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第8回:日本に最も近い外国「韓国」ソウル ロッテホテル
ゼロ・ハリ ゼロ・ハリ
「日本のモバイルキング」、「中年ガジェットキング」など数々の異名を持つ。数多くのパソコン雑誌に執筆。購入した携帯グッズはそろそろトン単位に突入か?


サービスの向上した大韓航空で韓国へ

最近はサービスががぜん良くなり、フレンドリーになった大韓航空
 南北統一の兆しが一気に見えだした韓国の首都「ソウル」は、福岡や大阪から行けば、国内の遠隔地に行くより、距離的にも時間的にも近い大都会だ。しかし残念ながら横浜に住んでいる筆者は、外国人が聞いたら呆れるくらい便利な成田国際空港のお陰で、自宅から成田までと、成田から韓国迄の所用時間が逆転するくらいになってしまう。

 筆者は、バカンスの海外旅行には、学生時代から長いつき合いの友人夫妻と行くことが多く、常に成田国際空港の地理的なハンディキャップを感じている。同じ午後1時にソウル市内のホテルで待ち合わせをしても、「出発の2時間前には空港に居る」という旅行会社の基本ルールを守るならば、筆者は横浜の自宅そばのJR駅を始発で出発する必要があるが、大阪市内に住む友人夫妻は、NHKの朝の連続ドラマを見てからでも間に合うという不公平だ。いまさら、成田に国際空港を作ってしまった政治家や結果を嘆いてもしょうがないので、一刻も早く、羽田国際空港の拡張と復活を願いたいものだ。

 韓国に行くにはいくつかの航空会社を選べる。航空会社の選択は、米国へ行く場合を除けば、基本的に目的国の航空会社を利用することが運行している便数も多く便利なことが多い。今回は最近筆者も利用する機会の多い「大韓航空」となった。以前はただ値段の安い航空会社というイメージであったが、昨今は、新しい運行機材の採用や機内食の充実、乗務員のサービスもフレンドリーになり、韓国が国を挙げて力を入れていることが容易に想像できる。

 筆者が韓国に行くのは約10年ぶりだ。ビジネストリップだった10年前の旅行では、目的地に行くのに、地下鉄に乗ってもタクシーに乗っても、とにかく「ハングル文字」の洪水に悩まされることが多かったという印象がある。筆者の友人の中には、たった数日でこのハングル文字を完全にマスターしてしまった達人がいたが、残念ながら筆者には相変わらずその才能がなく、今回も看板や駅名の下に遠慮深く小さな文字で書かれているアルファベット文字だけが頼りのツアーとなった。


立地条件は最高のロッテホテル

本館と新館があり、すぐ隣にはロッテデパートと免税店がある。ロケーションは最高のロッテホテル
 宿泊先のロッテホテルは、ロケーションもソウルの中心街にあり、価格もリーズナブルだ。しかし、室内のサイズもごく日本のビジネスホテルサイズで、海外ということで米国のホテルやリゾートホテルを想像していると「せせこましい」という印象が残ってしまう。ただ、2泊や3泊の短いツアーで、市内の観光や免税店での買い物も大きな目的という場合は、立地条件は最高だろう。

 ホテルにチェックイン後、とにかくお腹の減った筆者は、ホテルの周囲で食事の出来るところを探したが、適当なところを見つけることができず、やむなくホテルが隣のロッテデパート1Fのエントランステラスを利用して運営している、野外のビアレストランに入った。メニューを見ると、その中に「鍋焼きうどん」風のヌードルと日本の「巻きすし」風のお寿司があったので、日本でも最近では珍しい「サイダー」と合わせてこれらを注文した。

 しばらくして実際に運ばれてきたこれらの料理を食べてびっくり、日本の、少なくとも筆者の知っている東京風の鍋焼きうどんよりは遙かにデリシャスで、うどんの本場の味に近い。巻きずしも「ゴマ」が振ってあったりで、多少ユニークな点はあるが、とにかく美味い。いずれの料理にも「お新香」に色や形もそっくりの韓国風のお漬けものがついて、なんと全部で日本円にしてたったの800円なのだ。なかなか幸先の良いスタートのようだ。


少なくとも東京の「鍋焼きうどん」よりジューシーなソウル鍋焼きうどん。たったの450円! 何を買っても千円以下、でも偽物は日本の税関で没収の可能性アリで要注意!


値段もサービスも満腹!の焼肉

4人で死ぬほど食べた本場の焼肉ディナー。破格の値段もサービスも印象深い
 韓国といえば、誰もが想像する食事は「焼肉」だ。韓国は超素人の筆者も、到着日の当日は、現地のガイドブックとにらめっこしながら、ホテルからでも歩いて行ける「漢陽チュムルロッ」という炭火焼肉専門店に行った。写真では見た記憶があるが、食べたこともないキムチや豆腐のアペタイザーから始まって、全ての日本人が絶対に食べる「骨付きカルビ」まで、4名で死ぬほど食べたが、それでもお代は日本円にしてたったの1万8000円だった。

 値段のほかに、焼肉を食べている間筆者が感じた、日本の焼肉専門店やチェーン店と大きく異なったプラスメリットは、約90分の食事の間にウエイターやウエイトレスが頻繁に「焼き肉の網」を交換に来ることだった。日本でも最上級の焼肉料理店ではどうか知らないが、普通、肉の油や野菜の灰汁で焦げてベタベタになった焼き網を、全く交換せずに最後まで同じ「網」をお客に使わせる店がほとんどだと理解しているが、韓国では異なるようだ。お陰で、最後まで焼き肉を美味しく食べることができた。昨今、国内では値段も特に安いわけではないのに、半冷凍の鶏肉を平気で出したりする焼き肉チェーン店は多くあるが、この本場韓国のお店のように網を頻繁に交換するサービスを提供している店はない。ぜひ国内のお店でも見習って欲しいものだ。

 焼肉で満腹になった後は、南大門周辺に朝までやっている露天見物が面白い。中には、各有名ブランドの偽ポロシャツを1枚900円で販売していたりする店や名物の韓国海苔の小売店なども多く軒を連ねている。胃腸が丈夫で、どこの国の生水にも馴染みやすい自信のあるツーリストは、これらの露天のすぐ横の屋台が超安くて美味いらしい。筆者はこの南大門の露天で自宅使用兼お土産用として韓国海苔の一番小さなパッケージを購入したが、なんと韓国海苔120枚で800円、値段は安く超お買い得ではあったが、このお土産が大型のサムソナイト製トランクの4分の1を占めてしまうとは購入時には想像もしていなかった。


電話代の心配は無用

 ホテルの客室からのインターネットアクセスは、電話機のデータポートを経由して、いたって簡単だ。ソウル市内にアクセスポイントのあるグローバルなインターネットプロバイダーに加入していれば、もう国内と同じ感覚だ。ソウルも街の喫茶店のテーブルの脇にも、お客様用のサービス電話機が設置され、市内なら無料で何時間でも話すことが可能だ。そんな状況だからホテルからのインターネットサーフィンも電話代を気にすることなく何時間でも可能だ。米国、日本、韓国の中では、どうも日本が一番電話代が高いようだ。


最低限の設備は確保されている。日本と違って、市内電話は「カケホーダイ」! 初めて見たデータポート付き電話の新機種

 翌日は、日本の地下鉄と雰囲気がそっくりのソウルの地下鉄で、ショッピングと屋内遊園地であるロッテワールドに出かけた。ほとんどの繁華街の風情は、新宿の歌舞伎町や渋谷の公園通りなどにそっくりで、そこにハングル文字の看板やネオンがなければ、写真だけでは日本か韓国か区別が付かないくらいだ。首都東京の地下街はいずれもまことに貧弱だが、迷路のようなソウルの地下ショッピング街は洗練される前の大阪のようで、アドベンチャーな感覚が最高だ! 日本と同じくソウルでもインターネットカフェが街のあちこちにあり、ネットワークは今や生活必需品だ。街で見かける集合公衆電話ボックスの上には必ずADSLの広告が見受けられた。どうもインターネットの世界も日本はアジアの中でも最後発なのかもしれない。


案内表示板を始め、ほとんどが日本の地下鉄とそっくりなのは驚き! ソウル市内で頻繁に見かけるADSLの看板。本当はPOPグループの名前だったりして!

まさに渋谷の一本裏道状態。しかし地べたに座っている人類は1人も見あたらず 明洞(ミョンドン)にあるスターバックス。消費スタイルもすぐにアメリカの真似をする日本ほど人気はなし

全天候型屋内遊園地「ロッテワールド」

 「ロッテワールド」は巨大なカプセル型のドームの中にジェットコースターから野外劇場、スケートリンク、レストランなどを造り込んだ全天候型屋内遊園地だ。冬はかなり気温の下がるソウルならではの設備だ。ドームの天井に最も近い付近まで上昇し、ガタガタと揺れながらドームの内壁を目一杯大きく一周するバルーン型の観覧車が、高さもあり、意外とジェットコースターなどよりスリルがある。北米の都市を始め、香港やハワイのショッピングセンターやテーマパークを経験した人も、ソウル市内のショッピングやロッテワールドはまた別の楽しみが感じられるだろう。ビジネスや観光でソウルを訪れた人は寄り道するバリューはありそうだ。

 はぶふぁん!。

ロッテワールド ロッテワールド
スリル満点の観覧車からの風景。スケートリンクや遙か下を走るモノレールのレールが見える 約10年近く前に建造されたロッテワールドの天井ドーム、休日は大賑わいだ




(ゼロ・ハリ)
2000/08/21 00:00

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