cmほどの短いものなので、電源口近くまでLANケーブルを延ばしてセッティングしなければならない。が、ホテルの電源口がLANケーブルの届く範囲には余っておらず、MacのUSBポートから電源を取るか、ホテルの備品が使っている電源を拝借するか、あるいはモバイルバッテリーを使うかという、どのパターンもいろいろ面倒な感じの選択肢しか残らなかった。
結局MacのUSBポートに接続して使ったのだけれど、せっかくの無線LANなのにほとんど有線接続しているような雰囲気でMacを使わざるを得ず、しかもスマートフォンに至ってはMacの電源をオンにしながら使うという形になり、なんだか切ない気持ちに。次回はスマートフォン用のACアダプターと長いUSBケーブルを一緒に持って行くかどうか、真剣に悩んでいる。
| 製品名 | 製造元 | 購入価格 |
|---|---|---|
| WMR-300 | バッファロー | 3480円 |
