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女性一人の出張にも! 大阪のブロードバンド・ホテル「ブルーウェーブイン四ツ橋」
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ゼロ・ハリ 「日本のモバイルキング」、「中年ガジェットキング」など数々の異名を持つ。数多くのパソコン雑誌に執筆。購入した携帯グッズはそろそろトン単位に突入か? |
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四ツ橋交差点の旧電気科学館の跡地に出来た真新しいホテル
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筆者のように、大阪市内で幼少の頃を過ごした人なら、四ツ橋にあった「プラネタリウム」で有名な「電気科学館」を知らない人はいないだろう。その電気科学館も、1989年に閉館し、現在は中之島にある「大阪市立科学館」にその任を譲っている。「電気科学館」はその間50年以上にわたって、大阪市内はもとより、近郊の小学校の「校外学習」の人気のトップメニューだったはずだ。「鉄腕アトム」の原作者として、世界中の子供や大人から慕われている手塚治虫氏が子供の頃、毎月通ったこの電気科学館も、遂に1998年には解体され、その跡地に大阪市交通局の所有する「ホワイトドームプラザ」が建設された。
本年3月1日にその「ホワイトドームプラザ」の一部、ホテルや研修所の運営を行なっているオリックス社が「ブルーウェーブイン四ツ橋」と呼ばれる新しい都市型ブロードバンドビジネスホテルをスタートさせた。なお、ブルーウェーブインはすでに東京浅草などにも姉妹ホテルを先行経営している。
立地条件最高のブロードバンドホテル
ホテルへのアクセスは、新大阪に新幹線で到着しても、伊丹や関空に飛行機で到着した場合も、その目的地は大阪の幹線地下鉄である御堂筋線「心斎橋」駅か四ツ橋線「四ツ橋」駅だ。近頃、心斎橋近辺は、ヴィトンやカルティエ、ベルサーチなど海外ブランドの集結する高級ブランドストリートとしてとみに有名だ。南側には、老舗の多い「心斎橋筋」や、ニューファミリー世代からのアメリカ村、ヨーロッパ村を控え、高級から激安に至るショッピングや、くいだおれ大阪の名に恥じない「B級グルメ」には困らない最高の立地条件なのだ。四ツ橋の北東の角ブロックに位置する「ブルーウェーブイン四ツ橋」はいずれの駅からでも、「クリスタ長堀」と呼ばれる地下街を経由して、梅雨時のうっとおしい雨にも、冬の北風にも、「くそ暑い」という表現がピッタリのうだるような大阪の夏の暑さにも無縁のうちに到着することが可能だ。
働く女性の意見を取り入れたビジネスホテル
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広くはないが、さっぱりして小綺麗なロビー
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日本では珍しく、「ブルーウェーブイン四ツ橋」はオリックスグループで働く女性の意見を大きく反映した、新しいタイプのビジネスホテルだそうだ。各客室には、加湿機能を備えたエアコンが装備され、同時に小型の空気清浄機も壁面設置されている。
インテリアはホワイトや白木を中心とするイタリア製の家具で揃えられ、全客室にウォシュレットを導入、窓にはビジネスホテルではめずらしいロールブラインドを備え付けるなど、男性客を主なターゲットとした従来のビジネスホテルとは、一見してその感覚がまったく違うことに気が付く。チェックインカウンターにも女性スタッフを採用し、宿泊客以外の深夜のホテルへの出入りをコントロールするなど、女性1人の出張や観光にも、目に見える感覚で安全性が計られている。
また、チェックインカウンター内のスタッフが一切現金に触れないカード方式のデポジットシステムを採用しているのも特徴的だ。宿泊客は正面のチェックインカウンターでフロントの女性から「宿泊客専用の磁気カード」をもらい、直ぐ側にある自動チェックイン・チェックアウト機を使用して支払い処理をスムーズに行なう仕組みになっている。もちろん、現金でもクレジットカードでも支払い処理は可能だ。
また、多くのビジネスホテルが宿泊客の朝食だけのためにレストランを確保しているのに対し、ブルーウェーブイン四ツ橋は、自社での直接サポートを行なわず、同じビル内の地下にあるレストランを活用している。運営システムや客室のインテリアなど、すべてに従来あまりなかった新しい方式を取り込んだビジネスホテルだと言える。
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フロントの女性のPCは筆者と同じThinkPad s30だった
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自動チェックイン・チェックアウト・精算機。「凄い!」
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ホテルのロビーとフロントは1階にあり、客室は6階から13階にある。途中の階にはマクドナルドやカフェ、創作料理レストランや美容院、それに一部オフィスなどが入っている。ロビーの面積はそれほど大きくはないが、あまり多くのモノを置いていないため、余裕のあるゆったりとした印象を受ける。チェックインを済まし、エレベーターホールに向かう途中には、宿泊客が自由に無料で使えるインターネットに接続されたパソコンや、カードで使用できるセーフティボックスなどが用意されている。
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利用客が通りがけに自由に使える日立のパネルトップPC
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都市ホテル感覚の、綺麗で落ち着いたエレベーターホール
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開業したばかりとあって素晴らしく綺麗!
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入金済みの磁気カードでゲストルームに入る
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開業したばかりの同ホテルは、当然ながら素晴らしく綺麗で、各階のエレベータホールも落ち着いたプチ都市ホテルの雰囲気だ。フロントの自動チェックイン機で入金し、入金ログの書き込まれた磁気カードで客室ドアを開けて中に入ると、真っ正面にそこそこ広い、仕事のできそうな白木のデスクと、その上の壁面にお約束の「空気清浄機」が設置されている。早速ロールブラインドを巻き上げると、目の前に大阪の北行き一方通行の幹線道路「四ツ橋筋」と「長堀通り」との大きな交差点が見える。客室は約15平米と、ビジネスホテルとしてはごく標準的な面積だが、什器の設置やテーブルなどの配置に、壁面を上手く活用することで、部屋全体を現実の面積より広く見せることに成功している。
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快適に仕事ができそうなデスクと空気清浄機が新鮮だ
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ロールブラインドを開けると大阪市内の幹線道路が見える
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壁面デッドスペースを上手く活用したズボンプレッサー
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男女を問わずビジネスピープルに必要なズボンプレッサーはバスルームの入り口のデッドスペースの壁面に取り付けられ、ドレッサーはデスクの可動式トップの裏側に組み込まれた「ライティングデスク」形式で備え付けられている。デスク周りのスペース不足を補うために、小さな引き出し式のサイドテーブルが用意されており、デスクワークの時にはこの小さなスペースが意外と便利だ。
また、ツインルームならベッドとベッドの間というデッドスペースを上手く利用できる「ナイトテーブル」だが、スペースの限られたビジネスホテルのシングルルームではナイトテーブルは邪魔になるだけという場合が多い。「ブルーウェーブイン四ツ橋」では、シングルベッドの枕元のすぐ側面コーナーに小さなテーブルを設置することで、合理的に解決している。ただ、どうもこれだけは後から取り付けたのか、インテリア的には他のモノとまったくマッチしていない点は残念だ。デスクと同じような白木製にするか、全体をメタリックにすることで、より調和したアクセントになりそうな感じがするが、それは今後に期待したい。
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本当に必要なモノだけをうまく配置した室内は広く見える
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睡眠に優しいと評判のシモンズベッドのおかげで快適な朝
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化粧鏡はライティングデスクに収納。サイドテーブルが便利
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カラーマッチングさえ配慮されれば意外と便利な小物置き
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デスク回りにコンセントとRJ-45ポートを装備!
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ACアウトレットとイーサネットがお隣同志の理想配置!
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近頃は、レガシーな有名都市ホテルより新進のビジネスホテルやデザイナーズホテルの方がブロードバンドに積極的なことは明らかだが、今回のブルーウェーブイン四ツ橋も例外ではない。すべての客室にはブロードバンド回線が引き込まれ、デスクの上のACコンセントのすぐ横にはイーサネットのRJ-45ポートが用意されている。パソコンを持って出張することに抵抗のある人なら、はじめから客室にパソコンを設置してある「ビジネスルーム」を予約すれば「手ぶらモバイル」も可能だ。また、すでにオフィスや自宅でイーサネット経由でインターネット接続を行なっているユーザなら、モバイルPCを持ち込んでも、プロキシ設定など一部設定し直すだけで即座にインターネットに接続できる。
イーサネット経由のブロードバンド・インターネットはいったん慣れてしまうと、旧来の電話回線経由のダイヤルアップ接続などと比べても、これほど簡単・快適なモノはないが、当然、初めての場合にはいろいろわからないことも多い。幸いにも、ブルーウェーブイン四ツ橋の客室に備えられている「インターネット設定マニュアル」はこの手のマニュアルの中ではなかなか良くできており、初心者でも十分活用できるだろう。筆者はいつもの通り、新幹線の中だけでは仕上げられなかったプレゼンテーションチャートを何とか仕上げ、今や当たり前になったVPN接続でオフィスのイントラネットに接続、なんとか日付が変わらないうちに同僚に送り終え、何十通かの未読メールを処理し、午前2時頃に床に着いた。ホテルのパンフレットにあるように、ワイドなシモンズベッドは快適に眠れるようだ。
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快適なブロードバンドで仕事も遊びも快速・快適
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初心者にはブロードバンドインターネットの解説マニュアル
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新しいタイプのビジネスホテル
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朝食券はチェックイン時に購入する
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冒頭でご紹介したが、ブルーウェーブイン四ツ橋は、ホテルのファシリティを自社で持ち、それ以外の多くのサービスをアウトソース(外注)する新しい試みのビジネスホテルだ。その中でも最も特徴的と言えるのが、宿泊客の朝食はホテルとは関係のない近所のレストランを利用することだろう。
いったんホテルを出て、同じビルのすぐ隣の地下にある「B1食堂」という風変わりな名前のレストランがブルーウェーブイン四ツ橋の契約食堂となっている。前日にパウチされた食券をフロントで購入し、その食券を持参する。きっと夜は最近流行の和風ダイニングバーなのだろうが、朝だけはごく普通のビジネスホテルの朝定食専用の食堂と化す。正確な値段は忘れてしまったが、なかなか美味しくてリーズナブルだと感じたと記憶している。
「ブルーウェーブイン四ツ橋」はホテルが必要とする多くの要素のうち、自らが取り込まなくても、十分サービスできる要素をアウトソーシングすることでコスト低減を狙い、他の競合ホテルがなかなか導入に踏み切れない、ブロードバンド・ネットワークや、その他の快適環境設備に重点を置いて考えられた、新しいタイプのビジネスホテルだ。今後、このようなリーズナブルなビジネスホテルが日本中に増えることを期待したい。
はぶふぁん!
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けっこう広い和風ダイニングの「B1食堂」
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ビュッフェに飽きた胃には、お袋の味的な和朝食はヘルシー
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・ ブルーウェーブイン四ツ橋
http://www.orix.co.jp/bwinn-yotsubashi/index.htm
(ゼロ・ハリ)
2002/09/18 21:33
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