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KDDI講演、「IMT-2000導入目的はデータ通信の低コスト化」

 日刊工業新聞社が主催する「次世代携帯電話と技術動向セミナー ?モバイルインターネットが世界を変える?」と題した無料セミナーが15日、都内で開催された。KDDI理事・移動体事業企画部技術戦略担当 冲中秀夫氏による「モバイルビジネス最前線~次世代携帯電話に対するKDDIの戦略」と題した特別講演も行なわれた。ここではその内容についてレポートする。


マルチメディアツールとなった携帯電話

KDDI沖中氏

KDDI理事・移動体事業企画部技術戦略担当 冲中秀夫氏
 冲中氏はまず、通話だけでなくマルチメディアツールとして用いられるようになってきた携帯電話市場の現状について説明。今後有望なコンテンツ市場として、パーソナル用途では音楽・画像・ゲームなど、ビジネス用途では個人を対象としたバンキング・証券取引・位置情報との連動コンテンツ、企業を対象としたテレメトリング・フィールドメンテナンス業務・セールス業務などのジャンルを挙げた。

 EZwebサービスについては、弱点と言われたメールの使い勝手をIMAP4に対応したezweb@mailサービスの提供で大きく改善。カラオケコンテンツの対応や、位置情報サービスに今後積極的に取り組んでいくと述べた。またWAPについては「そもそもWAPが策定された時は、携帯電話と言えばCPUが遅い・液晶が小さく解像度が低い・通信速度が遅いという前提があったが、現状はその前提とはかなり異なっている。たとえば、現在の携帯電話のCPUは5年前のSun Workstationとほぼ同等の性能を持つといわれているほどだ。こうした現状を踏まえて、次世代WAP(WAP 2.0)は現在のWAPよりも、パソコンなど他の環境とシームレスなものとなる」と述べた。現在のEZwebコンテンツはHDMLで記述されているが、WAP 2.0では言語はxHTML+WML環境となり、C-HTMLで記述されたページもWAP 2.0対応のブラウザで大部分が見られるようになる。つまり、iモード用のページもWAP 2.0対応のau端末で見られるようになる見込みだという。


auの次世代プラットフォーム 次世代WAP(WAP 2.0)

KDDIのIMT-2000戦略

 冲中氏は、音楽・動画などのリッチコンテンツを提供していくためには「ビット単価の低廉化が必須」であるとして、「IMT-2000導入目的・開発目標はデータ通信におけるビット単価を下げること」と述べた。現在のパケット通信料は、iモードよりもEZweb端末の方がじゃっかん安い。しかしシングルの曲データが1曲平均5MBくらいの容量になるため、現在のEZwebの料金(1パケット=128バイトあたり0.1円)でも1曲1万円くらいになってしまう。これではリッチコンテンツの提供は困難だと具体的に説明した。


コンテンツの大容量化に対応するには、ビット単価を下げることが必須 IMT-2000の開発目標・導入目的はビット単価の低廉化

 auの次世代システムのスケジュールについては、最大伝送速度153.6kbpsのcdma2000 1xを2001年10月に東名阪で開始(2002年度内に全国展開)、2002年9月には最大伝送速度2.4Mbpsのcdma2000 1xEV-DO(1x Evolved - Data Only)を東名阪で開始すると述べた。


主要IMT-2000方式の比較 各社のIMT-2000展開計画(NTTドコモ、J-フォンについては推定)

 cdma2000 1x は、現状の携帯電話では基地局からの距離により端末が受ける電波に強弱がある点を、無線基地局が遠い端末には送信電力を上げ、近くには下げることで端末の受信電力を一定になるように調整。伝送速度と伝送品質を保持する仕組みとなっている。一方、その次の世代となるcdma2000 1xEV-DOでは、基地局1局でどれだけのデータを伝送できるかという、基地局単位でのスループットを重視した仕組みで、基地局から遠い端末では伝送速度が遅く、近い端末では速くなる。端末の位置により38.4kbps~2.4Mbpsと速度の幅は広くなるベストエフォート型となるが、基地局ごとのスループットを最大とすることで、効率的なデータ伝送が可能となるという。

 すでにKDDIでは都内で基地局1局でどれだけのデータを扱えたかを計測する実験を行なっており、1Mbit/秒以上のセクタースループットが得られたとしている。


cdma2000 1xEV-DOとcdma2000 1x セクタースループット実測例(無線区間)

 冲中氏は、ドコモは5月からW-CDMAを導入するが、これは従来のPDCネットワークとは全く違うネットワークを一から構築することになるのに対して、auのcdma2000 1xは既存のインフラをそのまま使用することができることでコスト面でのリスクも少ないと述べた。また、W-CDMAが移動時最大384kbps(静止時最大2Mbps)であり全国ネットワークを構築するのに数年かかる間に、同社は1xEV-DOで最大2.4Mbpsのデータ伝送を提供できることで、伝送速度の面でもアドバンテージが取れるという戦略を示した。


大容量データに対応する次世代システム 次世代携帯電話(Concept Model)


URL
  au by KDDI
  http://www.au.kddi.com/top.html


(工藤 ひろえ)
2001/03/15 19:50

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