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本当に神ってるのか!? “神ジューデン”こと「Xiaomi 12T Pro」の充電・バッテリー性能を検証してみた
2023年3月6日 00:00
「わずか19分で2%から100%まで充電できる」という“神ジューデン”が注目のスマートフォン「Xiaomi 12T Pro」。
国内ではソフトバンクが2022年12月16日から発売し、SIMフリー版もリリースされているハイエンドなモデルだが、実際のところその高速充電による使い勝手の良さは、どれくらい実感できるものなのだろう。
スマートフォンの充電は高速になるほど、うれしい。でも、あまりにも高速な充電だとなんとなく不安だし、使い始めたらすぐに消耗して頻繁に充電が必要になるようでは意味がない。ハイエンドモデルということで処理性能が高い分、バッテリーの減りが早そうな気もする……。
というわけで、「12T Pro」の超高速充電の裏に隠された秘密(?)をシャオミ(Xiaomi)の製品担当の方に伺いつつ、実際に充電してみたり、ゲームや動画などにヘビーに使ってみたりして、その“神ジューデン”っぷりを確かめてみることにした。
充電の爆速度合いをチェックしてみよう
まずは「12T Pro」の“神ジューデン”たる由縁、「Xiaomiハイパーチャージ」と呼ばれる超高速充電の実力を改めて確認しておきたい。
最大限の充電速度を発揮する「充電速度のブースト」設定をオンにした状態で、120W出力の付属充電器を使い、バッテリー残量2%余りのところから充電を始め、100%になるまでの時間を計ってみる。メーカーでは同様の条件で「19分」で満充電できるとしているが、どうなるだろうか。早回し動画にしてみたのでご覧いただきたい。
動画にある通り、見事、約19分で100%に達した。
2%をわずかに超える状態から充電を始めたことや、充電中も常時画面表示する設定にしていたことなどから、本来の充電性能とは誤差があるかもしれないが、それにしても20分足らずで100%になるのは驚異的だ。
筆者も初めて充電したときは、ちょっと目を離した隙に数10%も回復しているのを見て目を疑ったほど。日常生活だと、「充電している隙に皿洗いでもしておくか」と思って家事をこなしているうちに、いつの間にか充電が完了しているイメージだ。
これなら、バッテリー切れになってもゲームを中断する時間は最小限にできるし、出かける直前に残量が少ないことに気づいて慌てて充電し始めたとしても、十分なバッテリーレベルに戻したうえで遅刻も防げるに違いない。
参考までに、「12T Pro」と同容量の5000mAhのバッテリーをもつ一般的な急速充電(23W)対応のスマートフォンだと、公式な仕様では約30分間で最大50%まで充電できる、とのこと(30WのUSB PD充電器使用時)。通常、100%に近づくにつれて充電速度は低下するので、早く見積もっても満充電まで1時間30分、あるいは2時間前後はかかることになるだろう。それと比べれば、120Wの“神ジューデン”がいかに圧倒的な充電速度を実現しているか、よくわかる。
しかも今回、「19分」というウリ文句を確認するために2%から充電したわけだけれど、実際はそんなにギリギリまで使ってから充電することはたぶんまれ。おそらく20~30%あたりで不安になって充電することが多いのではないかと思う。仮に30%から充電したとすると、100%まで充電にかかる時間は14~15分。家の周りを少し散歩して戻ってきたら、100%まで充電されているという具合。たしかに神っている……。
バッテリーの長持ち具合をチェックしてみよう
いや、決めつけるのはまだ早い。最初に書いたように、充電が爆速なだけで、すぐにバッテリーを消耗したりはしないだろうか。そんなことではせっかくの“神ジューデン”も魅力は半減である。
5000mAhというバッテリー容量は比較的大きく、長持ちしそうではあるけれど、ガッツリ使ってみてどれほどのスタミナがあるのか確認しておかなければならない。
というわけで、次はバッテリーの持続時間をチェックする。のだが、当然ながら使うアプリの種類やスマートフォンの扱い方によってバッテリーの減り具合は変わってくる。なので、ここでは端末にとって特に負荷が大きいと思われるゲーム(デフォルトの画質設定)やネット動画の再生(フルHD画質)を試して、どれくらいもつのか検証してみた。
3Dグラフィックの美しいゲームアプリをダウンロードし、その後はゲームプレーとYouTubeでの動画再生を交互に1時間ずつ繰り返したところ、トータル8時間34分経過したところでバッテリー残量がようやく8%まで減った。結果的には、ゲームと動画再生をそれぞれ約4時間ずつ繰り返すことになったわけだけれど、ここまで連続で使ってもまだ8%の余裕があるわけで、スタミナ面においても「12T Pro」は高い実力をもっていると言って良さそうだ。
ちなみに今回の検証においては、動画再生時よりも、3Dゲームをプレーしているときの方が減りが早かった。なかでも最初にゲームを起動して20GB余りのデータをダウンロードするところで9%消費したのが一番消耗ペースが早かった部分だ。通信が頻繁に発生するオンライン対戦ゲームだとバッテリー消費が大きそう、ということは覚えておくといいかも。
120Wの急速充電、本当に大丈夫? メーカーの人に聞いた
なるほど、「12T Pro」の充電はびっくりするほど高速だし、バッテリーもちも十分すぎるくらいに長いことがわかった。ただ、こんなに充電が高速だと、今までの常識から考えれば心配に感じる人もいるのではないだろうか。高出力の充電はバッテリーや端末本体への負担が大きいと言われているし、異常な発熱や故障などの原因になってしまうのでは?
そこで、シャオミの日本法人である小米技術日本でプロダクトプランニング本部 本部長を務める安達 晃彦氏に、120Wの「Xiaomiハイパーチャージ」周りの疑問をぶつけてみた。
――ズバリお聞きしますが、これほどまでに高速な充電で問題はないのでしょうか?
安達氏
我々シャオミは以前から、スマートフォンに効率的に電気を流して、できるだけ速く、しかも安全に充電するところに重きを置いて製品開発してきました。きちんとした安全対策を施さないと、端末が余計に熱をもち、結果として人的・物的な被害を与える可能性がありますし、バッテリー寿命が極端に短くなることも考えられます。
スマートフォンで採用されているリチウムイオン電池には化学的なリスクが常につきまとうものなので、それをいかに安全に扱えるようにするかは大変重要です。今回の「12T Pro」では、そのために120Wという高出力の専用充電器を用意する一方で、大きな電流を受け止められる能力を端末本体の回路やバッテリーに備えて、高速性能と安全の両立を実現しました。
――今回の「12T Pro」に至るまでの、シャオミの高速充電への取り組みはどのようなものだったのでしょうか?
安達氏
現在のスマートフォンは“30W”までのものが多いと思いますが、シャオミでは2022年の前半に“33W”の「Redmi Note 11」や、67Wの「Redmi Note 11 Pro 5G」を日本向けにリリースしています。
しかし、初めて120Wを実現したのはそれより以前の2020年、中国で発売した「Mi 10 Ultra」です。このときの満充電時間は23分でした。グローバル向けでは2021年に発売した「11T Pro」が初の120W対応です。つまり、120W充電は2年以上前に商品化済みで、すでに多くのユーザーにお使いいただいている、実績のある安定した技術なんです。
当社は研究開発に非常に大きな投資をしていますし、充電に限っても世界で700以上の特許を取得しています。
――高速で安全な充電のために、「12T Pro」にはどのような技術や工夫が盛り込まれているのですか?
安達氏
「12T Pro」の充電に関しては、端末側の回路、バッテリー、充電器などに対し、主要な安全対策・保護機能として42件の技術要素を盛り込んでいます。前モデルの「11T Pro」は34件でしたから、そこから一段と増やしていることになります。
たとえば端末の各所に設けた9つのセンサーで、端末が異常に発熱して悪影響を与えることのないように制御していますが、その軸となるのが、シャオミが独自に開発した充電制御専用チップ「SURGE P1」です。「12T Pro」ではこれを2個搭載し、精密で効率的な充電制御を行なっています。
それとあわせて、バッテリーの複数箇所から電流を流すことで効率的に充電できるようにする「MTW技術」や、最適な電流・電圧バランスを実現するための「デュアルチャージポンプ」という仕組み、加えて100%に近づいても可能な限り速い充電速度を保てるようにする「Mi-FC技術」などを取り入れています。
――同じ120W対応の「11T Pro」とはどういった違いがありますか?
安達氏
「11T Pro」では、バッテリーがデュアルセルだったところ、「12T Pro」ではシングルセルにして、コストダウンと同時に容積を稼いでバッテリー容量の増加に有利な設計にしました。これは「SURGE P1」チップの採用などによる技術進化のおかげです。
このようにしてコストダウンを図っていくことで、今後はより幅広い機種に高速充電を採用できるようになっていくでしょう。
――「12T Pro」については「24ヶ月無料バッテリー交換」という保証サービスも話題ですが、その適用範囲は?
安達氏
大前提として、ここまでお話ししたような数々の安全対策を施しているので、お客様にご迷惑をおかけすることのない製品・バッテリーになっていること、その自信の表れとして今回の保証プログラムを設定したということをご理解いただければと思います。
しかしそれでも、電子機器である以上、何かしらの不具合が発生する可能性はゼロではありません。思ったより充電に時間がかかったり、すぐにバッテリーが消耗したりする症状が発生しないとも限りませんので、その場合はショップやカスタマーセンターにご相談いただいて修理受付をしていただく形になります。
水没や落下、USBポートの破損など、必ずしもバッテリー自体に起因した問題と言い切れない場合もありますので、端末をお預かりして解析し、問題の原因がバッテリーによるものと判定されれば、修理費用をいただかずにバッテリー交換させていただきます。これは購入から2年以内であれば何度でも対応します。
また、「12T Pro」では800サイクルの充電回数で充電容量80%を保証していますが、24カ月以内にそれ以下の充電容量になってしまった場合も交換対応します。とはいえ、他社製の多くの端末では500サイクルが目安となっていますから、800サイクルというのはかなり高い耐久性をもっていると言えます。5000mAhもの容量があって、たとえ2年間毎日充電したとしても700回を少し超える程度にしかならないことを考えると、ほとんどの方に長く満足いただけるクオリティになっているのではと思います。
――ユーザー側でできるだけ長持ちさせる使い方の工夫や、便利な活用方法はあったりしますか?
安達氏
1つは「Xiaomi AdaptiveCharge」(充電の最適化)という機能です。
これは、ユーザーの生活習慣に応じて、高速に充電する必要がなさそうなときは充電を自動で「ゆっくり」にする、といった働きをするものです。たとえば、起床時刻の少し前までは80%のところで充電を止めておき、起床直前のタイミングで100%にする、という方法で充電するようになったりします。
そうすることでバッテリーにかかる負担を抑えながら安心・安全に充電できて、しかも長寿命になることが期待できます。ただ、場合によっては不都合な動作になることもあるかもしれません。徹夜で仕事しているときに充電しようと思っても、本来なら就寝中の時間帯なので急速充電にならないことがある、とかですね。そのときはもう一度充電ケーブルを差し直してもらえれば、きちんとフルスピードで急速充電できるようになります。
それと「12T Pro」は、USB OTG(On-The-Go)にも対応していますので、「12T Pro」をモバイルバッテリー代わりにして、ほかのデバイスを充電するような使い方もできます。スマートフォン2台持ちの方におすすめですね。
――高速充電に限らず、シャオミのこれからの展開について教えていただければ。
安達氏
中国では、さらに大出力となる210Wの「Redmi Note 12 探索版」という端末をすでに発売しています。4300mAhのデュアルセルなので、バッテリー容量としては抑え気味ですが、満充電をわずか9分で達成するものになっています。
そうしたところからも、シャオミは常に先を見据えて技術に投資していることを私自身感じています。ここ数年はカメラ性能が一気に上がったこともあり、そのなかでも「12T Pro」は画質に関する評価が高い。日本市場にはまだ製品として展開できていませんが、ライカさんとの協業も、さらなるスマートフォンの技術の底上げに貢献するものと期待しています。
シャオミは、今や世界第3位のスマートフォンメーカーですが、ほかにもウェアラブル機器やワイヤレスイヤフォンなどの製品もあります。そうしたスマートフォンと連携する製品も含め、これからも直接的にお客様のベネフィットになる製品開発に力を入れていきたいですね。
それと最後に、67Wと120Wの充電器単体を近日中に発売予定、ということもお伝えしておきます。
付属の充電器を紛失したので単体で購入したいですとか、自宅と会社に1個ずつ置いて使いたいという要望を受けたものです。高出力な充電器ながらリーズナブルな価格で提供できると思います。
――ありがとうございました。
“神ジューデン”だけじゃない、「12T Pro」のアドバンテージ
ここまでは“神ジューデン”にフォーカスして検証し、シャオミ担当者から技術的な信頼度の高さも知ることができた。
しかし、「12T Pro」はただ充電が速くてスタミナもあって、しかもバッテリーは2年保証で安心! というだけの端末ではない。ハイエンドスマートフォンとして、ほかにも注目すべき機能や性能はたくさんある。
なかでも注目したいのは、現行のスマートフォンでトップクラスとなるカメラ性能。メインの広角カメラは2億画素の超高解像度で、F値1.69の明るいレンズによって極めて高精細に描写してくれる。撮影モードを「ウルトラHD」に切り替え、さらに「200MP」モードをオンにすると16384×12288ドットというまさに桁違いの解像度で撮影できるのだ。
つぎのサンプル写真では、被写体を細部まで鮮やかに捉えていることがよくわかる。光学式手ブレ補正も搭載しているおかげで、その高い描写性能はますます活きてくる。
ただ、これほどの解像度になるとファイルサイズも1つ50MB前後と巨大になり、ファイルを転送・バックアップするときに扱いにくくなる場合もある。なので、普段は標準の撮影モード(1200万画素相当、4096×3072ドット)を使い、ここぞという場面で「ウルトラHD」以上の撮影モードに切り替える、といった使い方がおすすめだ。
さらに超広角とマクロでの撮影も可能で、狭い室内を写すのも、草花や昆虫など小さなものを拡大して見るのもOK。「12T Pro」が1台あれば、あらゆるシーンを表現力豊かに切り取れるだろう。
ディスプレイも高解像度な1220×2712ドットで、6.7型の有機ELを採用。HDR対応のため動画配信サービスなどは一段と鮮やかな画質で視聴でき、そのうえリフレッシュレートは120Hzということで動画のブレも最小限に抑えられる。それだけでなく、Webサイトのスクロールやゲームのグラフィック表示も滑らかになるのが高リフレッシュレートのメリットだ。目の疲れを軽減するうえに、瞬時の判断が勝敗を分けるアクション・シューティングゲームでは有利に戦える。
動画・ゲームにおいては、harman/cardonコラボのクリアなサウンドを奏でるステレオスピーカーが内蔵しているのも利点だ。
スマートフォンの頭脳を担うプロセッサーはクアルコムの「Snapdragon 8+ Gen 1」を搭載し、メモリは8GB。デュアルSIM(物理SIMとeSIM)対応で5Gネットワーク(対応バンドはn1、n3、n28、n41、n77、n78)とWi-Fi 6を利用でき、画面内指紋認証も備えるなどトレンドも押さえている。
極めつけに、おサイフケータイにもSIMフリー版を含めて対応しているから、モバイルSuicaをはじめとする電子マネーも使用可。日本のユーザー向けの仕様をきっちりカバーしているあたり、シャオミの本気度がうかがえる。
一度使い始めたら戻れない、“神っている”スマートフォンだ!
あまりにも高速過ぎて、ちょっぴり不安なところもあった“神ジューデン”の「Xiaomiハイパーチャージ」だけれど、結論としては安心して充電しまくってOK、ということになる。実際に使ってみると、充電で「待たない」ことによる気楽さ、もしくは開放感みたいなものを感じずにはいられない。これまでのスマートフォンの充電待ちがいかにストレスだったか、ということに気付かせてくれる。
カメラ画質や端末としての機能・パフォーマンスもハイエンドモデルらしい仕上がりで、なによりおサイフケータイが使えるという日本のユーザーにフレンドリーな仕様はありがたい。スマートフォンに求められる機能がぎっしり詰め込まれ、超高速充電を実現した「12T Pro」は、一度使い始めるともうほかのスマートフォンには戻れなくなる神がかった魅力をもっている、と言っていいのではないだろうか。
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