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東京の下町、谷中のブロードバンド旅館「ANNEX勝太郎」
[2003/11/27]

快適な工夫を凝らした下町のブロードバンドホテル「ホテル吉晁」
[2003/10/16]

沖縄「ラグナガーデンホテル」に泊って家具を探す!?
[2003/06/06]

ホテルのような大学の裏の、大学のような「山の上ホテル」
[2003/03/14]

890万個の煉瓦で作り上げられた伝統あるホテル
「東京ステーションホテル」
[2003/01/24]


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第9回:またまた大阪の巻「ニューオータニ大阪とロースしぐれカツ」
ゼロ・ハリ ゼロ・ハリ
「日本のモバイルキング」、「中年ガジェットキング」など数々の異名を持つ。数多くのパソコン雑誌に執筆。購入した携帯グッズはそろそろトン単位に突入か?


真のロードウォーリアにはまだまだ遠い

 自宅のパソコン・タコ部屋でかなり弱ってきた国内初のISDNダイヤルアップルータを新製品に買い替えようと以前から検討していたところ、目的のルータを秋葉原のツクモ電機の本店で発見した。思わず「これください!」とお店のお兄さんにお願いしたところ、「ところでISDN回線は引いていますか?」と質問された。通りすがりのオジサンが突然ルータを指さして「買う!」と言い出したら、しごく当然の反応なのだろう。筆者も明らかにそこいらに居るごく普通の勘違いオジサンなのである。このことはよくよく考えてみれば、筆者自身が限りなく、「真のモバイル・ロードウォーリア」に一歩一歩近づいている証拠なのだ、と後でうれしくなってしまった。しかし、店員さんの親心からだとわかっていても、言われたその瞬間にはちょっと「ムカっ」ときて、「初代のルータ持ってますから!」と返してしまったのだ。だめだ、本当にだめだ。まだ真のロードウォーリアには10年早い、というのが本当のようだ。この次は、「はいISDNは引きました」と素直に答えられるように修行を積もう。

 真のロードウォーリアの神髄は知識やテクニックではなく、心にあるものなのだ。「過ぎたるは及ばざるが如し」、「能ある鷹は爪を隠す」、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」??すべてにミートできる完璧な真のロードウォーリアになれるのは一体いつのことだろうか?! 意味のわからない人はことわざ辞典かインターネットで調べて頂ければありがたい。そんなわけで今回は国内編の出張モバイル、またまた大阪編をお送りしたい。


大きな地方都市では大手ホテルに意外と安く泊まれることも

 大きな地方都市へ出張するとよくわかるが、知名度の高い都市ホテルが必ずしも宿泊費が高いとは限らないのが現実だ。超有名なホテルの特別料金が地元の無名のビジネスホテルより安いということも頻繁に起こり得る。しかしこれは、常に有名都市ホテル系列の地方ホテルが良いと言っているわけでもない。昨今、多くの都市で、バブル期に乱立した大手ホテル間の客引き競争がみられる。それゆえ、大手の都市ホテルも、ビジネスホテル並みの利用しやすい特別料金を設定しているケースが多い。ただ、誰にでもむやみやたらにディスカウント料金を提供するわけにはいかないので、都市ホテルの場合多くは、大手旅行代理店のパッケージや、クレジットカード会社の会員向けや、大手企業の社員などにこれらの割引料金を限定で適用しているように見せかける。

 昨今、優良顧客を自ら直接管理できて、第三者に対する手数料支払いも少なく、顧客満足度も高く、利益も確保出来るインターネット宿泊予約、(これを「e-Hotel」とでも呼ぼうか)を限定数ではあるが試験的に運用している都市ホテルも多い。直接ホテルが運営しているWebサイトに申し込む方法もあるが、インターネット上の出張関連サイトやホテル予約サイトにこれらの割安ホテルが登録されているケースも多い。大阪城のそばにある「ホテルニューオータニ大阪」も、筆者が国内出張の度にいつもお世話になっているインターネット上のホテル予約サイトである「旅の窓口」で予約したものだ。このサイトでは会員登録すると、自分専用のWebページにダイレクトにアクセスでき、過去泊まったホテルの月日やホテル名称などを一覧できる。そこからリンクして新しい予約も行なえるので、国内のいくつかの同じ都市に定期的に出張するビジネスマンにとっては便利なポータルサイトだ。


■ 大阪のホテルニューオータニ

ニューオータニ大阪
室内にあるテーブルで仕事やネットワークアクセスができる
ニューオータニ大阪
音声の電話とは独立したFAX用のポートをインターネットアクセスに利用できる

 大阪のホテルニューオータニは、淀屋橋や本町など大阪のビジネスの中心地にも近く、新幹線や空港アクセスも30~40分前後という便利な場所に立地している。部屋によっては、朝日に映える奇麗な大阪城やライトアップされた夜の大阪城を目の当たりに見ることができる。筆者が「旅の窓口」で予約して宿泊したのは、ちょうどそんな部屋だった。チェックインを済ませると、ホテルマンが荷物を部屋まで一緒に持って案内してくれる。米国ではよくあることだが、日本の環境では余り慣れず、少し恥ずかしくて、間違ってチップを渡してしまいそうになる。一階の吹き抜けがやけに大きくバブリー「だった」造りだが、ウイークデイは比較的宿泊客も少なく余裕である。女性向けの宿泊パッケージを多く催しているからか、朝食の時に幅広い年齢層の、女性の姿がやけに目立つ。ちょうど筆者が宿泊した時には、前回のニューヨークで見逃したミュージカル「ライオンキング」をすぐ隣でやっており、その宿泊パック客も多かったようだ。ホテル自体は建設されてそこそこ年月が経過しているが、一流ホテルの見本のように、なかなか奇麗に保守・管理されている。

 部屋には音声通話の音声電話回線とは別にデータ通信専用回線が用意されており、「0」発信のATDT設定でダイヤル可能だった。ちなみに、PCカードモデムなどでは、出荷時の初期設定で「ダイヤルトーンを待ってダイヤルする」となっているモデムがほとんどだ。しかしこれは、自宅や学校の1本しかない電話回線を、音声通話と、データ通信の両方に使うことを前提にした設定である。誰かが回線を使用して会話をしている時に、後からパソコンがデータ通信で強制的に割って入って、会話中に双方に迷惑な「ピポピポ」音や「ジーコ」「ジーコ」音を発して無神経にもダイヤルしないよう、ダイヤルする前に、誰かが電話回線を使用していないか、受話器を上げた時の「ツー」という音を確認してからダイヤルすることを規定したモノだ。

 ユーザーの環境で、この心使いが必要ないなら、この設定はチェックを外しても良いだろう。海外のホテルや、国内でも「ツー」という「ダイヤルトーン」が多少異なる場合、モデムが誰かが会話していると錯覚して、いつまでたってもダイヤリングを開始してくれないことがある。


 こんなつまらない原因でも、「海外のホテルから通信」なんていう時には頭が混乱してしまうことがある。失敗経験とその対応策が頭の中に整然と構築されるまでは、レポート用紙などに、自分なりの「問題判別チェックリスト」を書いておくと安心だ。


食い倒れの街大阪でのお勧め「ロースしぐれカツ定食」

お勧めの「ばらえ亭」外観。うっかりすると見過ごしてしまう。要注意だ!
 さて、大阪といえば、「食い倒れ」の街だ。電脳電機屋街の日本橋にもこれはあてはまる。秋葉原、日本橋、名古屋アメ横を比較すると、電脳散策の食事情に最も恵まれていないのが秋葉原だろう。値段、料理の質、待ち行列の時間、相席度率、どれをとっても日本の電脳街飲食番付で上位は取れない店が多いと感じている。

 さて、今回ご紹介するのが、日本橋のとんかつ屋「ばらえ亭」だ。ばらえ亭は、日本橋の表通りではなく、最近多くの大型ショップや組み立てショップが増加している、表通りから西側に一本入った裏通りに面している。カウンターしかないので、お昼を食べるにはちょっとフライング気味にオフィスを後にするか、遅めの昼飯を画策する必要があるだろう。初めてこのお店に行ってカウンターに座ると、壁面に貼られたメニューを一通り眺めて、無難な「ヘレカツ」定食になるのが普通だろう。ところで関西では関東で一般的に「ヒレカツ」と呼ばれる物が「ヘレ」と発音する。どちらがなまっているかは別にして、とにかく発音も味も東西では違うのである。

 しかし、初めてこの店を訪れた読者諸兄は、メニューに書かれたアイテムとは関係なく、絶対に900円の「ロースしぐれカツ定食」を注文するのが得策だ。カラッと揚げたトンカツに、「大根おろし」と「きざみ海苔」を乗っけた比較的どこにでもありそうなメニューだが、重要なのはそのトンカツにかける「無色透明の出し汁」なのである。その「秘密の出し汁」をかけると、トンカツの風味が一変する。筆者の主宰するライターグループの「ビットマップ・ファミリー・シンジケート」のメンバーの中では、この出し汁を 「Magic Spice on the Pork Cutlet」、略して“MSPC”と呼んでいる。

 秋葉原と比べても大阪日本橋の真夏の暑さは群を抜いている。「ばらえ亭」の「ロースしぐれカツ定食」はそんな季節でも食欲がそそられる不思議なトンカツなのだ。秋に大阪を訪問する予定があるなら、どこにいても大阪日本橋まで来て食べる価値はある。お店のすぐ隣はモバイルPC関連や周辺機器にちょっとこだわりがあり、筆者も時々立ち寄る「アイ・ツーモバイル専科」だ。食後のひとときには、2Fで何か珍しいモノを探してみよう。

 はぶふぁん!

ロースしぐれカツ定食 ロースしぐれカツ MSPC
BitMap Family Syndicate推薦「ばらえ亭」の「ロースしぐれカツ定食」(900円)は最高だ! あっさりした大根おろしときざみ海苔のコンビネーションが最高 店主に聞いても謎を明かしてくれないMSPC



■URL
・旅の窓口
http://www.mytrip.net/
・ホテルニューオータニ大阪
http://www.newotani.co.jp/osaka/
・大阪アイ・ツーモバイル電脳ウルフ館の地図(2Fがモバイル専科、「ばらえ亭」はこの隣)
http://www.wolf.ne.jp/mapp/mapO.htm



(ゼロ・ハリ)
2000/09/22 00:00

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