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第23回:たこ焼きを食べながらウィーンの朝を体感
「ホテルモントレ大阪」
ゼロ・ハリ ゼロ・ハリ
「日本のモバイルキング」、「中年ガジェットキング」など数々の異名を持つ。数多くのパソコン雑誌に執筆。購入した携帯グッズはそろそろトン単位に突入か?


ひときわ目立つ、ヨーロッパ調の黄色い建物

今回の宿「ホテルモントレ大阪」は、大阪キタの都心の総合開発地域のど真ん中にある。サンフランシスコのダウンタウンのようだ
 大阪の環状線から時々見える、おもしろい外観をしたホテルに気づいてから既に1年くらいが経過しただろうか。以前から今度大阪に行くことがあれば、ぜひそのホテルに宿泊したいと考えていたが、今回ひょんなことからその「ホテルモントレ大阪」に宿泊する機会が実現した。

 ホテルモントレ大阪は、東京でいえば山手線にあたる「JR環状線」を大阪駅から時計の針と反対方向に福島駅の方に向かって行くと、左側に見える黄色い14階建てのヨーロッパ調の建物だ。筆者は本物を見たことはないが、ホテル外観のカラーリングはウィーンの「シェーンブルン宮殿」とやらの配色を模したらしく、環状線の窓から見えるその景観は「華麗」とも、確実に「周りから浮いている」とも感じられるユニークなものであることだけは確かだ。

 エレベーターは、移動階がデジタル数字でライトアップ表示される方式ではなく、目盛りの付いたスライドバー表示方式のクラシックなもの。このエレベーターで8階へ上がると、そこがホテルのフロントになっている。


モントレ独特の雰囲気がある外観。飛び出したチャペルが印象的だ クラシカルな雰囲気を醸し出すのに効果を発揮するエレベーターの階数表示

エレベーターホールも個性的で、モントレ色が感じられる 筆者の目には「ビックリハウス」に映ったロビー横のラウンジルーム

ヨーロッパ調が盛りだくさん

本当に年代を感じる作りに模しているチャペル。ホテルモントレ大阪のシンボルだ
 ホテルモントレ大阪に限らず、基本的にモントレホテルグループでは下層階をオフィスとして使用していることが多いようだ。今回宿泊したホテルも一部を除き5階まではオフィス・フロアとなっており、7階が宴会場、9階から13階が客室フロアとなっている。その客室5フロアには、スタンダードシングルからスイートまで、3種類の異なる「宮廷風のインテリア」の客室が用意されている。ホテルのリーフフレットに添付の価格表には、1泊1万3000円~5万円の宿泊料金が記載されているが、さまざまな宿泊パックプランや、インターネット予約の割引などによって、実際にはより安い料金で宿泊が可能なことが多いようだ。

 メインダイニングのある8階には、「エンジェル広場」と呼ばれるビルの屋上のようなオープンスペースのエリアがあり、そこに「ゴドウエル」と名付けられたブライダル用の、年代ものに見えるチャペルが建てられている。このチャペルは実際にベルギーのブリュッセル郊外に現存する教会を忠実に再現したものらしく、ホテル到着後すぐに「ヨーロッパ見本市」を体感できるという蘊蓄が満載のようなのだ。

 レストランに関してもそれは同様だ。「エスカーレ」と呼ばれるフランス料理店、「サン・ミケーレ」と呼ばれるイタリアンレストラン、中国料理の「彩雲」、そして日本料理の「随縁」と比較的小さなホテルだが充実したラインナップ。館内に一歩足を踏み入れると、『ウイーンの古い町を歩いているよう……』との表現がホテルのリーフフレットには書かれているが、残念ながら生まれてこれまで、オーストリアに行ったことのない筆者にはあまりイメージがわかず、感動が少なかったのかもしれない。若い女性やカップルならもちろん感じ方も違うだろうことは言うまでもない。出張では年中大阪に行っているが、既に大阪に住まなくなって10年以上経つ筆者から見れば、大阪人好みのてんこ盛りタイプの価格性能比を追求した地元密着型のホテルを目指しているように思える。


チャペルに向かう道、既に何百組ものカップルが結婚式を挙げたのだろう ビジネスマン一人では歩きたくないテラス横の小道

立地は申し分なし。部屋も快適で清潔

宴会場から客室フロアに上がる階段も凝りに凝っている。やはり若い女性好み!?
 若い女性のグループやカップルだけではなく、シングルのビジネスピープルが利用することを前提に考えても、大阪の北半分でビジネスがあるなら、ホテルの立地は申し分ないだろう。東京と異なり大阪は普通どこでもそうだが、雨の日でも大阪駅や梅田からほとんど濡れることなく地下通路を通ってホテルまで辿り着ける。大阪では基本的に雨傘は要らないのだ。近くには、客室からインターネット高速アクセス可能なエコノミーなハートンホテルや、ちょっと財布がリッチなら、ヒルトンホテルやウエスティンなどの世界の一流ホテルもある。

 後で知ったことだが、筆者が1泊したスタンダードシングルの客室は、「ヴィエンナ・トラディショナル」と呼ばれるインテリアの客室だったようだ。基本的に「トラディショナル」というとごく一般的で好き嫌いがないタイプの部屋と理解して良いだろう。モントレホテルグループの特長でもあるが、ホテルモントレ大阪も比較的低料金でも、客室に入った最初の空間スペースが大きい。特に、ホテルモントレ大阪の客室はワックスで綺麗に保たれた板張りのダークな床も気持ちよく清潔だ。1人用のソファが窓際にあり、シングルベッドは大きくはないが、快適でやはり清潔だ。たったひとつ残念なのは、綺麗な塗りの木製の日除けを開いて窓の外を見ると、子供の頃から見飽きたJR環状線がカーブを切りながらゴトゴトと走り去ってゆく姿がいつも見えることだけだろう。

 チャペルとレストランのある8階のロビー横には、中世ヨーロッパの雰囲気ムンムンのインテリアをギッシリと押し込めたような不思議な小部屋がある。宿泊客や訪問客が自由に利用できるロビーラウンジなのだろうが、筆者は、鏡や一見古く見える家具などを見て、思わず昔は国内外の遊園地にあった部屋がグルグル回転する「ビックリハウス」を想像してしまった。やはりビジネスマン1人が座るソファではなく、カップルで座ると異なった趣があって違った印象になるのだろう。翌日の朝食時にもホテルの宿泊客にもカップルが多かったのが印象に残っている。朝食は宿泊プランの選択によっては宿泊料金に組み込みとなっているが、別途となると2000円必要だ。ブッフェ形式の朝食としては、内容の割に高額であると感じる人が多いだろう。

 しかし、ホテルの朝食では超珍しくブッフェ形式で自由に選択できるプレートメニューに大阪名物の「たこ焼き」があったのは特筆に値する。朝からオレンジジュースにマッチするかどうかは好みの分かれるところだが、もちろん大阪生まれ、大阪育ちの筆者は気が付いた時には自分のプレートに移していた。


1人用のソファと窓際のスペースが意外と有効な客室 余裕しゃくしゃくとまではいかないが、なぜか落ち着く清潔なベッド周り

インターネット接続環境は正統派スタンダード

こだわりのあるバスルームと洗面。広くはないが清潔で快適だ
 いろいろなことで驚かされることの多いホテルモントレ大阪だが、ことインターネットの接続性に関しては標準的で、意外性は皆無だ。残念ながら流行の兆しのあるブロードバンド・インターネットはまだサポートされていないが、客室のデスク脇の壁面には、ACコンセント2個とRJ-11のモジュラージャックが1つのプレートで提供されている。名前を聞けば誰でも知っているような日本一流のホテルでも、ACコンセントの場所と、モジュラージャックの場所が大きく離れている客室もまだまだ多い。昼間に客先でのプレゼンテーションなどでモバイルPCの充電池を使い切った時に、運悪く短いモジュラーケーブルしか持ち合わせがなかったりすると、再度充電をしてからでなければインターネット接続できないという事もまれにあるのだ。最低、ACコンセントとRJ-11モジュラージャックの同一場所での提供はITホテルの最低条件だろう。

 新しいコンセプトと従来にない独創性で、日本国内に続々とチェーンホテルを展開しているモントレホテルグループだが、機会があればまた異なるロケーションのホテルもzひご紹介したい。はぶふぁん!!


デスクのすぐ脇にACとRJ-11のジャックがひとまとめにあり快適だ なんといってもブッフェ形式で提供される大阪名物「たこ焼き」が圧巻

・ ホテルモントレ大阪
  http://www.hotelmonterey.co.jp/


(ゼロ・ハリ)
2001/07/05 00:00

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