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FOMAは1カ月で1万台出荷。年内にBluetooth搭載PHS発表
?NTTドコモ定例記者会見レポート?

 NTTドコモの立川敬二社長は、7日に行なわれた定例記者会見で、2001年9月中間期連結決算およびFOMAの最新状況などについて明らかにした。


中間期連結決算報告

 中間期連結決算は、売上高で前年同期比17.8%増の2兆6129億円、営業利益は33.6%増の5504億円、経常利益は21.5%増の4825億円と順調な伸びを見せたものの、欧州のKPNモバイルの減損処理により、中間純利益が1038億円と、前年同期比52.2%減となった。

 今回の決算から金融商品に関わる会計基準を採用。海外投資先であるKPNモバイルの株式の再評価を行なったところ75%減の減損処理となり、特別損失として2627億円を計上したのが原因だ。

 2000億円を越える大幅な減損処理に対して、記者から経営責任を問われた立川社長は、「KPNモバイルの業績悪化は、3Gの回線オークションの過熱化などが影響したもので、日常の経営には問題がない。言い訳するつもりはないが、今回のものは一過性のもので、回復させることは十分できる。改善するには、5年以上かかるだろうが、電気通信サービス事業は中長期で見るものであり、日本でも新しいサービスは4年目からリターンが出ている。経営にミスはなく、現在の経営陣を変更する必要はない」とした。

 契約者数は、9月末で3844万(うちiモードが2777万)、PHSが189万、クイックキャストが95万契約。上期の契約数で見ると、54%のシェアとなり、累積シェアよりも低いが、「年度計画を上回る契約数で推移している」として、現業の順調ぶりを強調した。

 上期の動きで注目されるのは、音声利用が同社の予測を上回る速度で推移していること。1契約者あたりの月間平均使用料を算出するARPU(アープー=アベレージ・マンスリー・レベニュー・パー・ユニット)では、音声ARPUが7190円となり、昨年度実績の7770円を大きく下回った。すでに第2四半期(7~9月)には7060円となっており、今年度トータルでは6960円まで下がるとしている。

 その一方で、iモードARPUが上昇、昨年度は880円だったものが、上期で1490円にまで上昇、第2四半期は1510円となり、今年度通期でも1540円と、前年の2倍規模に拡大すると予測している。

 「iモードARPUは、計画よりも早い速度で上昇しており、音声ARPUの落ち込みを、かなりの部分でカバーしている。ショートメッセージからiモードへの移行や、音声よりもメールが便利である、といった流れが理由」(立川社長)と説明している。

 だが、音声ARPUの減少による収益の減少は避けられず、同時に発表した通期の見通しでは、売上高で5兆2170億円と、当初計画に比べて800億円のマイナスとした。営業利益と経常利益に関しては、「コスト削減効果もあって、当初計画通り」として、それぞれ9240億円(前年比18.9%増)、7960億円(前年比15.9%増)とした。

 なお、PHS事業は、上期実績でマイナス276億円の赤字となり、通期見通しでもマイナス640億円の赤字を見込んでいる。昨年に続く赤字だが、「赤字幅は昨年度の920億円よりも縮小する」と回復基調にあることを示した。


FOMAは1カ月で1万台出荷、2002年度末には人口カバー率90%へ

ドコモ立川社長

NTTドコモ社長 立川氏
 10月から本サービスが開始されているFOMAに関しては、1カ月で約1万台の出荷実績を認めた上で、「1万台程度しか売れていないという声もあるが、私にしてみれば1万台も売れている、という感じだ。当初は、首都圏30km以内のエリアに限定されており、12月1日から首都圏のサービスエリアの拡大、名古屋、大阪でのサービス開始といったようにエリアを広げる。サービスエリアが広がってこその移動通信サービスである。また、宣伝を控えていたということも考慮すべき。今年3月末までの15万台は当然可能な数字であり、もっと上回るだろう」とした。上期の投資投資は、PDCの1900億円に対して、FOMAが2000億円とFOMAへの投資を強化している。

 また、「FOMAはコンシューマー対応というよりも、むしろ企業を対象に考えている。企業の決算が集中する来年3月の年度末には企業向けにどっと出るかもしれない。この仕掛けも始めており、15万台達成するかどうかの心配はしてもらわなくても大丈夫だ」などと述べた。

 法人向けとして、FOMAのデータ専用端末による展開のほか、映像情報の共有なども視野に入れており、同時に新サービス「iモーション」に関しても、法人用に提供したいと、法人向け戦略を強化していく考えを示した。

 FOMAのコンシューマ向け戦略については、来年末に人口カバー率が90%になり、2004年3月には97%までこの比率を引き上げるとした上で、「ここまでくれば、どこでも使えるという形になり、コンシューマーが一斉に利用するだろう」と、来年度以降の普及戦略を明確にした。

 FOMA端末は11社から16機種が登場することが明らかになっているが、現在、製品化されているのは3機種のみ。「12月からさまざまな機種が出てくるだろう。PDAタイプや、小型パソコンのようなもの、DoPaのように人間が直接関与しないようなものもある」とした。


12月にはBluetooth対応のPHSを出荷

 さらに、Bluetooth対応についても言及、「12月にはPHSでBluetooth対応製品を出すが、将来的には、腕時計型の携帯電話とテレビをBluetoothにより接続して、画面を見るといった使い方も想定できる」と、Bluetoothの活用に前向きな姿勢を見せた。

 NTTドコモでは、今後の方針として、「マルチメディア化」として音声から非音声への展開、「ユビキタス化」による人対機械の通信の進化、「グローバル化」によるIMT-2000、W-CDMA方式の世界への普及、iモードライクサービスの展開を挙げている。

 ユビキタス化では、自動販売機の在庫管理や情報家電の遠隔操作などの利用を推進するほか、グローバル化では、同時に発表したKPNモバイルへのiモードライクなサービスの技術供与をはじめ、米国のAT&Tワイヤレスや、アジアの関連会社への技術供与を進めていく考えを示した。

 KPNモバイルのiモードライクなサービスが当初計画に比べて遅れたことについては、「基本的には、KPNモバイルがすべてを準備しており、ドコモがやっているわけではない。ネットワーク、端末、コンテンツなどが整い、サービスを開始できるのが、来年春ということだ」とした。


・ NTTドコモ
  http://www.nttdocomo.co.jp/

ドコモ、12月1日に東海・関西でもFOMAサービス開始
ドコモ、iモードの技術・ノウハウをKPNに有償ライセンス
ドコモ、中間決算説明会の模様をライブ中継


(大河原克行)
2001/11/07 22:31

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