みんなのケータイ

 SIMロックフリー端末として単体で購入した「Nexus 6」。大手キャリアの庇護下にない買い方・使い方では、補償サービスを探したり、安価な通話サービスを検討したりと、確認しておきたいことはまだまだ多い。

 ドコモ網のMVNOのSIMカードを利用しようと考えていたが、どうせなら筆者が契約している大手キャリアの2つの回線のうち、使っていない方の回線からのMNPで、音声通話にも対応させて、メイン端末として遜色なく使いたい。そこでオンラインで回線の契約内容を改めてチェックすると、2年契約の更新月がちょうど1カ月後に迫っていた。ひとまず、契約解除料を払って強引に転出するのではなく、契約更新月を待って転出することにした。

 しかし端末購入後1カ月以上もSIMカード無しの状態で使うのはちょっと寂しい。そこでつなぎのSIMカードとして、データ通信のみだが、プリペイドのSIMカードを利用することにした。思い立ったら今すぐ欲しい! というタチなので、ヨドバシカメラ マルチメディア Akibaに向かい、1階のSIMフリーコーナーで「OCN モバイル ONE」のプリペイドSIMカードを購入した。1GBの容量型で、SIMカードが含まれた店頭でのパッケージの価格は3390円(税込)。サービスの仕様としての有効期間は最大4カ月間で、筆者の場合の有効期間は、6月の利用開始日から9月30日までの、3カ月間と少しということになる。

 買ってきたSIMカードは、オンラインでの手続きの後、利用できるようになる。手続きの最後には、APN設定としてユーザー登録時の情報を元にしたIDとパスワードが表示されるが、利用に必須ではなく、「Nexus 6」側にAPN設定として予め登録されているOCNの標準的なAPN設定を選択すれば問題なく接続できた。SIMカードを設定している段階で「OCN モバイル ONE」の動作確認済みの端末一覧に「Nexus 6」が無く、若干不安だったが、通信は行えている。

 ただ、通信の動作にあまり不明瞭な点はないが、見た目は少し微妙だ。アンテナピクトに関連した部分が正しく表示されないというもので、音声通話やSMSに対応していないSIMカードであることが影響しているのだろう。ロック画面では、テロップのように流れる文字で「通信サービスはありません - NTT DOCOMO」と表示され、画面上部から引き出す設定変更のランチャーでも同様に表示される。一方で、三角のアンテナピクト自体は「LTE」の文字とともに正しく表示され、LTEで通信もできている。

音声通話やSMSに対応していないSIMカードであることが影響しているのだろう、ロック画面や設定ランチャーで、「通信サービスはありません」と表示された

 有効期間が3カ月間と考えると、1GBという容量に不安を覚えたが、Wi-Fiを駆使して乗り切るという算段だ。まだメイン端末ではないということが影響してか、実際に1カ月が経過してみると、OS側で計測している通信量は360MBに抑えられていた。前回のエントリーで触れたように、Kindle端末として、まとまった時間の移動中はほぼ読書をしているという使い方も影響が大きそうだ。

 ちなみに現在は冲方丁・著、「スプライト・シュピーゲル」全4巻セットの終盤だ。かつて文庫で4巻まで購入していたが、休み休み読んでいたら登場人物や背景が次第に複雑になって覚えきれず忘れてしまい、頓挫していたタイトルだったため、電子書籍の全巻セットで買い直して、1巻から順番に、間を開けずに読んでいるところである。シュピーゲルシリーズはストパンと攻殻を足して二で割ったような都市型/メカ美少女/近未来SFで、政治/組織/兵器/都市国家/宗教/民族/キャラクターの成長と、ライトノベル時代の冲方丁の魅力がてんこ盛りになっている。著者は、後に全3作で映画化もされた「マルドゥック・スクランブル」をはじめ、脚本で「攻殻機動隊ARISE」に参加するなどますます活躍しているが、個人的に映像化を期待したいのが「スプライト・シュピーゲル」だ。