ノースウエスト航空で“憧れのハワイ”へ
海外旅行の「お子さまランチ旅・ナンバーワン」は文句なしに常夏のハワイ、ホノルルツアーだろう。ホノルル市内、少なくともオアフ島を一歩も出ない海外旅行は「お上りさん海外ツアーの王道」だ。「誰もが知らない隠れた場所を紹介する旅行専門誌」や「達人がそっと教えるハワイ」なんていう嫌味な特集が幅を利かす不況時代だが、「ホノルル出ないでどこが悪い!」という気持ちで、ごく最近、へそ曲がりの筆者は久しぶりにこの「パックツアーの王道ツアー」にチャレンジした。
ホノルルは、日本から7~8時間で気軽に行ける日本人旅行者の人気スポットだが、海外旅行を中途半端に多くこなした自称「旅の達人」には意外と冷たくあしらわれる観光スポットでもある。これは同じ熱海や箱根でも、テレビの深夜番組でコマーシャルしている温泉旅館はダサイが、誰も名前も知らないひなびた旅館は、ただ単に名前を知らないだけなのに「隠れた宿」として蘊蓄付きで受け入れられるのに近い感覚だ。
成田からホノルルへは多くの国の国際線が運行しており、到着時間や好みの航空会社、運行クラスもよりどりみどりだ。ふだん日本の航空会社を利用することの多い筆者も、今回だけは変化をつけて海外の航空会社便で行こうと心に決めていた。当初、羽田からホノルルへひとっ飛びで行ける超便利で安価な「中華航空」が最有力候補だったが、関空から飛ぶ友人との現地での待ち合わせ時間の関係からノースウエスト航空の便で憧れのハワイに向かうこととなった。
シートが広くて快適! ノースウエストのビジネスクラス
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ノースウエストのワールドビジネスクラスのボーイング747は、ちょっと天井が低いが2階席が広くて絶対得だ
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ノースウエスト航空の「ワールド・ビジネスクラス」は米デルタ航空などと同じく、ユナイテッド航空やアメリカン航空、国内のJALやANAの国際線より、はるかに広くて快適なシートを提供してくれる。特にジャンボジェット機の2階席は全部で座席がたったの12席しかなく、前後のシートピッチは1階席よりまだ広く160cm近い快適さだ。
ホノルル行きは、日本を発つのが夜の7時前後で、約7~8時間乗って現地時間の同日朝8時前後に到着、という旅程になってしまう。日本時間を基準に考えると、なんとか頑張って起きていたが、そろそろ眠くなってウトウトしだした深夜の2時~3時頃に、突然、また「あさー」って言われる最悪の感覚なのだ。
ほぼ水平近くまで倒れる感覚のワールド・ビジネスクラスのリクライニングシートはぐっすり睡眠がとれそうで、そういう意味でも価値がある。またインフライト・ムービーも、JALなどの国内航空会社に比較すると魅力的なメニューが少ないため、機内エンターテイメントに後ろ髪を引かれることなく睡眠に没頭することが可能だ。
4泊6日程度の比較的短期でタフな旅程の組まれることの多い「ホノルル・オンリー・ツアー」は、現地に着いた日の朝のコンディションによって、全ての旅行中の喜怒哀楽が決まると言っても過言ではないだろう。そのために、絶対欠かせないのが前夜の睡眠なのだ。
騒がしいビーチではケータイよりウォーキートーキーが便利!
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ワイキキ海岸徒歩ゼロ分のワイキキビーチマリオネットホテル
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ただただ値段に釣られて「ホノルル激安ツアー」等に参加すると、到着後の時差ボケでグロッキーなところに、追い打ちをかけるように問答無用で、行きたくもない「市中引き回しの刑」に付き合わされることがある。
ホテルのチェックインまでの辛抱だと思っても、この短時間の引き回しは、その後、何日間にもわたって体調に悪影響を与える要因になるので注意が必要だ。初めてのホノルルならまだしも、ただでさえ現地滞在時間が短いのに、いつでも行ける免税店に2度も3度も連れて行かれてはたまらない。
リピーターの多いホノルル観光では、無条件に到着後の現地で「市中引き回し団体ツアー」をキャンセルできる旅行社も最近は多くなっている。また、おかしな話だが、「ペナルティ・マネー」を支払うことで、公に「自由放免一切お構いなし」を言い渡してくれるちゃっかりした奉行所、いや旅行社もある。そうした場合は、荷物の配送と、実際のチェックイン時間と、その方法だけをエージェントにしつこいくらい確認して、その場からすぐにバイバイするのが理想的な短期ホノルル決戦旅行だ。
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ホノルルでも流行だが邪魔になるだけで意味のない高いケータイ
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早々と隊列を離れて、旅行代理店からホノルルで利用するケータイ電話一式を借り、一路今回の宿泊ホテルである「ワイキキビーチマリオットホテル」に向かった。
今までホノルルでは、狭い地域の仲間内の相互連絡だけなので、米国内で購入した小型無線機「ウォーキートーキー」を利用することが多かったが、今回初めて現地でケータイを借りた。しかし、ワイキキ海岸の雑踏の中や、大きなショッピングセンターの中では、着信音量を最大に設定するとか、バイブレーションモードにして肌身離さず装着するなどしなければ、ほとんどの着信に気づかないことになってしまう。やはりワイキキでは異常なほど高額な旅行者専用携帯電話を借りるより、現地のショッピングセンターでウォーキートーキーを1ペア買った方が経済的かつ、はるかに役に立つだろう。ケータイはまず不要だ。
大峡谷ヌアヌパリとシェイブドアイスと戦艦ミズーリ
「ワイキキビーチマリオットホテル」は昔「ハワイアン・リージェントホテル」と呼ばれていた、ダイヤモンドヘッド寄りの大型ホテルだ。米国内と同じくここハワイでもホテルの買収・代替わりは激しいようだ。客室はほぼ全て“オーシャンビュー”に該当し、逆にオーシャンフロントの部屋がない構造になっている。
筆者が案内された部屋は、ちょうどラナイから遠くにシェラトンホテルやモアナ・サーフライダーホテルが見える、ダイヤモンドヘッドに背を向けた位置の客室だった。ホテルの真ん前にある防波堤で遮られたビーチは、ほとんどプールのような状態になっており、寄せる波のうちほんの少し防波堤をまたいだ海水が流れ込んでくるという状況で小さな子供の水遊びにはもってこいの環境だった。
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典型的な米国風ホテルで、ごく普通の部屋でも広さは都心の3DKマンションなみ
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ほとんどの部屋からベッドに寝ころんでビーチが見える
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遠くにシェラトンホテルなどが見えるオーシャンビュールーム
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波が遮られたホテル前の海岸は家族連れや甲羅干しには最適
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雨が多く、めったに晴れることのないヌアヌパリの貴重な快晴
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続いてハワイに来たら必ず見なければならないモノがある。
いつも曇りがちで雨も多いハワイの大峡谷「ヌアヌパリ」だ。初めてのハワイならパックツアーやオプショナルツアーで必ずノミネートされている名所だ。学生の頃ホノルルにしばらく居て、その後も旅行で何度か訪れたヌアヌパリだが、今回ほど晴れて遠くが見通せたのは初めてだった。ヌアヌパリを後にしてしばらく走るとノースショア方向に向かう国道沿いの右側にスターバックスがある。ここで休憩すれば、つい先ほどのヌアヌパリの断崖を今度は下から見上げることができる。
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長い列に並んでやっと順番が来る人気のかき氷
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どんどん時計の針と逆回りに走るとノースショアのハレイワという街に着く。この街のメインの通りに「マツモト・グローサリー・ストア」という有名なお店がある。日本からは多くのタレントが訪れたり、テレビ局が現地の観光スポットとして紹介したりして有名になったお店だ。
筆者はホノルルに行くとなぜか必ずここで有名な「シェイブドアイス」を食べる。スタバのマイカップより遙かにかっこいい(!?)ピンク色の「マイ・シェイブドアイス・ホルダー」(25セント)を持ち込み、めいっぱい「かき氷」を受けてレインボ?カラーの蜜をかけてもらうのが最高だ。
車の場合はうっかりすると通り過ぎてしまうくらい小さなお店だが、休みの日中なら必ず店の表にかき氷を買うために長蛇の列を作っているロコが並んでいるので気付くはずだ。リムジンで乗りつけた強面の団体オヤジまでがつい並んでしまう旨さなのだ!
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毎年行くマツモト・グローサリーストア。行くたびに混み合っている
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マイホルダーでレインボウ氷の雪崩をくい止めて味わう最高の時
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今回の旅行ではオアフ島をホノルル市を出てから時計の針と反対回りした。島内ドライブの最終点は日本でも上映され、再び注目を浴びた真珠湾「パールハーバー」だ。現在ここには、潜水艦が一隻と太平洋戦争の幕引きの調印式が行われた戦艦「ミズーリ」が永久係留され、それぞれが戦争歴史博物館のようなイメージで一般公開されている。
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一見の価値が絶対にあるバトルシップ「ミズーリ」最高だ!
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戦艦「ミズーリ」は、湾岸戦争にも参画し、筆者も大ファンのアクション俳優、スティーブン・セガール主演映画「沈黙の戦艦」の撮影を最後に引退、真珠湾に保存されている。
つい最近まで実戦配備されていたバトルシップでもあり、日本国内では本物の数万トン以上の戦艦など全く見る機会もないので、ぜひ見ておきたい。トマホークやその他の新しい火器でより重装備にはなっているが、太平洋戦争当時の面影も完全に保存されている。艦内もとても広く、興味を持ってじっくり見ると、お決まりの見学コースだけでも、ゆうに3時間くらいは必要だ。
メールチェックだけならインターネットカフェでも十分可能
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モンスターケーブルを使ってデータポートからローミング通信
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その日の夜は、昼間一日中動き回ったせいか、かなり疲れたので、国際ローミングをサービスしているGRIC社のホノルル市内のアクセスポイントに接続し、メールのチェックを終えて直ぐに床についた。筆者のようにモバイルPCをデジタルカメラの「現像所」兼「一時保存アルバム」として利用する予定がないなら、わざわざ避暑地にモバイルPCを携帯することなく、メールのチェックだけなら、ホノルル市内のあちこちにあるインターネットカフェやホテルのビジネスセンターのパソコンを使うことでも十分可能だ。
ワイキキビーチマリオットホテルの隣のブロックにあるプチホテルの「エバホテル」2階には、日本語でインターネットアクセスができるLAN接続のデスクトップPCがあり、時間単位で使用できる。日本を発つ前に「hot mail」や「Lycos mail」のような、フリーWebメールのユーザーIDを取得し、自分宛のPOPメールをそのアドレスに転送指定しておけば、どこに行ってもブラウザだけでメールを送受信できる環境になるので便利だ。
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ワイキキにもこんなこじんまりした感じの良いホテルがある
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2階のカフェでは日本語のインターネットPCを時間借りできる
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請求書の内容は要チェック!
ワイキキビーチマリオットホテルは比較的ローコストでロケーションも良いが、米国のホテルがよくやってくれる大まかなミスにも共通点がある。
今回は、珍しく朝食は宿泊料金に含まれているはずだったが、チェックアウト日の前日深夜に、ドアの下の隙間から滑り込まされた明細書には、しっかりと毎日の食事代金が別途請求されており、さらに初日はなぜか食べ放題であるバイキング形式の朝食を2回も食べたことになっていた。チェックアウト時のクレームであっさりと請求を引き下げたが、何も言わなければそれっきりになるのは米国のルールなのだ。くれぐれも米国では、請求書にはしつこいくらい眼を光らせるべきだろう。特に電話料金の間違いが多いようだ。100ドルくらいは簡単に損してしまうことがよくあるのだ。
帰路も快適な飛行だったが、成田空港に着いてからしばらくしても、なぜか全く荷物がターンテーブルに出てこない。結局、乗客のほとんどの荷物がターンテーブルに出終わり、寂しくなってきた頃に筆者のトランクがやっと顔をだした。ノースウエスト航空は米国の会社のはずだが、係員がタグの「PRIORITY」と書かれた赤い帯の大きな文字の意味がよく理解できていなかったのかもしれない。やっぱり国内の航空会社で行くべきだったのか??次回は必ず全日空で行くことにしよう!
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米国のホテルの請求書はまず疑ってチェックした方がいい
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日本の航空会社ではめったにないミスだが…
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・ ワイキキ・ビーチ・マリオット・リゾート
http://www.marriott.co.jp/hotel/83.htm
(ゼロ・ハリ)
2001/11/22 12:27
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