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第237回:DoS とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 DoSとは、「Denial of Service」の略で、日本語では「サービス拒否」「サービス停止」などと訳されます。DoS攻撃と言えば、インターネットを使ったコンピュータへの妨害行動の1つです。

 インターネットからコンピュータを攻撃した場合、さまざまな影響を与えることができますが、DoSが成功した場合、対象となるコンピュータへの影響は「そのコンピュータが、他のコンピュータにサービスを提供できなくなる、あるいは停止する」ということになります。対象となったサービスだけでなく、コンピュータそのものを活動停止させ、全てのサービスを停止させる場合もやはりDoSに含まれます。

 この現象を引き起こすためには、攻撃対象となるコンピュータに「過負荷をかける」「想定されていないデータを与えて処理の異常を起こさせる」のいずれか、あるいはその両方が行なわれます。

 「過負荷をかける攻撃」には、単純にアクセス回数やデータ量を増やしてサーバーに送信する、などの方法が使われます。たとえば攻撃するサーバーがWebサーバーなどの場合には繰り返してアクセスしたり、メールサーバーの場合には大量のメールを送信する“メール爆弾”などが使われます。

 同じサーバーに無意味にアクセスを繰り返す行為では、特に多くのユーザーが一斉にアクセスした場合、サーバー側の能力が追いつかず、サービスが停止することがあるため、悪意のユーザーによっては、アクセスする端末を意図的に増やして分散攻撃(DDoS、Distributed DoS)をしかける場合もあります。

 こういった攻撃手法には、「SYN Flood」や「Death of ping」などがあり、それらは、「想定されていないデータを与えて処理の異常を起こさせる攻撃」と言えるものです。既に多くのサーバーでは対応策がとられ、攻撃が成功することはないでしょう。

 「想定されていないデータを与えて処理の異常を起こさせる攻撃」は、システムの脆弱性を狙ってデータを送り、サービスを停止させます。一般的に、サーバーのシステムや、スクリプトは、そのようなことがないように作られていますが、なんらかの問題により、セキュリティ上の脆弱性が内包され、また、それが明らかになってしまう場合があると、悪意のユーザーによって、システムを停止させるようなデータの作り方が発見されてしまう場合があります。


DoSへの対処方法

 「想定されていないデータを与えて処理の異常を起こさせる攻撃」に関しては、実際に攻撃されることもありますが、それ以前に脆弱性の情報が公開され、それに対するシステムのパッチが提供され、攻撃より先に多くのサーバーで対処されるほうが一般的で、実際に攻撃コードが作成され、それが利用されるまで放置されることは稀です。

 携帯電話と「サーバーに対する攻撃」は無縁に思えますが、本誌では、QRコード作成ツールにDoS状態を引き起こす脆弱性があるというニュースが掲載されました。これは、サーバー用に配布されている「QRコードを画面に表示するためのスクリプト」に脆弱性があることが確認されたため、スクリプトを更新することを呼びかけている、という内容でした。

 QRコードは携帯電話向けに数多くのシーンで利用されていますが、こういった情報が公開されることで、多くのサーバーでは先にパッチが当てられるというわけです。

 サーバーは、「想定されていないデータを与えて処理の異常を起こさせる攻撃」に関してはセキュリティパッチのアップデートなどで、また「過負荷をかける攻撃」に関しては攻撃がされてから、その方面からのアクセスをルーターなどでブロックすることで防御しますので、完全にサービス停止に至ることは、ほとんどないと言っても良いでしょう。

 ただし、過負荷をかける攻撃が行なわれた場合などでは、パソコンのWebブラウザや携帯電話から特定のサービスが利用できなくなる場合などもあり得ます。そのような場合は、ユーザーは、Webブラウザや携帯電話からのアクセスを繰り返し行なわずに、しばらく待つべきでしょう。

 なぜなら、たとえばアクセス集中によるDoSなどが行われている場合、繰り返しアクセスしてしまうと、そのDoS攻撃にあなたも荷担してしまうことになりかねないからです。


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(大和 哲)
2005/08/09 11:47

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