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第404回:IMEI とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 IMEIは、「国際移動体装置識別番号(端末識別番号)」を意味する英語“International Mobile Equipment Identifier”の略で、携帯電話やデータ通信カードが1台ずつ持っている識別番号です。原則として、各端末は1台1台、異なる番号になっています。

 この識別番号は、15桁の数字からなっていて、装置を製造したメーカーと機種を示す番号、生産国、固体に割り振られたシリアル番号、IMEIが正しい内容であることを検証するためのチェックデジットが含まれています。


IMEIの内容
IMEIの内容

 IMEIは、1台ずつに違う番号が割り振られていて、USIMカードなどを差し替えても変わることはありません。携帯電話に割り振られたIMEI番号は、多くの機種では、待受画面で、「*#06#」と入力することで表示できるようになっています。


多くの機種では、端末固体番号であるIMEIを、待受画面で「*#06#」と入力することで表示させることができる

多くの機種では、端末固体番号であるIMEIを、待受画面で「*#06#」と入力することで表示させることができる
 ちなみにUSIMカード、IMSI(International Mobile Subscriber Identity、国際移動体加入者識別番号)という番号が割り振られています。携帯電話で電話をかける際には、IMEIとIMSIが「セット」で事業者に送信され、事業者にはどの利用者がどんな端末を使って電話をかけようとしているのかわかるような仕組みになっています。「どこでも電話をかけられる」という携帯電話ならではの機能を実現するためには、どのエリアに携帯電話がいるのか、事業者のシステムが把握しておかねばなりませんから、IMEIとIMSI、携帯電話番号などの情報を組み合わせて活用しています。


欧州では「盗難端末の機能停止」に使われている

 IMEIやIMSIは、事業者側がユーザーの使う携帯電話を見分けるという用途のほかに、有料コンテンツのデータ保護などのためにも使われることがあります。携帯電話内に格納されているコンテンツデータを、IMEI/IMSIをキーにして暗号化すれば、他の機種やあるいはパソコンなどにデータをコピーしても、暗号化されたデータを復号できなくなります。つまり、“その利用者が持つ携帯電話だけが利用できるコンテンツ”にすることができるわけです。

 またNTTドコモでは、IMEIを管理するシステムを開発し、遠隔操作で携帯電話をロックするサービスを提供しています。

 IMEIは「盗難品の携帯電話を利用できなくするため」にも利用が可能です。たとえば、EIR(Equipment Identity Register)というIMEI番号を登録する仕組みを導入し、盗難された携帯電話や、不正利用が確認された携帯電話のIMEI番号を登録して、ブラックリストデータベースを構築します。

 携帯電話は、通話・通信を行う際に、通信事業者にIMEIを通知するので、事業者はデータベースを確認し、もしブラックリストに登録されていれば、通話を行わなかったり、端末を追跡したりするというような処理を行うのです。

 英国やヨーロッパ諸国では、このEIRを使ったブラックリストデータベースがすでに構築されていて、携帯電話の盗難の届出があった場合、通常、48時間以内にブラックリストへの登録が完了し、通信機能を止めることができるようになっています。


英国や欧州諸国では、端末の盗難対策としてIMEIを利用している。EIRのブラックリストに登録されたIMEI番号では、通信が行われないようになっている
英国や欧州諸国では、端末の盗難対策としてIMEIを利用している。EIRのブラックリストに登録されたIMEI番号では、通信が行われないようになっている

 欧州諸国間では、お互いにEIRを参照できるようになっているので、たとえば英国で盗まれた端末がイタリアで利用されそうになってもブロックできます。ただし、EIRを構築していない国もまだ多くあるので、盗まれた携帯電話のSIMロックが解除され、そのような国に不正に輸出された場合、盗品の携帯電話の利用を止めることはできない、という問題は存在し続けます。

 なお、IMEI番号は基本的には、工場出荷時に各端末に書き込まれていて変更することはできません(メーカー修理を行った場合は変更される場合があります)。ただし、クラッキング行為によってIMEIを変更したり、海賊版の携帯電話や闇ルートなどで出荷されている場合は、そもそも最初から登録されているIMEIがでたらめだったり、ひどいときにはどの端末にも同じIMEIが書き込まれているケースなどもあるようです。

 英国では、法律でIMEI番号を書き換えることを禁止していますが、技術的に可能である以上、残念ながら犯罪抑止への完全な対策とはなりえていない、という声もあります。



(大和 哲)
2009/01/13 12:18

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