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指紋か、顔か、虹彩か……Galaxy S8+での画面ロック解除

【Galaxy S8+ SC-03J】

 すでに2台(代)目の端末だが、「Galaxy S8+」を使い始めてから、もうすぐ丸2カ月になろうとしている。サクサク感が先代の「Galaxy S7 edge」とはケタ違いで、縦長ディスプレイも使い勝手がよく、しかも見た目にも新しさがあって、満足度は非常に高い。夏になって気温がぐんぐん上昇しているが、カメラが熱で止まってしまうこともなければ、S7 edgeのときにあった撮ったはずの写真が保存できていないバグも発生していない。機種変更してよかったというのが、率直な感想だ。

 一方で、少々困ったことがある。画面ロックを、2カ月弱使ってきたが、画面ロックをどう解除しようかが、なかなか定まらないのだ。当初は、(Sシリーズでの)新機能である虹彩認証を使おうと思っていたが、実際に設定してみると、どうもしっくりこない。端末と目の位置をある程度カッチリ合わせなければいけないためで、ちょっと斜めを向いていたり、定位置より上下に外れていたりすると、認証が失敗してしまうのだ。目を合わせさえすれば、スピーディにロックが解除されるが、そのためにワンクッション必要で、端末に振り回されているような感覚を覚える。

画面ロックの種類は多彩だが……
虹彩認証は目の位置を正確に合わせなければならないのが不便
縦長になったこともあり、指が指紋センサーに届きづらい

 虹彩認証がダメなら指紋認証でとも思ったが、Galaxy S8+は一般的なスマートフォンより縦が長く、しかも長いボディの上部に指紋センサーが搭載されている。背面という位置についてはファーウェイの端末でよく使っていたため、特に不満はないが、高さが問題だ。よりコンパクトな「Galaxy S8」だと、比較的スムーズに指が届いたため、これはS8+のサイズが原因。ディスプレイサイズが違うのであれば、Galaxy S8+のみ、指紋センサーをカメラの下にするなど、何かしらの工夫がほしかった。

 ということで、消去法的に、もう1つの認証手段である顔認証をメインに使っている。とはいえ、これも完ぺきではない。先に挙げた虹彩認証ほどではないが、やはり端末の位置によっては、顔が正確に読み取れないことがある。インカメラを使うという仕様上、暗い場所も苦手だ。ピンスポットライトのように、強い光を狭い範囲に当てているようなときも、あまりうまく認識されない。3つの中では一番マシだが、ベターであってベストではないという印象を受ける。

 また、顔認証は、登録できる顔が1種類だけ。これが、メガネと相性が悪い。筆者は普段からメガネをかけており、その状態で登録してみたところ、外した際に、きちんと顔を認識できなくなってしまった。逆に、裸眼で登録すると、メガネをかけた際に、別人と見なされてしまう。メガネは顔の一部と言いつつも、筆者は極端に視力が悪いわけではないため、家などでは裸眼で過ごしている。そのため、どちらか一方しか登録できないという仕様だと、家と外出先のどちらかで、顔認証が使えなくなってしまうのだ。

結果として、生体認証は顔認証がメインになった

 もっとも、これは設定時にある工夫をすることで回避できた。顔を登録する途中で、メガネを外してしまうというのがそれだ。ただし、これはオフィシャルな方法ではなく、登録の途中で顔の構成が大幅に変わってしまうことにもなるため、認識率が下がるおそれがある。登録時に、かなり素早くメガネを外さなければならないのも難点。何度か試してようやく成功したが、できれば一発で終わらせたいところだ。

 ちなみに、4月にインタビューしたサムスン電子の開発者陣も、メガネ率は高かった。彼らが実利用環境でどうしているのかは、気になるポイント。残念ながら当時は質問できなかったが、インタビューがGalaxy S8+を使い始めたあとだったら、絶対にツッコミを入れていただろう(笑)。この機能はソフトウェアアップデートでの改善も期待できるため、ぜひメガネあり・なしの両方を裏ワザなしで登録できるようにしてほしい。

 顔認証も精度は完ぺきではないが、指紋認証と併用することもできる。そのため、筆者は両方の認証を設定しており、顔認証が失敗したら、指紋認証を試すようにしていた。ただ、先に挙げたように、指紋認証には“指が届きにくい問題”があり、無理やり指を伸ばすと、端末を落としそうになってしまう。ケータイ補償での交換はあと1回残っているが、「The クラッシュ!」に再登場するのはなんとしても避けたい。そんな恐怖もあってか、いつの間にか顔認証が失敗すると、パターンロックに指を伸ばすようになっていた。本来、生体認証のメリットは手軽さとセキュリティを両立できるところにあるはずだが、これだと、あまり手軽になっていないような印象を受ける。

事務所は安全な場所として、画面ロックをかけないようにしている

 ロック解除のめんどくささを解消するため、筆者は「Smart Lock」も併用している。これは、特定の場所にいるときや、ペアリングしたBluetoothデバイスがあるときに、安全だとみなし、自動的にロックを解除してくれる機能。Galaxy専用ではなく、Androidに標準で搭載されている機能だ。これを設定し、事務所にいるときだけ、画面ロックがかからないようにしている。

 と、ここまで長々とロック解除について書いてきたが、それをここまで考えなければいけないのは、何かが間違っている気がする。指紋センサーが背面に移ったのはディスプレイを縦長にするためだが、超音波を使って、背面ではなく、端末内部に移す技術もある。この技術がこなれれば、今の形状のまま、指紋センサーを従来のGalaxyと同じ位置に持ってくることができるはずだ。次回以降のモデルでは、ぜひこうした方法も検討してほしい。