みんなのケータイ

P9を失ってP10(ただし海外での使用に限る)を得る

【HUAWEI P10】

IIJmioの「海外トラベルSIM」(500MB 3850円)とVodafoneアイルランドのRED Roaming(1日2.99ユーロで200MBまで)で今年のMWCを乗り切りました

 バルセロナで開催されたMobile World Congress 2017に、今年も取材に行ってきました。今回5回目で少し気がゆるんでいたのか、それとも時差ボケしていたのか、現地のVodafoneのSIMを入れてメインで使っていたファーウェイのP9を、サムスンのプレスカンファレンス後に紛失してしまいました。盗まれたのか落としてしまったのか分かりませんが、Androidデバイスマネージャーで検索しても反応せず、電話をかけてもよく分からないアナウンスが流れるだけ。ともかく、オンラインに戻ったときにデータ削除と画面ロックするように手続きはしましたが、気に入って使っていた端末を失い、本当にショックでした。P9はデュアルSIM/デュアルスタンバイじゃないことを残念に思っていたのですが、結果、日本のSIMの回線停止手続きをしなくて済んだことだけが今となっては幸運でした。

 SIMフリー端末は他に3台持ち込んでいたので、現地のSIMをもう一度購入したかったのですが、買いに行く余裕もないほどの慌ただしさ。結局、再購入しなかったのですが、それでも大丈夫だったのは、日本から持っていったIIJmioの「海外トラベルSIM」と、大先輩から譲っていただいたVodafoneアイルランドのプリペイドSIM、RED Roamingのおかげです。幸いにも宿泊したアパートのネット環境が良く、テザリングする必要がなかったことも大きいです。

IIJmioの海外トラベルSIMは、iPhoneの「設定」→「モバイルデータ通信」→「通信のオプション」→「4Gをオンにする」→「オフ」にしたらデータが流れ始めました

 海外トラベルSIMはSIMロック解除したiPhone 6sに挿すため、日本でAPN構成プロファイルをダウンロード&インストールして、他の構成プロファイルを削除。VodafoneアイルランドのプリペイドSIMは、これもSIMロック解除したGalaxy S7 edgeに挿すべく、APNの情報をWebで探して設定し、準備万端で臨みました。しかし、海外トラベルSIMはなぜか、電波はつかむのにデータが流れない。APN構成プロファイルを再インストールしてもダメ。半日ほど悩みましたが、公式ページで「本サービスはLTE/4Gには対応していません」と記載されているのを見て原因に思い至りました。私のiPhone 6sは、「通信のオプション」の「4Gをオンにする」で「音声通話とデータ」を選択したままでした。LTE/4Gに対応していないSIMだと支障がありそうです。思った通り、4Gをオフにすることでデータが流れるようになりました。というわけで3G回線でしたが、使ったのはSNSやメッセンジャー、メールの確認程度でしたので、困ることはありませんでした。

評価用として配られたP10。P9よりわずかに画面サイズが小さくなり、少し丸い印象に。ディスプレイ下に指紋センサー兼ナビゲーションキーを配置

 また、失ったP9の代わりといってはなんですが、ファーウェイのプレスカンファレンスで、太っ腹にもプレスに評価用のP10が配られました。技適の関係上、日本では使えないので、こちらにVodafoneアイルランドのSIMを入れて出張中にできるだけ使うことにしました。

 P9から大きく変わった点は、指紋センサーが背面からディスプレイの下部に移動したことです。P9同様、指紋の認識は速く、一瞬で画面のスリープとロックが解除されます。また、ナビゲーションキーとして画面を操作できるようになりました。短押しで「戻る」、長押しでホーム画面、左右フリックでアプリ履歴を表示しますが、私はもともと履歴からアプリを開くことがほとんどないので、「戻る」と「ホーム」しか使いません。基本的な操作がナビゲーションキー上の短押しと長押しだけになり、指の動きが非常に少なくなりました。最初は戸惑うかと思ったナビゲーションキーですが、かなり気に入りました。

 モトローラの最新モデル「Moto G5」シリーズも、このナビゲーションキーと似たような操作方法を採用しています。本体正面の指紋センサーで画面操作することが、もしかしてトレンドになるかもしれません。

 P10で1つ残念だったのが、ビューティーモードが使いにくくなったことです。当初、ファインダー上で確認できなかったので、ビューティーモードがなくなったと思って確認したところ、モード自体は残っており、ファインダーで強度を調整できることが分かりました。なるほど、撮った写真を見ると、ビューティーモードがかかっています。また、写真の編集機能にも「ビューティー」メニューがあります。しかし、ファインダーで効果を見ながら撮影できないビューティーモードなんて別物です。P10がカメラ機能のウリの1つにしている「ポートレート」モードと背景をぼかす「芸術的効果」も悪くはありませんが、私自身としては物足りない印象です。

フロントカメラのファインダー。画面上部の人型アイコンが「ポートレート」モードのオン/オフ切り替えで、オレンジ色がオンの状態。若干、肌がきれいになっているように感じます。画面下部の人型アイコンがビューティーモードで、画面をドラッグして強度を調整可能。ただし、ファインダー上ではかかり具合を確認できません。その下の四角に丸のアイコンはポートレートモードの「芸術的効果」のオン/オフ切り替えで、オンにすると背景がボケます
これがポートレートモード、芸術的効果オン、ビューティーモード7で撮った写真。こんな写真ですが、海外出張疲れを見事に隠してくれているのです。

 このビューティーモードを除けば、5日程度しか使っていないので本当に第一印象レベルですが、P10の使い心地はとてもいいです。ただ、P9を使っている人が買い替えるべきかと聞かれると悩みます。P9はまだまだ最先端の端末です。また、個人的には生活防水に対応したP10 Plusの方が気になります。5.5インチの大画面でも持ちにくいとは感じませんでしたし、P10よりも上級のカメラレンズを使っています。自分にレンズの違いが分かるとも思えませんけどね。

どれもP10のオートで撮った無加工写真。暗い場所、明暗差の激しいところで撮った写真もきれいです

 P10、P10 Plusとも、日本は最初の販売国に入ってはいませんが、おサイフケータイ等に対応させるために遅れるのでは、という予想を立てる人もいました。MNOからでもSIMフリーでもどちらでもいいので、日本でも販売されることを願っています。