GALAXY Sをなくしてわかった色々なこと
前回の記事を更新後、GALAXY Sを小田急線参宮橋~新宿駅間で紛失してしまいました。この手のことは、想像をしながら原稿を書きますが、実際になくしてみると、そのリアルさは、やはり違います。そして、スマートフォンは、従来のケータイに比べてダメージがでかいです。そのあたりも含めて、ご紹介したいと思います。
“事件”が起きたのは12月3日金曜日。その日は、渋谷区の某社を取材した後、参宮橋で用事を済ませ、15時40分過ぎに小田急新宿線の参宮橋駅に到着。各駅停車で新宿駅まで移動し、その後、都営地下鉄新宿線に乗り換えて神保町に移動する、という道程でした。
GALAXY Sがないのでは? と、かばんを見たのが都営地下鉄新宿線の新宿駅ホームでのこと。いつもかばんいっぱいに荷物を持ち歩いているので、携帯電話が埋もれて出てこないことはしばしば。後でちゃんと探せば出てくるだろうと楽観し、そのまま神保町まで移動しました。が、神保町駅についてから改めて探しても見つからない。別の携帯電話から電話をしても留守番電話サービスに接続されてしまう。
振り返ってみると、参宮橋駅の改札まで電話をしていたので、そこまでは手元にGALAXY Sはありました。が、都営地下鉄新宿線の新宿駅まで行ったときには見つからず、留守番電話サービスにつながる。参宮橋駅?新宿駅までは圏外になる場所はほとんどないので、なくしてしまったことを確信しました。
手に入れたばかりのGALAXY Sがなくなったことはとてもショックですが、それ以上にインパクトが大きかったのは、中に入っているデータです。とにかくスマートフォンは、パソコンで扱っているのと変わらない各種情報を、取り出して手軽に使えるものなので、第三者の手に渡ってしまうと、かなりの情報が漏れてしまいます。まぁ、自分のプライバシーなら自己責任で済む話なのですが、他社から提供された情報も少なからずあるうえ、Gmailは、数年前の情報にまで簡単にアクセスできてしまうので、めまいがするような気分でした。
本当は、気がついた時点でドコモの受付窓口に連絡をしても良かったのですが、タイミング良く(?)しておきたい手続きがあったことを思い出し、ドコモショップへ足を運んで手続きをしました。この時点では、電話機が出てこないことも想定し、すぐに手元の別のケータイが使えるようにFOMAカードを再発行してもらいました。これでとりあえずインターネットから情報が漏れることは防げるようになりました。
従来のケータイには、ドコモ独自の安心サービスがいくつかありました。「おまかせロック」と「遠隔ロック」などです。前者は、0120-524-360に電話するとオペレーターが電話機にロックをかけてくれるもの。後者は、遠隔操作で所定の操作をするとロックがかけられるものです。ただ現状のAndroid搭載機は、どちらも対応していません。ドコモのセンターに電話をして回線を止めることはできるんですけれど。まぁ、とにかく携帯電話は、自己管理をきちんとしておかないと、他人に迷惑をかけてしまいかねません(って、なくしたお前が言うなって話ですが)。
少し先取りしてお話をすると、もしかして? と思って電話をした小田急電鉄の遺失物センターに、私のGALAXY Sが届いていたのです。翌日経堂でピックアップして電源を入れようとすると、PINコードを聞かれたので少し安心しました。
PINコードとは、FOMAカードなどのSIMカードごとに設定ができる暗証番号のことで、電源を入れるたびに入力を求められます。この番号は、FOMAカードと紐付いたものなので、ネットワーク暗証番号や端末暗証番号とは別のものです。このPINコードを設定しておくと、FOMAカードを悪用されるリスクを大幅に軽減することができます。海外の携帯電話会社では、初期設定の状態でPINコードを入力するようにして出荷されるケースもありますが、日本では、利便性を優先しているためか、ユーザー自身が操作を行なう必要があります。ちなみにGALAXY Sでは、[設定]-[位置情報とセキュリティ]-[SIMカードロックを設定]-[SIMカードロック]で設定できます。
さて、話をもとに戻し、ドコモショップでSIMカードを新しくした後は、Google Appsの機能を使って電話機の情報を消す作業をしました。この機能は、Google Appsを使っているユーザーが、「Google Apps Device Policy」というアプリを入れておいたときのみ使える機能で、私は、この原稿を書くために神様が仕組んだのか、偶然にもインストールしてありました。なにせリリースされたのは、10月28日ですからね。その1カ月ちょっとの間にリアルに使うことになるなんて……。とにかく、このアプリを入れておいてよかったです。
近頃、iPhoneのiOSが4.2になり、年間9800円のMobileMeを使わなくても、iPhone/iPad/iPod touchを探したり、遠隔操作でデータを消去できるようになりました。これに比べると、かなりの開きがあるのですが、とりあえずAndroid機にも似たような機能が備わっています。そうそう、「Google Apps Device Policy」の対応機種は、Android 2.2搭載機です。
というわけで、私の場合、他人がGoogleにアクセスしようとすると、自動的にGALAXY Sを工場出荷状態になっているので、リスクを軽減できていました。とはいえ、それでも心配なので、GoogleアカウントならびにGoogle Appsのパスワードを変更しました。この時点では、ドコモの回線は使えませんが、Wi-Fiを使うとインターネットにアクセスができてしまいますし、「Google Apps Device Policy」でちゃんと情報が消されるかがわかりませんので。
この時点まで、GALAXY Sが出てくるかどうかがわからなかったので、「ケータイお届け補償サービス」っていくらで新しいものを届けてくれるんだっけ? などと考えていました(今回の場合は、5250円だと思います)。が、前述のとおり、善良な方が電源をオフにして駅員さんに届けてくれたとのことなので、一応は事なきを得ました。
みなさん、くれぐれもケータイは大事に扱いましょう。それに尽きます。