みんなのケータイ
「Xperia Z1」を「SmartWatch 2」で遠隔操作
【Xperia Z1 SO-01F】
石野純也
(2013/12/4 06:00)
「Xperia Z1 SO-01F」に続き、ソニーモバイルは腕時計型の周辺機器「SmartWatch 2 SW2」を直販サイトのXperia Storeで発売した。サムスン電子も腕時計型の「GALAXY Gear」をリリースし、何かとウェアラブルが話題になっている今、これはぜひ試してみたい。そう思い、発売日にXperia Storeにアクセスした。当初はサイトが非常に混雑していてつながりづらかったが、30分ほど試行錯誤して何とか購入できた。
ちなみに、Xperia Z1ユーザー(「Xperia Z」「Xperia A」「Xperia UL」も対象)を対象に12月25日までキャンペーンが行われており、本来1万4800円の価格が1万1800円になる。GALAXY Gearは3万6540円もして、買うのに少々勇気がいたことを考えると(それでも買いましたが……)、この値段設定は非常にうれしい。1万円ちょっとなら、気軽に試すことができそうだ。SmartWatch 2も海外ではもう少し高い価格になっているが、そこは日本がおひざ元のソニーグループといったところだろう。
SmartWatch 2は、Xperiaを初めとするAndroidスマートフォンとBluetoothで連携する。メールや着信を腕元で確認でき、アプリでのカスタマイズも可能だ。アプリはGoogle Playからダウンロードでき、SmartWatch 2にはアプリ経由でインストールできる。ソニーモバイルは過去にも「LiveView」や「SmartWatch MN2」を発売してきたが、基本的な仕組みはまったく同じだ。すでに3機種目ということもあって、アプリは充実している。アプリには、SmartWatch 2に最適化されたアプリだけを探せる機能もある。
腕で何が確認できたら便利かを考え、とりあえずGmail、Facebook、カレンダー、音楽プレーヤーなどのアプリをインストールした。Gmailは、本文を途中まで読むこともできる。また、電話の着信があった際は、SmartWatch 2側にそれが表示され、応答したり拒否したりといった操作を行える。拒否したあと、SMSを送ることも可能だ。こうした機能は、打ち合わせ中など、本体を取り出しづらいシチュエーションで非常に便利。音楽を聞きながら移動している時、本体をカバンやポケットの中に入れたままコントロールできる機能も役に立っている。
ただし、挙動が不安定な部分もまだいくつかある。たとえば、なぜかFacebookは通知がまったく届かない。カレンダーはしっかり同期されているが、終日表示の予定が1日ずれてしまうバグが残っている。自分は、原稿の締め切りを終日表示でGoogleカレンダーに入力しているため、これはちょっと困る。締め切りを1日遅れても怒られないなら、特に問題ないのだが……(笑)。
意外と役に立っているのが、XperiaのWi-Fiやサウンド設定、テザリングなどをSmartWatch 2側からコントロールできる、「Phone Status」というサードパーティ製のアプリ。UIもSF感があるデザインになっており、SmartWatch 2にマッチしている。これがあれば、Xperia Z1のテザリングをサッとオンにすることができ、わざわざ端末を取り出す必要がなくなる。記者会見でPCを使う時などに活躍している。
コンパクトなデバイスなため、当初は電池の持ちが不安だった。腕時計として使うものを、毎日充電するのは面倒だからだ。ただ、実際に使ってみて、それは杞憂だと分かった。そこまで頻繁にディスプレイを点灯させていないこともあるが、3日ほど充電せずに使うことができた。これは、バックライトが消えた状態でも、時刻を確認できるおかげでもある。
1つ大きな難点を挙げるとすると、結局操作に両手が必要になってしまうところだ。左腕に着け、右手で操作すると、両手がふさがってしまう。たとえば、電車でつり革につかまりながら操作しようとすると、スマートフォンを取り出した方が楽だったりする。これはSmartWatch 2に限らず、スマートウォッチというジャンル全体の弱点かもしれない。
あとは、デザインも、今後乗り越えなければいけない課題だろう。いくら多機能とは言え、やはり普通の腕時計と比べるとどうしてもサイズが大きい。バンドは交換できるが、標準で付属するものがカジュアルなこともあり、服装は選んでしまう。こうしたさまざまな欠点はありつつも、新しいジャンルのデバイスをあれこれ試しながら使うのはやはり楽しい。1万円ちょっとでここまで遊べて(その上、記事も書けて)、元は十分取れた気がしている。「スマートウォッチってどうなの?」と思っている人が最初に試すデバイスとしては、オススメできそうだ。