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JEITA、iモードが繋がるモデルハウスを公開

 社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)は、ホームネットワークと情報家電を組み込んだ「情報家電モデルハウス」を東京都の多摩ニュータウンに建設した。同モデルハウスは、経済産業省によるプロジェクトの総括として建設されたもの。2月1日より一般向けに公開が開始される。今回は一般公開に先立ちプレス向けの公開が行なわれたので、その模様をお伝えしたい。


国家プロジェクトによるモデルハウス

見た目は一般住宅。ここに50人以上の報道陣が殺到
 電子情報技術産業協会では、平成11年度より経済産業省による国家プロジェクト「住宅分野の情報システム 共通基盤整備推進事業」という3カ年事業を、複数の企業の協力で行なってきた。これまでは電灯線を使ったデータ伝送技術や異なる規格のネットワーク間接続など、一般家庭内の情報家電ネットワークの基礎技術が研究してきたが、プロジェクト最終年度である本年度、それらの技術の集大成となるモデルハウスの建設を行なったわけだ。

 建設を行なった、といっても特注住宅を建設したわけではない。実際には東京都多摩ニュータウンにある新築建売住宅を借り、そこに情報家電を設置している。このように、特殊な住宅にしか設置できないシステムではなく、既存の一般家屋にも設置できるというのも、今回のプロジェクトの特徴の1つだ。


当然玄関もいきなりIT

玄関のドアに設置された指紋認証機
 モデルハウスの玄関のドアには、普通の鍵は用意されておらず、指紋認証と磁気による専用キーによる認証システムが利用されている。このシステムでは「誰がドアを開けたか」までが認識されるので、誰が帰宅したかをメールで通知したり、玄関に設置したメッセンジャーロボット(ここではアイボを使用)に帰宅した人によって異なる出迎えをさせられる。指紋認証機器などからの情報は、玄関の靴箱内に設置されたホームゲートウェイサーバーに送られ、そこから各機器への司令が伝わるという仕組みだ。


門灯の根元にはWebカメラが仕込まれており、iモードから閲覧できる 玄関脇の宅配ポストもリモート操作可能。ここには磁気キーの認識機も

なぜか下駄箱内の靴箱に偽装されたホームサーバー
 靴箱内に設置されたサーバーは、この他にも家中の照明機器や、玄関先のインターホン、庭に設置されたペットへの給餌装置、ベランダにある可動式雨よけなどにも有線・無線の両方で接続されている。接続方式は機器の設置場所や用途によって柔軟に対応させられるわけだ。

 サーバーはドコモのパケット網DoPaを利用してセンターサーバーに接続されている。センターサーバーがインターネットとの仲介を行なうことで、照明機器の制御や施錠の確認といった作業は、iモード端末から行なうことが可能だ。



iモードから施錠・開錠。端末IDを使えばセキュリティ性も高い 門柱のカメラ画像をiモードで閲覧

 これらのゲートウェイサーバーや指紋認証鍵、ペット給餌装置など基本的なシステムは、数十万円で購入できるクラスのものだという。


廊下にある電灯もネットワーク制御対応。ちゃんと固有アドレスが振ってある 電灯などを制御するスイッチ。ネットワーク化されている

お出迎えするソニーの「ラッテ」。これもネットワークの一部 庭先の給餌機は無線で接続。犬は首輪で繋がれているが、ネットワーク化されていない

複数のネットワークが混在中

 モデルハウスは研究成果として建設されたので、研究で生み出された複数種類の家庭内ネットワークが混在している。

 先に紹介したiモードでアクセス可能なネットワークは、モバイルテクノロジーズというベンチャー企業が開発したもので、モデルハウス内の照明機器やインターホン、玄関の鍵などがネットワークに接続されている。


壁のパネルに音声で指令を与えるだけで、部屋の情報家電を制御できる。まさにSFの世界
 この他にも、各部屋に設置された「コミュニケーションボード」という端末を利用したネットワークも設置されている。

 このネットワークは屋内に引かれた光ファイバーを使ったもので、先のネットワークと同じく照明機器の制御が行なえるほか、メールの閲覧や端末間のテレビ電話なども可能となっている。

 こちらのネットワークの操作は音声コマンドで行なう。たとえば「電気をつけて」と言えばその部屋の電気がつき、「メールを読む」といえば端末にメール一覧が表示される。また制御システムのインテリジェント化も進んでおり、たとえば書斎で「ホームシアター」と言えば電動カーテンが自動で閉まり、壁にかけられた液晶テレビがDVD再生を開始する、といった一連の動作を1個のコマンド実行することも可能だ。


大きなテレビ画面に情報家電の操作メニューが表示される
 さらにこれらのネットワークとは別に、家庭内には電灯線(いわゆるコンセントの線)を使ったデータ転送技術「ECHONET」によるネットワークも敷設されている。こちらはテレビに操作画面を映し、リモコンで操作することも可能だ。こちらも家庭内の照明やエアコンなどの制御が可能となっている。


一般公開は2月1日から

 同モデルハウスは「今すぐ手に入る未来!」をスローガンに掲げており、一部に開発中の技術もあるものの、使われている情報家電の7割はすでに商品化しているか、すぐにでも商品化可能なレベルのものだという。

 同モデルハウスでは情報家電ネットワークの接続方式として、電灯線や無線、光ファイバなど複数のネットワークが混在している。実用段階になればネットワークは統一されるだろうが、今回はプロジェクトの成果である「異なる規格のネットワーク間接続」を活かしてネットワークを形成し、実際に「泥臭い生活シーンが見える」ようにしたのも特徴の1つだ。

 モデルハウスの一般公開は2月1日~3月20日に行なわれる。見学には事前予約が必要で、JEITAでは期間中に5000人の見学者を見込んでいる。


冷蔵庫内には、足りなくなったビールを自動発注できるビールホルダー セキュリティの面でもネットワーク化は生かされる。犯罪や火災もリモートから検知

情報家電とはちょっと違うが、家具や小物も変わったものが展示されている 洗濯機とBluetoothで連携可能なシステム。残念ながら実用化の具体的な予定は立っていないとか

・ 見学会の案内
  http://www.eclipse-jp.com/jeita/
・ 電子情報技術産業協会
  http://www.jeita.or.jp/


(白根 雅彦)
2002/01/28 22:19

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