東京に次ぐビジネスホテルの激戦地は、商都「おおさか」だろう。筆者の場合大阪は出身地でもあり、人生の半分以上を過ごした大阪には、実家もあり、友達も多く、転がり込むところには事欠かない。しかし、翌日のビジネスミーティングに向けての準備を整える時、ことに新幹線に乗るまでにほとんど仕事の整理ができていないような場合は、やはりワークデスクのしっかりした快適な客室があり、交通至便な場所にあるホテルを探すことになるのが普通だ。
2つの一流ホテルが、ブロードバンド未対応でショック
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リッツカールトンもヒルトンもブロードバンド未対応。そこで、Webで探した「ホテル・ザ・ルーテル」に宿泊した
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インターネット予約がごく一般的になった現在は、有名な大型都市ホテルでも、旅行代理店を経由しないWebだけの格安宿泊料を設定しているところも多い。客室の広さや食事、ロケーションを考えて、多少高くても国際的な都市ホテルを選択する、という従来はなかった選択肢も選べるようになってきた。今回は、過去何回か宿泊したブロードバンド対応都市ホテルではなく、もっと身分不相応な、世界の一流どころに宿泊してみようと、「リッツカールトン」と「ヒルトン」の2つを候補に考えていた。
早速、宿泊予約をWeb経由で行なおうと、サイトを隅から隅まで見回ったが、どうも「ブロードバンド対応」の文字が見当たらない。やむなく、音声電話で両ホテルの代表番号に電話し、「客室ブロードバンド対応の可否」を訪ねたところ、しばらく電話をホールドされ、その結果、なんということか、大阪にある世界の一流ホテルの「リッツカールトン」と「ヒルトン」の両方ともがブロードバンドには対応していないことがわかったのだ。
これを単に東京・大阪の需要格差と捉えるか、ホテルの顧客サービスの優先順位の違いと捉えるべきか、筆者には判断できないが、「いまどき、それはないだろう!?」というのが正直な感想だった。「リッツカールトン」と「ヒルトン」にとって「BB」はいまだにブロードバンドではなく「Bed & Breakfast」(一宿一飯)を意味するのだろうか?
ケータイもPCも充電。出張に便利な外部バッテリー「NEXUS 336」
多忙なビジネスマン・ビジネスウーマンにとって、横揺れの激しい新幹線「のぞみ」の中は、あまり快適な環境ではないが、気の持ちようで、たっぷり仕事のできる「モバイル・オフィス」ともなる。筆者はふだん、長時間駆動のタフバッテリーを積んだThinkPad s30を使っているので、東京大阪の新幹線の移動時間くらいで「ガス欠」を起こすことなど全くないが、目的地に到着後、1~2時間のプレゼンテーションやパソコンが必須のミーティングに出席する必要のある時は少し不安になる時がある。
そんな時には、モバイルPC専用のACアダプタを持って行くか、同じく専用の大容量バッテリーを携帯するのが唯一の解決方法だった。しかし、ACアダプタは、出先でうまくコンセントが見つかれば良いが、そうでなければ重いだけで意味がないものだ。近頃、筆者が愛用しているのは、携帯電話にも充電でき、モバイルPCから見ればただのACアダプタに見える便利な外部バッテリーである「NEXUS 336」だ。これならThinkPad s30の標準バッテリーと合わせて、実質8時間近く動作し、フルデイバッテリーと併用すると、軽く10時間くらい使えてしまう。なおかつほとんどの携帯電話にも充電できる優れモノだ。新幹線の中では、見えていても意味のない外部バッテリーはイスの隙間や、前席の背もたれの裏側にあるネット状のマガジンホルダーに入れて使用できるので意外と便利なのだ。
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NEXUS 336は長距離出張モバイルの力強い見方だ!
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バッテリーはマガジンポケットに入れても使用可能
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Webで見つけた格安ホテル「ホテル・ザ・ルーテル」
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地下鉄「谷町4丁目駅」は大阪城公園やNHKにも近い
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「NEXUS 336」のお陰で、ThinkPad s30の内蔵バッテリーにはまったく手を付けることなく、無事、新大阪駅に到着した。前述の一流ホテルにがっかりした後、筆者がWeb上でやっと見つけたホテルは、Web予約価格が1泊6000円で、「ビジネスルーム」と呼ばれる全客室には、なんと立派な机とブロードバンド・インターネット対応のパソコン本体まで用意されている「ホテル・ザ・ルーテル」だった。価格が安いだけでなく、ロケーションも地下鉄「谷町線」「中央線」の「谷町4丁目」駅の直ぐ側と抜群だ。なんと地下鉄を降りて、「1B」出口からたったの徒歩1分なのだ。
正面玄関の両開きの、大きく重厚な木製の自動ドアから中に入ると、きれいな木造の廊下がロビーを横切って一番奥にあるレストランの「オリーブ」にまで続く。建物全体の直接照明と間接照明のバランスが、自然と落ち着いた高級感を醸し出している。
フロントでチェックインを済ませ、明日の朝の朝食券を購入。和洋食すべてが食べ放題の朝食バイキングがなんと850円。価格的にはビジネスホテルの平均クラスだが、実際の料理の内容を考えるとコストパフォーマンスは秀逸だ。清潔で静かなエレベーターは、すぐに本日の宿泊フロアである禁煙ルーム専用の8階に到着した。間接照明を嫌味なく採用した廊下は、平均的ビジネスホテルの雰囲気をはるかに越えている。客室に入っても、その統一された雰囲気は変わることなく、清潔感と安心感を感じると同時にリラックスできる客室創りだ。
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ホテルと同じ敷地内にルーテル教会が併設されている
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フロリダのホテルのエントランスのような明るい入り口
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床のウッドな感じと間接照明が見事なバランスのロビー
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清潔なエレベーターが快適なゲストルームへ運んでくれる
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豪華な設備で料金は格安。コストパフォーマンスは抜群だ
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日立製デスクトップPCを常設。ビジネスに活用できる
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客室には、大きな窓に面してワイドな木造りのデスクが備え付けられており、一般的にはむき出しで並べられていることの多い、ヘアドライヤーや冷蔵庫、その他の小物類がうまくデスクの両袖の扉の中に収納されている。デスクの上の左端には、ビジネスルーム全室に備え付けの、ネットワーク接続された日立製液晶パネルトップPCが設置されている。
パネルトップPC(Windows機)は、インターネット接続用途だけでなく、ExcelやWordなどのアプリケーション・ソフトも導入済みで、ゲストが無料で自由に個人のビジネスに活用できる。パーソナルなユーザーデータを個人のファイルとしてハードディスクに作っても、チェックアウト時には自動的にそれらが削除される「クリーンアップ機能」がサポートされているので安心だ。また、ホテルの周辺案内や一般的にビジネスマンが必要とされるサイトが簡単に見つけられるように、ホテル専用のポータル画面も用意されている。
筆者のように個人的なモバイルPCを持ち込むゲストの場合でも、イーサネット接続で使用できるように机の上には「RJ45」のコネクタが1個用意されている。客室にあらかじめ用意されたデスクトップPCを経由し、それをリモートサーバーとしてネット接続する仕組みのようで、デスクトップPCの電源を切ると接続できないようだった。
ブロードバンド関連だけではなく、ビジネスホテルとしては広めの客室や、ワンサイズ大きなバスルーム、幅140cmのワイドベッド、大きな窓に面したワイドデスク、全室に用意されたシャワートイレなどなど、どれをとってもとてもこの価格帯ではなかなかあり得ない設備だ。
多くの都市ホテルで、ブロードバンド・インターネットの一晩の使用料金は、安くて千円、少し高いところでは2千円近くが当たり前だが、ここ「ホテル・ザ・ルーテル」では全くの無料なのだ。種々の観点から評価しても、ビジネスで宿泊するITビジネスマン・ビジネスウーマンにとって「ホテル・ザ・ルーテル」は、過去のこのコラムの中でもほぼトップクラスの評価を与えることができるだろう。これだけの設備、便利さ、満足度で、チェックアウト日の朝に筆者が支払った金額は、朝食を含めて、消費税・サービス料込みで、なんと7140円だった。
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安価なビジネスホテルとは思えない落ち着いたインテリア
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持ち込みのモバイルPCはイーサネット接続で使用
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筆者はThinkPad s30を久しぶりに有線LANで使用
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次回も簡単に使えるようにアクセスコネクションズに通信環境を設定
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大阪の地下鉄は痴漢対策に熱心?
翌日は、午前中には大阪市内で仕事を終え、午後はできる限り早く東京に戻らなければならなかったので、いつものように「JRエキスプレスカード」を利用し、ケータイ電話で「のぞみ」のチケットをオンライン予約した。途中、ホテルのある「谷町4丁目」駅から新大阪駅までは地下鉄を一度乗り換えて7つ目の駅だ。
久しぶりに大阪の地下鉄に乗車したが、車内アナウンスで、絶対に関東圏では聞いたことのない異様なアナウンスがあったので元関西人の筆者も驚いた。内容はと言えば「チカンは犯罪です」という女性アナウンサーの声だった……ふと前に目をやると、地下鉄の乗降扉のガラスにまで同じ台詞のステッカーが貼られている。これは、大阪は特に痴漢が多いのか、それとも痴漢という犯罪行為の締め出しに特に熱心な都市ということなのか。次回の出張では大阪の女性にご馳走して、事の真相を詳しく聞いてみるつもりだ。
それじゃ、次回まで、はぶふぁん!
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地下鉄の扉になぜか「チカンは犯罪です」! そんなの当たり前じゃないか?
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窓口が長蛇の列でも、いつも快適に指定券が取り出せるJRエキスプレスの予約乗車券 券売機
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・ ホテル・ザ・ルーテル
http://www.hotel-lut.com/
(ゼロ・ハリ)
2002/06/27 11:40
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