みんなのケータイ

 GALAXY S5のキャッチコピーは「そろそろ、次の世界へ。」――このスマホを使うと、新しい世界を体験できるらしい。筆者も、しっかり体験させてもらっている。ただし、それはGALAXY S5そのものではなく、GALAXY S5と連携する「Gear Fit」によるところが大きい。

有機ELの曲面ディスプレイは、スマートウォッチに最適という印象
フックを穴にはめて留める仕様。見た目の印象よりもしっかりと固定できる
Gear Fitの設定は、スマホにインストールした「Gear Fit Manager」で行える
画面デザインも多彩なパターンから選んで設定可能

 筆者は、普段、腕時計を着けていない。時計に限らず、腕には何も着けたくないというタイプだ。昨年来、スマホと連携するリストバンド型のウエアラブル端末が注目を集めているが、自分には適さないように思い、気にはなるものの、さほど物欲はくすぐられなかった。

 今回、Gear Fitを購入したのも、単なる衝動買いに過ぎない。au Online ShopでGALAXY S5を購入する際、同時に注文できる周辺機器としてGear Fitが画面が現れ、GALAXY S5が思いのほか安く(MNP利用で各種割引適用時の実質負担金は0円)買えたので、ついでに買っちゃおうかなぁ~と思った次第。Gear Fitの価格は2万4624円。筆者にとっては、安いとも高いとも言えない微妙な値段だ。GALAXY S5本体が、そこそこの価格だったら、購入は見送っていたと思う。

 スマートウォッチの中では、スリムで軽いGear Fitだが、使い始めた当初は違和感があった。暑い時期でもあり、装着部に汗をかき、それが気になり、外したくなったりもした。されど、数日使い続けるうちに、そんな瑣末なことは気にならなくなり、むしろ「こんなに便利なものだったのか」「なぜ、これまで敬遠していたんだろう」と思うようになった。

通知のオン・オフは「Gear Fit Manager」で設定できる

 筆者が最も便利だと感じているのが通知機能。新着メールやSNSに付いたコメントなどを素早く確認できる、スマートウォッチの代表的な機能だ。画面は小さいが、メールの件名・本文まで読むことができるので、いちいちスマホを取り出して、ロックを解除して……という手間が減ったように思う。筆者は移動時にはスマホをバッグに入れることが多く、着信したメールやLINEに気付かないことも多かった。常に腕に着けておくGear Fitのおかげで、届いたメッセージをすぐに確認でき、返信が必要な場合のみ、スマホを取り出して返信するという、効率的な使い方ができるようになった。

未確認件数がバッジで表示。LINEやFacebookのメッセージも確認可能
メール本文も読める。高コントラストの有機ELなので、視認性も上々

 なお、電話がかかってきた場合は、画面に発信者が表示され、応答できない場合は、着信拒否操作ができる仕組み。画面が大きい上位モデル「Gear 2」では通話もできるが、Gear Fitは通話非対応なので、電話に応答する場合は、スマホを取り出す必要がある。

歩数計のデータは、GALAXY S5にプリインストールされた健康管理アプリ「S Health」と同期できる

 次に気に入っているのが歩数計機能。これまでも、スマホに歩数計アプリをインストールして使っていたが、常に身につけるスマートウォッチのほうが歩数計に適していると実感している。歩数のカウントにスマホとの接続は必要ないので、スマホを家においてウォーキングに出かけて、帰宅してからスマホの健康管理アプリ「S Health」と同期したりもできる。目標に設定した1万歩に達すると、ブルッと振動して、画面表示が変わるのもお気に入り。ささやかな演出だが、それだけでもモチベーションは上がるものだ。最近は、スポーツジムのランニングマシンで走るときもGear Fitを着けたままにしている。それくらい装着の違和感がなくなってきたということだ。

裏面には心拍数センサーも付いている
心拍数はワンタッチで測定可能。あまり活用していないが……

 GALAXY S5との接続が切断されると、ブルッと振動して知らせてくれるのも便利。スマホをどこかに置き忘れそうになったときに未然に気付くことができるのだ。ただし、接続が切れて少し経ってから通知される仕組みのようで、筆者の場合、マンション内の自宅を出て、エレベーターに乗ってからブルッとする。もう少し早く通知されると、エレベーターを昇り返す必要がなくなるのになぁ~と思ったりはしている。

 タイマー機能もよく利用する。スマホ本体にもある機能だが、腕で経過時間を確認でき、設定時間に達するとブルッとしてくれるのは非常に便利。料理をする際に欠かせない機能になりつつある。

充電する際は、同梱のアダプタを装着する必要がある

 心配していたバッテリーも、思ったよりも持つ印象。電池容量は210mAhで、スペックには「一般的な使用時間:3~4日」と記されている。実際に使ってみても、余裕で2日は使い続けられると感じている。Gear Fitは、操作しない時は画面が消灯し、時刻や通知を確認するために腕を上げて画面を見ようとすると、モーションセンサーによって自動で画面がオンになる。この仕様も省電力に貢献していると思われる。バッテリー容量が少ないため、充電もあっという間に行える。

 ちょっくら使ってみようか、という軽い気持ちで購入したGear Fitだが、期待していた以上に重宝し、快適に楽しく活用している。これまで「自分には合わない」と食わず嫌いであったことを深く反省した次第だ。実は、すでにGear Fitでは物足りなくなり、もっといろいろなことがしてみたくなり、Android Wear端末も買ってしまった(笑)。今度、続々と魅力的なスマートウォッチが登場すると、物欲が刺激されまくってヤバいかもしれない。