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シャープ、薄型・軽量でLinux採用のザウルス新機種「SL-A300」

シャープ 常務取締役(通信事業統括)御手洗顕氏
 シャープは、OSにLinuxを採用し、本体は厚さ12.5mmで重さ120gと薄型・軽量で、パソコンとの連携を強化したザウルス新機種「SL-A300」を7月12日に発売する。価格はオープンプライスだが、実売価格は4万9000円程度で5万円を切る見込み。

 SL-A300は、「Simple」「Smooth」「Small」の“3つのS”をコンセプトに、パソコンとの連携をより高めた機能を搭載するザウルス新機種。パソコンのデータをザウルス上で閲覧できることに主眼を置いて小型・軽量化を図ったため、キーボードは搭載されていない。

 付属のUSBケーブル、または本体と同時発売の別売クレードル「CE-ST8」(5000円)でパソコンと接続することにより、パソコンで表示したアプリケーションのスクリーンショットをカメラ感覚で瞬時にザウルスへ取り込める「ザウルスショット」機能や、パソコンに保存したデータをドラッグ&ドロップするだけでザウルスへ簡単に保存・コピーでき、パソコンの外部メモリのように使える「ザウルスドライブ」機能などを搭載している。

 ザウルスドライブ機能で保存したWord/Excelやメモ帳(.txt)、イメージノート(.jpg/.bmp/.gif/.png)などのデータはザウルス上で編集することも可能で、Outlookの予定表や連絡先、送信/受信トレイなどをザウルスのアプリケーションと同期することもできる。取り込んだデータを自動的にカレンダーとリンクする「リンクカレンダー」機能も搭載され、目的別にフォルダを整理できる。

 また、従来機種のユーザーインタフェースを継承し、日本語手書文字認識は枠なしの手書認識ボードが追加され、1度に複数文字の入力が可能なほか、ザウルス「MI」シリーズのアドレス帳やスケジュールなどのPIMデータを赤外線通信で受信することもできる。「ザウルス文庫」やゲームなど、シャープスペースタウンのコンテンツやソフトにも順次対応予定となっている。

 OSにはLinuxを採用するほか、Javaの実行環境もサポートしており、オープンな開発環境を提供する。なお同社では、Linux OSとJava実行環境を搭載した海外向けザウルスの開発者向けモデル「Zaurus SL-5000D」を昨年11月に、そのコンシューマー向けモデル「SL-5500」を今年3月にそれぞれ商品化し、海外の開発者との連携を深めるためのコミュニティーをネット上で開設している。

 開発者コミュニティーの登録者数は現時点で約3万名(うち日本人登録者は500名以上)、開発ソフトは2002年3月の時点で約330本余りとなっており、今回日本で発売されるSL-A300も同様にLinux OSとJava実行環境を搭載することから、同社では今回のSL-A300を「世界ザウルス」と位置付け、今後ザウルスを積極的に世界展開させていきたい考えだという。


Linux OSとJava実行環境を搭載した「SL-A300」を“世界ザウルス”と位置付け、世界展開させていきたい考え
今年3月に発売された海外向けザウルスのコンシューマー向けモデル「SL-5500」。Linux OSとJava実行環境を搭載している

パソコンで表示したアプリケーションのスクリーンショットを瞬時にザウルスへ取り込める「ザウルスショット」機能のデモ。右側がSL-A300の画面
「ザウルスドライブ」機能では、パソコンに保存したデータをドラッグ&ドロップするだけでザウルスへ簡単に保存・コピーできる

 本体はシャツの胸ポケットに収まるサイズで、同社によるとQVGAカラー液晶搭載のPDAでは、今のところ世界最小・最軽量。SDカードスロットを1基装備し、別売のコミュニケーションアダプター「CE-JC1」(7月下旬発売)を本体背面に外付けすることで、市販のカード型PHSや無線LANカード、CFカードなどが利用可能となる。動作確認済みの各種対応カードは同社のWebサイトで確認できる。

 突起部除く本体の大きさは約69.4×113×12.5mm(幅×奥行×厚)で、重さはスタイラス含め約120g(付属の液晶保護カバー取り付け時は約138g)。CPUはIntel XScale(PXA210、200MHz)で、本体メモリは64MB(SDRAM)、うちユーザーエリアは約23MB。ディスプレイには3.5型(表示部240×320ドット)の6万5536色反射型TFTカラー液晶を搭載している。使用時間の目安はフロントライト消灯でカレンダーを連続表示させた場合で約12時間。本体にはACアダプター、USBアダプター、USBケーブルなどのほか、Word/Excel互換のソフト「HancomMobileWord/Sheet」やJava実行環境「Jeode」、アクセスのブラウザソフト「NetFront3.0」などが収録されたCD-ROMが付属する。パソコン側の対応OSはWindows XP/Me/2000/98。


クレードルに置いたSL-A300。本体下部の操作ボタンもシンプルなデザインでスッキリとした印象。ディスプレイは6万5536色反射型TFTカラー液晶
付属の液晶保護カバーもシンプルで、材質は皮のような質感

クレードル接続部分
本体の厚みはわずか12.5mm(液晶保護カバー除く)

本体と同時発売のクレードル「CE-ST8」(5000円)と、7月下旬発売のコミュニケーションアダプター「CE-JC1」(右側)
コミュニケーションアダプター「CE-JC1」の内側(SL-A300への装着面)。筐体はプラスチックのような素材で非常に軽量

CE-JC1をザウルス本体に装着すると厚みは2倍くらいになる
ザウルス本体とCE-JC1の上部にそれぞれカードスロットを装備

・ ニュースリリース
  http://www.sharp.co.jp/corporate/news/020624.html
・ ザウルスの情報サイト
  http://ezaurus.com/
・ ザウルスソフト開発サポート「ザウルス宝箱Pro」
  http://more.sbc.co.jp/

米シャープ、Java搭載のLinuxザウルスを一般向けに販売


(松下 麻利)
2002/06/24 19:06

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