中国語にも対応の新ネームランド


中国語も印刷できる「KT-T100」

 ラベル作成の定番のひとつ、カシオの「ネームランド」。調べてみると1991年に最初の製品が出ているので、実に20年以上もの間ラインナップされ、新製品が登場してきたことになる。筆者の家に、だいぶ前に買ったネームランドがあるのも、なるほど当然といえるかもしれない。ところが先日、気になるネームランドの新製品「KL-T100」を見つけ、迷わず買ってしまった。

 この「KL-T100」、曰く「中国語ラベル作成に対応!」するネームランドなのである。またカタログでは「中国人の観光客や留学生が増える中で、様々な業種において中国語表記による案内や誘導を行う重要性が高まってきている」とも。なるほど。

 日本語のラベルの印刷はもはやお馴染み。加えて昨今の電子辞書同様に、画面下部に手書きパッドが設けられており、読み方がわからない字や、キーボードの使い方に慣れていない人でも利用できるため、より使いやすくなっている。シールは六角鉛筆にも貼れる3.5mmシールから、どかんと貼れる24mmシールまで、対応シールは多数。またシールカット部分も、単に印刷した部分を切って落とすだけでなく、シールにのみ切り込みを入れ、台紙から剥がしやすいようにカットする「ハーフカット機能」が付き、ますます便利に。Windows搭載パソコンとUSBケーブルで接続し、ラベル作成用のソフトを利用してオリジナルラベルを作成し印刷することもできる。

 さて本題の中国語機能だが、大きく「中国語オンリーの人でも利用できる、メニューの中国語表示」と「中国語がカタコトの日本人でもなんとかできる中国語入力」に分けられる。後者に関してもう少し説明すると、手書き入力とピンイン入力が可能で、手書き入力に関しては手書きモードにて日本語認識・中国語認識を切り替えて利用する。また「クレジットカードが使えます」などラベルでよく使いがちな中国語は既にイラスト付きのフォームがあり、選択して印刷が可能だ。中国語ネイティブ向けの簡易説明書もあるが、どちらかといえば、中国人向けというよりは日本人向けの中国語対応の製品といえよう。

 余談となるが、中国においてはネームランドのようなコンシューマー向けのラベル印刷機はない(はず)。知り合いの中国人に見せるも「中国では手書きが基本で、なんでこんな面倒なことをするのか」と感動するより、手書きの字をとことん“見せようとしない”日本人の努力に感服する始末だ。ただ中国は広いので、ウケる人がいるのではないだろうか。そんなわけで全ての中国人にウケがいいわけではないが、好奇心旺盛な中国人と会うときの手土産に「KT-T100」を持っていってもいいかもしれない。


単3電池8本で持ち運ぶことも可能中国語メニュー。もちろん日本語メニューもある
中国語を手書き認識させてみた

 

製品名製造元購入価格
KL-T100カシオ計算機1万6800円

 

(山谷 剛史)

2012/3/21 06:00