本日の一品

LED付きルーペでミスを逃さずチェック

LEDルーペ本体。右側がバッテリーケース兼LEDライト。説明書には書いていないが蓋の部分を左に回すとカバーが外れ、バッテリー(LR1130が3個)を交換できる

 趣味の電子工作業界(そんなものがあるのかどうかはおいといて)における昨今の問題の一つとして、部品の小型化が挙げられる。DIP(Dual Inline Package)と言われる、電子工作やハードウェアに詳しくない方々でも見たことがあるような、ゲジゲジのようなICチップは、その巨大さから(といっても1cmにも満たないものもめずらしくないのだが)年々減ってきており、新規に開発されるICチップはもっと微細な形状や端子を持ったものだけになっている。そういう部品でもがんばって手でハンダ付けするのが趣味の趣味たるゆえんなわけだが、小さくなるとハンダ付けをミスする確率も格段に上がってしまうのだ。

 ミスをしたままだと回路は正常に動作してくれないので、見つけて修正してやらないといけないわけだが、なにしろ小さい部分のミスなので見つけるのが大変なのだった。動作のおかしさからミスした箇所がおおまかには想像できるのだが、予想した場所が問題なかったり、ミスの可能性がある箇所が広範囲に及ぶとなると、目視で一カ所ずつ確認していくしかないのだった。

 そこで、微細な部分が見られるルーペを日頃から愛用していた。ルーペの運用上の問題は、ルーペ本体や見る人(自分)によって影ができてしまうと、そこがとても見づらくなってしまうことだ。

 そこで今回、LED照明付きのルーペ(マイクロスコープ)を導入してみた。ルーペ本体に小さなLED付きの電池ボックスが付属しており、照明側にある小さいスイッチでLEDのオンオフができる。照明用の白色LEDは2つ搭載されており、光らせてみると相当明るいものだった。

 値段はかなり安かったので、拡大した画の画質は今ひとつで、レンズの周辺が流れて(歪んで)しまうのは想定のうちだった。しかし視界のすぐ横に明るいLED照明が付いていることによるメリットは絶大なもので、今まで影になって見えなかったICの端子の陰などもよく見えるようになった。これからは、ハンダ付けミスの発見も早くなることだろう。

 また、電子工作では必要ないが、LED照明には白色LEDだけではなく紫外線LEDも搭載されており、パッケージなどによると宝石の鑑定などには効力を発揮するらしい。点灯させてみたところ、紫色の光も出ているので、消し忘れや点灯時に直視してしまうことはなさそうだ。ルーペとしての使い方ではないが、いろいろなところに紫外線を照射してみると意外な物が蛍光を発して、おもしろかった。ルーペ部分と照明部分をつないでいるねじを外してみたところ無事分解することができたので、今度は今まで使っていたルーペに照明部分を付けてみようかと思う。

 今まで苦労していたハンダ付けのチェックが簡単にできるのはとてもありがたい。電子工作をやっている人にはおすすめの一品だ。

ファインダー部分を上に伸ばした状態。説明書にはファインダー部分を左右に回してピントを合わせると書いてあったが、ねじが切ってないのでそのまま伸ばしたり縮めたりしてピントを合わせた。わりと広範囲にピントを合わせることができるので、基板上のICチップのような立体物でもピント合わせが可能だった
白色LEDをオンにした状態。かなり明るいので直接見ないよう注意したい
紫外線LEDをオンにした状態。紫色に光っているのが紫外線LED。紫色の光がそれほど強くないからといって、直視してはいけない
LEDをオフにした状態で見た状態をiPhoneで撮影してみた。基板上にかなりがんばって外光(蛍光灯)を取り入れてみたが、それでも暗い。撮影を考えず実際に使う場合にはもう少し明るくできるので実用上は問題ないが、もっと明るくしたいことはよくある
白色LEDをオンにした状態。これだとかなり明るいため、暗くて見えないということはないだろう
製品名販売店購入価格
UV+LEDライト付きマイクロスコープ三月兎780円

大木真一