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第423回:Wi-Fi WIN とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 「Wi-Fi WIN」は、auの携帯電話から自宅などの無線LAN(Wi-Fi)を経由して、インターネットを利用できるサービスです。

 auの2009年夏モデルの1つである「biblio」(東芝製)が同サービスに対応しており、同機種の発売に合わせてサービスがスタートする予定です。

 「Wi-Fi WIN」では、あらかじめ接続する無線LANアクセスポイントの情報を登録しておくことで、EZwebやEメール、EZアプリなどでパケット通信を行う際に、無線LANの電波が届く範囲では無線LAN、そうでない場合にはCDMA 1X WINでの接続、とエリアに応じて、自動的に通信方式を切り替えられます。無線LAN接続エリアからCDMA 1X WINでの通信エリアへ、あるいは逆にCDMA 1X WINでの通信エリアから無線LAN接続エリアから移動した場合でも、携帯電話でのエリア設定などは必要なく、自動的に接続先を判別します。

 このサービスでは、CDMA 1X WIN経由でインターネットに接続した場合はパケット通信料がかかりますが、Wi-Fi WINを利用した通信では、パケット通信料はかかりません。ただしEZ WINコースとパケット通信料定額サービスの契約が必要です。また、事前にWi-Fi WINの利用手続きも行います。月額利用料(月額525円)もかかるサービスですが、2011年6月末までは、キャンペーンとして月額利用料は無料です。


携帯電話に無線LAN

 仕組みを見てみると、簡単に言えば、携帯電話に無線LAN対応の通信機能を持たせて、CDMA 1X WIN、無線LANどちらでも通信を可能にすることで実現しています。また、携帯電話回線からのみアクセスできるようになっていたEZwebサービスを、無線LAN経由でも利用できるようにしています。これは、インターネット上にWi-Fi WIN専用ゲートウェイを新設することで実現しています。

 Wi-Fi WINサービスを利用できるのは、無線LAN機能(IEEE802.11b/g)を内蔵している機種のみとなっています。なお、携帯電話側でこのサービスに対応したファームウェアが必要であるため、無線LAN機能を搭載していてもサービスを利用できないau端末も存在します。

 Wi-Fi WIN専用ゲートウェイを利用していますので、PCなどからはWi-Fi WIN用のサービスの利用はできません。なお、公衆無線LANを利用する場合、接続先はFREESPOTなどWeb認証を必要としないサービスだけになります。これは、携帯電話側の無線LAN接続機能では、ESSIDの登録やWEP/WPAなどの暗号化をサポートするものの、Web認証は非対応となっているためです。そのため、NTTコミュニケーションズのHOTSPOTなどは利用できません。


大容量データをより手軽にリッチに

 Wi-Fi WINのメリットは、無線LANを使用しているので、高速にデータ通信、より大量のデータ通信が可能となることです。CDMA 1X WINの通信速度は下り最大2.4Mbpsですが、無線LANの場合、たとえばIEEE802.11g対応アクセスポイントであれば最大約54Mbpsと、より高速なデータ通信が可能です。このため、動画など大容量のデータを、より手軽に扱うことができるようになりますし、従来より表現力豊かな(リッチな)データを扱えるようになっています。

 PCサイトビューアーとして搭載されているブラウザ「Opera Mobile 9.5」を利用することで、YouTubeなどのFlash Video形式の動画コンテンツを携帯電話で視聴することが可能になりました。また、これまではau BOXやパソコンがないと利用できなかった「LISMO Video」も携帯電話のみで利用できるようになります。

 ちなみにLISMO Videoとは、インターネット回線を使ったレンタルビデオサービスで、映画・アニメ・海外ドラマなどのビデオをダウンロードし、一定期間再生できるというサービスです。これまでは、携帯電話で楽しむ場合、一度au BOXやパソコンにダウンロードして転送する必要がありました。しかし、Wi-Fi WIN対応機では、au BOX、パソコンなどを使わなくても、Wi-Fiアクセスポイント経由で直接ダウンロードして視聴できます。

 そのほか、動画以外では、EZアプリやEZブックでもこれまでよりリッチなコンテンツが楽しめるようになりました。Wi-Fi WIN対応機では、これまでより大きなデータを扱う、Wi-Fi WIN専用大容量版「EZアプリ(BREW)」や大容量版の「EZブック」の利用が可能となっています。

 EZブックとは、携帯電話を使った電子ブックで、コミックや小説など電子書籍をダウンロードして読めるサービスですが、たとえば、コミックの場合、大容量であればより鮮明な画像で読書が可能になるのです。



URL
  KDDI 「Wi-Fi WIN」の提供開始について
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2009/0525e/

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(大和 哲)
2009/06/02 12:28

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