みんなのケータイ

成田で訪日外国人向けSIMカード事情を覗いてみた

 香港人の知人が来日するというので、空港までお迎えついでに来日客向けのSIM事情をちょっと見てきました。

 「日本の空港はiPhoneで使えるSIM売ってる?」と聞かれたので調べてみたところ、売っているどころか、無料でSIMが配布されているということを知りました。で、個人的にも興味が湧き、お手伝いがてら好奇心を満たしてみることにしたわけです。

今回手配した無料SIM 2枚。訪日客にもっと知られて、使われるようになることを祈ります

 訪日客向けに配布されているSIMとして、Bridgeという会社が配布している「Trip Free」、それにWAmazingの配布しているWAmazing SIMの2つが2017年2月時点で存在しています。

 Trip Freeの方は、無料で50MBまでデータ通信ができ、Trip Freeサービス経由でレストランの代行予約サービスを利用すると使える容量が追加されるというもの。特に使用できる機種の指定などはありません。

 対して、WAmazingの方はiPhoneシリーズ専用ですが、データ容量は500MB。容量の追加は専用アプリから購入できます。アプリにはタクシー手配の機能などもあるようですが、これを使っても容量が増えることはないようです。

 で、今回はせっかくなので両方のSIMを手配しましたが、入手方法などにも、この2つにはいろいろ差がありました。

 Trip Freeの方は、基本的にWebサイトからの申込で手配できるのですが、日本の住所に郵送という形になります(なぜか香港からは接続がタイムアウトになってしまうそうで、実際には筆者が日本から申し込みました)。宿泊先などに送ってもらうことになるのだと思うのですが、SIMは飾り気のない茶封筒に宛先と使用者の名前だけが書かれて送られてきます。一応、裏面には手書きで「SIMカード在中」と日本語で書かれているのですが、宿泊施設の人が宿泊者宛の郵便だということが分かってくれるのかどうかちょっと心配です。

 特に民泊などを利用する場合、前の宿泊客が受け取って、勝手に使ってしまいそうな気もしないでもありません。なお、茶封筒には使用者の名前だけがアルファベットで書かれていますが、その他はすべて日本語で書かれています。知人も送付してもらって使うのは使いづらそうという感想を持っていました。

 一方、彼女にもWAmazingの方は高評価でした。こちらは「WAmazing」という名前さえ知っていれば、App StoreからiPhoneにアプリを簡単にインストールでき、手続きも簡単でアプリから一人で全部できました。登録が必要な情報はメールアドレスなどで、それほど多くはないとか。

 また、WAmazingは、受け取りも楽です。空港に各社のSIM自販機と並んでSIM配布機が設置されており、ここでWAmazingアプリのQRコードを読み取らせれば、SIMが出てきます(2017年2月現在、配布機が設置されているのは成田空港のみ)。

【編集部注 2017/02/10 14:49】
 Trip Free提供元のBridge社によれば、Trip Freeもデータ通信量の購入が可能とのこと。SIMカードとともにパンフレットが送付され、価格や追加方法が案内されている。価格は200MB/7日間で560円、500MB/7日間で1350円、1GB/7日間で2600円、制限のないアンリミテッドプランで3200円。また、送付時の封筒への表記(使用者の名前がアルファベット、その他が日本語)は、日本国内への送付のための表記とのこと。

成田空港第3ターミナルの場合、SIM販売機が集まった一角の一番奥にWAmazing SIMの配布機が設置されています
WAmazingのSIM配布機
iPhoneに表示されるWAmzingのQRコードをかざすことで、SIMが出てきます

 飛行機で日本に到着したらすぐに通信が可能、それにとりあえず500MBもあれば、一通りメールとFacebookと微信くらいは見られますし、こちらはかなり有用に使えそうな感じです。おそらく本格的に使うには追加容量の購入が必要でしょうが、お金を払えば買えるほうがレストランを予約して食べに行くより楽、とも言っていました。

 日本の通信環境は、Wi-Fiが一見整っているように見えるのに接続に手間がかかって面倒であるのに比べると、LTEでどこでも快適なスピードで通信できる、という感想なので、旅行者に知られるようになれば、これは流行るかもしれませんね。

 ただ、その「知られる」というのは、実際にはかなり高いハードルかもしれません。日本メーカーの香港支社に勤務していて、筆者に「平和島温泉は本当の温泉なのか? カツ丼は食べられるのか?」と訊いてくるくらいの日本通の人でさえ全く情報に到達できないレベルというのは心配になります。実は、今回「こういう2つの無料SIMがあるよ」と先方に知らせたのですが、旅行者向けのニュースサイトなどにも情報が全くなかったそうで、これでは誰もこんないいものが配布されていることを知りようがないのでは? ということでした。もっと知ってもらう努力が必要なのかもしれません。