メディアフロージャパンは、沖縄県那覇市と豊見城市のユビキタス特区で行う「携帯端末向けマルチメディア放送サービス実証実験」において、MediaFLO方式による映像・音声の多チャンネル放送実証試験を開始した。
今回の実験では、20の映像チャンネル、3つの音声チャンネルを実験試験局から同時に送信し、さまざまな環境のもとで、実験用端末で受信するというもの。MediaFLOの周波数利用効率の高さや、送信側のパラメーター・屋内外の電波受信状況に応じた品質性能などが検証される。実験試験局(中心周波数213.143MHz)は、豊見城市に中心局(空中線電力170W)と高速道路局(空中線電力10W)が、那覇市にギャップフィラー局(空中線電力1W)となる。実施期間は今秋まで。チャンネルとしては、AXN、FOX、MONDO21、朝日ニュースター、キッズステーション、ショップチャンネル、スーパー!ドラマTV、ディズニー・チャンネル、日経CNBC、FM OKINAWA(音声)、BrandnewJ/J-WAVE(音声)などが用意される。
今秋からは、コンテンツプロバイダや端末メーカーとも協力し、リアルタイムストリーミングに加えて、ダウンロードサービスの「クリップキャスティング」や「IPデータキャスティング」を利用して、通信放送の連携サービスの実証実験を行う。また地方自治体と連携した地域密着型コンテンツの配信実験も行う予定。
■ 単一周波数ネットワーク(SFN)の構築、走行受信実験
また同社では、同じく沖縄県のユビキタス特区においてSFN(Single Frequency Network)を構築し、トヨタ自動車と協力して走行受信実験を行った。
SFNは、複数の送信局から同一の周波数帯を使って1つのコンテンツを送信するというもの。実験では、豊見城市に設置した中心局と高速道路局から同一の実験用映像(MPEG-4 H.264/AVC、30fps)を送信し、高速道路や一般道で受信した。その結果、さまざまな受信環境や低速走行時、高速走行時において滑らかで高品質な映像・音声を良好に受信できることが確認できた。
メディアフロージャパンでは、SFNを前提とした携帯向けマルチメディア放送サービスのエリア設計に実験結果を利用するほか、携帯電話以外の受信端末の普及・MediaFLOによるカーライフの充実の検討に役立てるとしている。
■ URL
メディアフロージャパン
http://www.mediaflo-japan.com/
プレスリリース(PDF形式、多チャンネル放送実証試験)
http://www.mediaflo-japan.com/pdf/09041602.pdf
メディアフロージャパン(PDF形式、SFN走行実験)
http://www.mediaflo-japan.com/pdf/09041601.pdf
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(関口 聖)
2009/04/16 15:31
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