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第137回:メガピクセル とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


携帯電話として国内初の“メガピクセル”カメラを搭載したJ-SH53
 「メガピクセル」とはおおよそ100万画素のことを言います。この言葉はもともとデジタルカメラの特長を表わす言葉として使われてきました。100万画素以上の画素数を持つイメージセンサーを搭載している、あるいは100万以上の画素数の写真データで撮影できるデジカメのことを「メガピクセル級デジカメ」というように言っていたわけです。(現在では、普及クラスのデジカメでも200万画素程度のものが多くなったのであまり使われなくなりましたが)。

 そして、携帯電話に搭載されるカメラでも、100万画素クラスのものが出始めたため、「メガピクセルケータイ」というような使い方をするようになってきています。ある意味、実用的に使える程度のデジタルカメラの世界に携帯電話が飛び込んだということの象徴的な表現であるとも言えるでしょう。

 携帯電話としては、最初に市販されたのはJ-フォンの「J-SH53」です。続いて、NTTドコモの「D505i」「SO505i」、auの「A5401CA」が現在販売されています。さらに今後もドコモから発売される「F505i」、「SH505i」がこれに続く予定です。

 ちなみに、“メガ”はSI系と呼ばれる度数や量などを表わす国際的単位系で決められている接頭語で「100万」を意味します。元々の意味はギリシア語の「大量」です。このSI系の接頭語ではK(キロ、1,000)、G(ギガ、10億)、T(テラ、1兆)なども決められています。携帯電話やコンピュータでおなじみですね。


画素にまつわる2つの数字

 デジタルカメラ、あるいは携帯電話に関して「メガピクセル」という用語が使われるようになりましたが、「撮影できる画素」数と言えば2つの意味があります。それは“センサーの画素数”と“記録画素数”です。

 デジタルカメラ、携帯電話のカメラ機能はボディの中にあるイメージセンサーで撮影を行なって、そのデータをマイクロコンピュータやDSP(デジタルシグナルプロセッサ)で処理し、本体メモリ・メモリカード内にデジタルデータとして記録します。ですが、このイメージセンサーで撮影できる画素数と、メモリ中に記録されるデータの画素数はかならずしも一致しません。センサーの持つ画素数より記録画素数が多いことも、逆にセンサーの持つ画素数より記録画素数が少なくなることがあります。

 センサーの持つ画素数より記録画素数が多い例としては、たとえば「D505i」で採用されているスーパーCCDハニカムがあります。これは富士写真フイルムが開発したハニカム信号処理を行なうことで記録画素数より多い撮影画素数を作り出す、というイメージセンサーです。一般的には、撮影に使われるCCDでは光を受けて画像の一点を作り出す受光素子が正方格子状に配列されているのですが、このスーパーCCDハニカムでは、受光素子が45度回転された状態で配置されています。そして、素子と素子の間で受けている光を計算によって推定する「補完」という演算を行ないます。こうすると本来画素のない箇所にも画素があるようにデータを作り出せるようになり、実際に撮影した画素数より記録画素数が多くなるわけです。


有効画素数が約63万画素、最大記録画素数が約123万画素のスーパーCCDハニカムカメラを搭載したD505i 富士フイルムが昨夏より携帯電話向けに供給を開始した「スーパーCCDハニカム」

 逆にセンサーの持つ画素数より記録画素数が少なくなる場合ですが、たとえば、センサーの端の画素は記録には使わないというような場合です。というのも、センサーで撮影した画像をマイクロプロセッサやDSPで信号処理する際に、センサーの回路自体が持っているノイズを差し引いて、できるだけ綺麗な画像として記録したい、というような処理がされている場合があります。その場合、1つ1つの画素について、周りの画素の色や光の情報を参考に修正する場合があるのですが、その際センサーの端の画素は参考にできる画素がないので、撮影データには反映せず、その内側の画像の参考データとしてのみ使うというようなこともあるのです。

 そのような事情があるために、デジタルカメラでも携帯電話でも、内蔵されたイメージセンサーの持っている画素数と、最大に大きな画素数の撮影データの画素数はだいたい一致しません。メガピクセル携帯電話であってもどちらかが100万以下ということもあるのですが、多くの場合、どちらか一方が100万を超えていれば「メガピクセル携帯」という呼び方をするようです。

 ちなみに、メガピクセル、つまり100万画素というと単純に考えると縦に1,000個、横に1,000個の画像を並べられる計算になりますが、メガピクセルの携帯電話は、最大記録画素数が123万ピクセルで、縦1,280×横960ピクセルになっていることが多いようです。

各事業者から発売・発表されているメガピクセルケータイ
事業者 機種名 撮像素子の持つ画素数 撮影可能な最大ピクセル
NTTドコモ D505i 約63万画素 1,280×960(約123万画素)
NTTドコモ SO505i 約130万画素 1,280×960(約123万画素)
NTTドコモ F505i 約123万画素 1,280×960(約123万画素)
NTTドコモ SH505i 約100万画素 1,024×768(約78万画素)
J-フォン J-SH53 約100万画素 1,144×858(約98万画素)
au A5401CA 約124万画素 1,280×960(約123万画素)


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(大和 哲)
2003/06/17 11:54

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