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第16回:帝国ホテル大阪「フライングトマト・カフェ」で一宿一甘
ゼロ・ハリ ゼロ・ハリ
「日本のモバイルキング」、「中年ガジェットキング」など数々の異名を持つ。数多くのパソコン雑誌に執筆。購入した携帯グッズはそろそろトン単位に突入か?


 2001年春、日本で初めての「ユニバーサルスタジオ・ジャパン」が大阪市此花区にオープンする。1970年に開催された万国博覧会(EXPO’70)を目指して多くの道路やビルができたように、30年後の2000年現在、多くの市街地の改装拡充工事が急ピッチで行なわれている。

 しかし、開幕を数カ月後に控えた現在でも、インターネット上の日本語サーチエンジンでユニバーサルスタジオを検索しても、見つかる情報の多くが本場米国のフロリダとロスの情報で、大阪の同スタジオの有益な情報はまだまだ少ない。同じことをやっても、事前の広報活動が上手く実力以上のトレンドを創ることを得意とする東京と、なぜか表現の下手な大阪の対比がここにも表われているような気がする。大阪生まれ、大阪育ちの筆者としてはとても気になる現象だ。


大阪に2つの「帝国ホテル」

大阪桜宮にある帝国ホテル大阪。お花見の季節には超満員になる
 東京有楽町にある、“世界をもてなす”帝国ホテルが何年か前に大阪に進出した。名称は、上高地にある「上高地帝国ホテル」とは異なり、「帝国ホテル大阪」だ。その理由のひとつには、大阪には「大阪帝国ホテル」と呼ばれるビジネスホテルが相当昔から現在のアメリカ村の辺りにあり、これとの混乱を避けるためだろう。しかし、大阪という地名が帝国ホテルの前にあるか後にあるかで場所は桜宮と心斎橋と大きく離れてしまう。タクシーで意図しない方のホテルに連れて行かれたトラブルも何度もあっただろう。

 大阪では、やっと「JR大阪駅」に着き、自分の目的地である「梅田」に行きたいとタクシーの運転手に告げたら、阪神高速を2~3周回って、タクシーを乗った場所の直ぐ側で下ろされたことに後で気づいた、なんて冗談があるくらいだ。同じ名前でも異なる場所を指したり、違う名前なのに実は同じ場所だったりする「トリッキータウン」なのだ。筆者も、今回はあるイベントで「帝国ホテル大阪」に行くことになった時点で、早速インターネットで調べ、2つの「帝国ホテル」が大阪にはあることに気が付いた。イベント主催者に聞いても当初はどちらのホテルなのかなかなか返事が来なかったのが実状だ。


軽快で楽しいイメージのカフェ

23時で閉店してしまうカフェレストラン「フライングトマト」。ミルフィーユはなかなかの味だ
 週末で混み合う夕刻の新幹線ひかりで東京駅を発ち、新大阪駅からタクシーで桜宮の「帝国ホテル大阪」にたどり着いたのは夜の9時過ぎだった。ぎりぎりに新幹線に飛び乗り、夕食も取っていなかったので、チェックインすると少しの休憩とメールチェックの後、ロビー階に行き、食事できるところを探したが、あいにく一番遅くまでやっているカフェテリアでも夜の11時までということで、やむなく閉店間際の「フライングトマト・カフェ」と呼ばれるレストランに飛び込み、ミルフィーユとアイスコーヒーを注文した。

 重厚と思われる帝国ホテルのコーヒーショップにしては楽しそうなインテリアと食器の「フライングトマト・カフェ」だが、東京の帝国ホテルのように重すぎるインテリアより軽快で楽しそうだ。東京の帝国ホテルと異なり、帝国ホテル大阪は若い女性にターゲットを絞ったインテリアやサービスを指向していることがよくわかる。現在はパソコンもPDAもデジカメも、そのターゲットは都市型の高級志向のホテルと同じで、一番お金持ちの「親の家に住み給料のほとんどが自由になる、都会に住む独身女性」なのだ。そのセグメントにフォーカスすることで、基本的には同世代の男性にも訴求力が出てくるのだ。


遠く伊丹空港に着利する飛行機まで見える北側 5階くらいまでが吹き抜けになり、大川に面したコーヒーショップ

格調高く快適・清潔な客室

 筆者の宿泊した客室には、備え付けのファックスがあり、ちょうど軽い食事から自室に戻ったときにフロントから宿泊のお礼と、ファックスでの受信サービスの案内が送られてきていた。客室はダブルベッドの部屋だったが、全体に落ち着いたトーンのインテリアで小さいながらもテーブルと1人用の座りやすい快適なソファ、そしてビジネスマンが簡単なデスクワークをするのにちょうど良いサイズのデスクが備えられている。


落ち着いたインテリアの客室。1人用のソファだが座り心地は抜群 安眠を約束してくれそうな堅めのダブルベッド

デスクサイドにはファックスがあり、必要なら受信設定が可能 部屋に入ってしばらくすると、フロントからファックス利用可能を知らせるメッセージが客室内のファックスに届く

 デスクには、モジュラージャックとACコンセントが1カ所に集中したユニットがビルトインされており、インターネットやメールチェックも簡単だ。デスクトップには帝国ホテルのロゴマーク入りの革製デスクマットが置かれており、書き物をしたり、またモバイルPCでもマウスを使う人には格好のマウスパッドになりそうだ。


デスクの前方にはRJ-11のモジュラージャックとACコンセントが備えられている ロゴ入りの高級なデスクマットは筆者のThinkPad X20とよく似合う

 ベッドサイドには落ち着いた色合いの電気スタンドがあり、目覚まし用の置時計がある。多くのビジネスホテルではデジタル式のラジオと一体構造になった目覚まし時計が普通だが、帝国ホテル大阪では、ちょっと珍しいアナログ式の目覚まし時計が置かれており、起床のアラーム音をストップさせるSNOOZEボタンを押すことでアナログ時計の長針と短針が発光、真っ暗な室内でも正確な時間を簡単に把握することができる。面倒なデジタル形式の目覚まし時計に比較して、設定の優しいアナログ目覚まし時計は、筆者が購入したい程、優れモノだった。また洗面所やバス周りも帝国ホテルの名に恥じないデラックスかつ清潔なものだった。


外線の0を経由して簡単にインターネット接続できる 夜の暗い部屋でも絶対に時刻を見逃さない光る長針と短針

ベッドの両サイドには落ち着いたデザインの電気スタンドがある 広く清潔な洗面とバスは出張の疲れを忘れさせてくれる

忙しい朝はホテル内で朝食

フライングトマト・カフェのアラカルト・ブレックファースト
 朝、目が覚めると近隣には高い建物があまりないらしく、室内から遠く梅田や新大阪駅辺りまで見え、伊丹空港に向かうジェット機の姿がはっきりと見える。あまりゆっくりしている時間がなかったため、ブレックファーストも昨晩と同じフライングトマト・カフェで取ることになった。しばらくバイキング形式のホテルのブッフェ料理が続いたので、この日の朝は、アラカルトで注文することにした。朝起きてレストランまでだけ歩き、椅子にどっかと腰を落ち着けて、サーブされるオレンジジュースやコーヒーを飲んで、黙っていても運ばれてくる料理をただただ食べるだけなのもたまには良いものだ。

 では、次回まで。はぶふぁん!!


■URL
・帝国ホテル大阪
http://www.imperialhotel.co.jp/osaka/menu.html
・ユニバーサル・スタジオ・ジャパン施設案内(大阪市)
http://www.city.osaka.jp/html/sisetu/pickup/usj/top.html



(ゼロ・ハリ)
2001/02/23 00:00

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