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第21回:ボンバルディア製ジェット機で仙台にGO!
ゼロ・ハリ ゼロ・ハリ
「日本のモバイルキング」、「中年ガジェットキング」など数々の異名を持つ。数多くのパソコン雑誌に執筆。購入した携帯グッズはそろそろトン単位に突入か?


ボンバルディア製「カナディア・リージョナル・ジェット」で仙台へ

前方左側の入り口から入る乗客、この日は十数人だった
 「フェアリンク」(Fair Inc.)は、2000年8月から関空・仙台間でカナダのボンバーディア社製の小型リージョナル・ジェット2機を採用して、日本国内では比較的珍しい、短距離の運行サービスを行なっている新しい航空会社だ。チケットの販売や運行、客室乗務員の訓練は全日空に、機体整備は別の整備専門会社に委託している。全日空の大阪・仙台便の最近の時刻表を見ると、1日8往復ある運行便のうち、3往復を同社の便が担っているようだ。

 筆者もよく利用する米国内のリージョナルジェットである「アメリカンイーグル航空」の小型機と同じく、ドアの内側に取り付けられた短い階段を上って、前方左側から乗客は乗り込む。内部には総革張りのシートが50席用意されている。中央通路をはさんで左右に2席があり、通路の天井は高く、相当大きな人でも余裕で動き回ることが可能だ。手荷物収納も国産のYS-11などと比較しても広く、筆者もこの日機内に持ち込んだゼロ・ハリーバートン社のモバイルPC専用のアタッシェとハートマン社のボストンバッグの2個が余裕で収納できた(本当は2個は違反だ。この日は空いていたのでお目こぼしだろう)。リアの胴体両側面に取り付けられた双発のGE社ターボエンジンはなかなかパワフルで、この日の乗客は20人くらいだったが、圧倒的なGを感じながら力強く上昇する感覚はジャンボジェット等に慣れているとなかなか新鮮で快適だ。滑走しだしたと思ったらアッという間に離陸し、見る見る地上の景色が小さくなっていく。


リアの双発エンジンはなかなか強力だ。見えなくて残念だが飛行機の底面の塗装もなかなかカラフルだ 滑走路を走り出してアッという間に上昇する。気が付いたらこの高さだ

 総皮製のシートはホールド感も抜群で、高級感もある。なにより国内を飛んでいる一般的な大型機より、前後の間隔も余裕があり、足元も広くて快適だ。特徴の多いリージョナル・ジェットだが、最もユニークなのはその「着陸姿勢」だろう。今まで国内外で何百回と飛行機の着陸を経験したが、ボンバルディア社のカナディア・リージョナル・ジェットの着陸姿勢は乗客が比較的簡単に気が付く特徴がある。ごく普通のジェット飛行機は着陸態勢に入ると、フラップを大きく広げ、スロットルを絞り、尾翼を機体の重心より低位置にセットし、どちらかと言えば「後傾姿勢」でしゃくるようにしてエレベーターの降下のごとく、高度を下げて行くのが一般的だ。

 ところがリージョナル・ジェットは積極的に、どちらかと言えば前傾姿勢のままポジティブに降下を続けそのまま着陸してしまうといった感じだ。まさにその着陸態勢で、筆者の乗った3003便は定刻より5分早く16時30分に仙台空港に到着した。途中着陸前にほんの少し揺れたが、全般的に快適な空の旅だった。


通路をはさんで2列ずつの座席で全部で50席。通路の天井はかなり高い 総本革製の座席は心地よくホールド感抜群、足元のクリアランスも十分だ

ホテル仙台プラザ

地上15階総客室177の東北地方の伝統的なホテル「ホテル仙台プラザ」
 仙台空港から仙台市内までは特急バスで約40分の陸の移動だ。高速道路は快適だったが、あいにく市内に入った途端、夕方のラッシュアワーに巻き込まれ、JR仙台駅前についた頃にはもう周囲が暗くなっていた。今日の宿泊ホテルである「ホテル仙台プラザ」は昭和50年に開業したホテルだが、その前身である「陸奥別館青木ホテル」にそのルーツがあり、東北地方では伝統のあるホテルの1つだ。客室は和室からスイートまで全部で177室あり、2000人まで収容可能なバンケットホールまで備えたキャパシティのあるホテルだ。ホテルマンの教育も行き届いており、東北一の一流ホテルだろう。

 JR仙台駅から地下鉄南北線で2駅目の「勾当台公園」駅で下車、駅からは徒歩で3分くらいだ。JR仙台駅からタクシーで移動しても800円前後だろう。ホテルのすぐ側には三越や大きなアーケードのショッピングセンターもあり、コンビニ店も多く、ビジネスマンの出張には理想的な環境だ。

 今回宿泊した部屋は、ツインのシングルユースだったが、テレビは専用のスタンドテーブルを使用しており、その分デスクの上は広く活用できる。筆者は2泊したが、部屋のメンテナンスや掃除は丁寧で気持ち良く、備品の補充も完璧だ。ただ唯一首を傾げたくなるのは、朝食を1階の「セレーナ」というレストランでとる際に、「禁煙席」を指定したら、最も窓から遠い、レジ側の暗い席に案内された。禁煙席そのものも数が少ない様子だった。喫煙自体は悪いことではないが、食事をするための密閉されたレストランやカフェは「禁煙」が当たり前で、うっかり喫煙の友人と一緒に「喫煙席」を希望したら散々待たされたあげく、倉庫のような暗い最悪の場所に案内される米国のレストランとは対照的だ。忘れていたが、久しぶりに「喫煙天国アジア」にいる実感を味わえた瞬間だった。


ごく標準的なツインルームだ。広さもベッドのサイズもごく標準的だ デスク上にはスペースを占めるものがなく、仕事をするにも十分なスペースだ

客室にはインターネットガイドとモジュラージャック装備

 前述したように「ホテル仙台プラザ」は歴史のあるホテルだが、最近はホテルの常備施設とも考えられるネットワーク接続のために、各客室には手作りのモジュラージャックが工事され、取り付けられており、このRJ-11を使用して確実にメールの送受信ができた。

 客室に用意されている「インフォメーション・バインダー」にはホテルの内部の案内と共に「インターネットガイド」が日英両国語で見開きで記載されており、客室のモジュラージャックの使い方と、必要あれば「0」(ゼロ)発信の不要な「ラインチェンジャー」の貸し出し、及びその使い方が詳しく記載されている。実際に記載されている通りの方法で、ダイレクトにモジュラージャックに接続しても、ラインチェンジャーを経由して使っても、全く問題なく通信が可能だった。

 残念なのは、ホテル仙台プラザも他の多くのホテルと同様に、モジュラージャックのすぐ側にパソコン用のACコンセントが用意されていないことだ。モバイルPCは確かに充電池で動作するが、できればモジュラージャックの側にはACコンセントは必ず用意してほしい。モバイルパソコンの内部充電池は、どこからも電源を確保できない時のために、温存して置きたい予備電池だと考えているモバイラーの多いことも事実なのだ。


客室のインフォメーションには、モジュラージャックやラインチェンジャーを使用しての通信の仕方を具体的にバイリンガルで解説 後で作られた手製のモジュラージャックで通信は一発で成功

筆者の宿泊した部屋では、手作りモジュラージャックはナイトテーブルのラジオチューナーのすぐ下にあった ラインチェンジャーはモデムと電話回線の中間に接続する。外線の「0」は不要になる

ヨドバシカメラ対ラオックス、仙台駅前の一騎打ち

JR仙台の駅前の喧騒は仙台が大都会であることを認識させるに十分だ
 筆者は、世界中どこに行っても地場のパソコンショップを覗く習慣があるが、仙台駅前には全国的にも有名で大きなパソコンショップが2軒もあり、嬉しい限りだ。JR仙台駅を出てすぐ右側が「ヨドバシカメラ」、左側が「ラオックス」だ。ラオックスは、海外ブランド物や腕時計を扱う店舗は少ないと理解していたが、ここJR仙台駅前店の場合、ヨドバシカメラが扱っているものは全て扱うといった感じの全面対決を挑んでいる。

 ざっと見た限りでは、延べ床面積はいったいどちらが大きいか、筆者には見当もつかないが、2フロアだが1フロア当たりの面積がだだっ広いヨドバシカメラと、巨大なスクリーンを壁面に取り付け、ビル全体の高いラオックスは好対照だ。両店舗の間には「モータウンカフェ」や「マクドナルド」もあり、消費者には半日遊んでも楽しい街角になっている。この日筆者は2時間ほど、両店舗を眺めた結果、たまたまヨドバシカメラ2階の時計売り場で、昨年発売された型落ちドラえもんの腕時計と豪快なスタイルのロットリング社のローラーボールペンを安く購入した。今回は、単に筆者がすでにヨドバシカメラのポイントをかなり持っていたのと、個人の趣味の問題でこういう結果になったが、公平な目で見て、この勝負まだまだ互角だ。2軒のパソコンショップは仙台の地元の大手銀行である七十七銀行をはさんで、13%のポイントバックで毎日わかりやすいデジタルバトルを繰り広げて。さあ、最後まで残るのはどちらだろう。それでは次回まで……はぶふぁん!!


おなじみ「13%還元」のヨドバシカメラ 東京人には珍しく感じるラオックスの「13%還元」キャンペーン

・ ホテル仙台プラザ
  http://www.hotelsendaiplaza.co.jp/
・ フェアリンク
  http://www.fairinc.co.jp/
・ Bomberdier Aerospace(英文)
  http://www.aerospace.bombardier.com/index.jsp?id=3_0&lang=en&file=/en/3_0/3_0.html


(ゼロ・ハリ)
2001/05/31 00:00

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