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SumsungのKIM氏
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Samsung Electronicsは、日本法人本社において、スペイン・バルセロナで開催された展示会「Mobile World Congress 2009」(MWC2009)に出展した海外向け新端末の説明会を開催した。
国内で販売されているSamsung Electronics製の携帯電話は、日本サムスンではなく、韓国のSamsung Electronicsより供給されている。日本サムスンには携帯電話の担当部署がないため、サムスンが国内で携帯電話関連の説明会を開催するのは珍しい。
今回の説明会では、Samsung ElectronicsのDigital Media & Communications部門 無線事業部 日本輸出グループの統括部長である金松信(KIM・SONGSHIN)氏が登場し、MWC2009の同社プレス・ブリーフィングの内容が語られた。
同社は2008年のMWC2008より、「Touch」をキーワードとした端末を展開しており、2008年は方向キー部分にタッチ・インターフェイスを採用した「Soul」などを展示した。また同年6月には、タッチパネルディスプレイを採用し、独自のユーザーインターフェイスやウィジェットなどが利用出来るWindows Mobile端末「OMNIA」を発表。OMNIAは、2008年下期の戦略的な商品と位置付けられた。
KIM氏は、世界的な不況によって、これまで成長を続けていた携帯電話業界にも暗雲がたちこめ、2009年の携帯出荷数は落ち込むとの見方を示した。これはSamsungに限らず、メーカー各社同じ状況という。
Samsungは2008年、前年比2割増の1億9670万台を出荷し、ノキアに続く世界第2位の出荷数を記録した。KIM氏は2009年についても成長を続けるとし、市場全体の出荷数は落ち込むものの、メーカーシェアを伸ばしたいと意欲をみせた。
世界の市場では、「Touch」をキーワードとした端末は成長しており、2009年はタッチ・インターフェイスを採用したモデルだけで世界で1億台を超えるとした。Samsungでは、音楽や映像、GPS、ゲームなどが直感的に楽しめるタッチ・インターフェイスを積極展開していく計画だ。
なお、MWC2009では、タッチ・インターフェイス採用のスライドモデル「UltraTOUCH」、HD映像の再生・録画に対応した「OMNIAHD」、音楽機能が充実したタッチ・インターフェイスの若者向けモデル「BEATDJ」「BEATDISK」などが、Samsungを象徴するモデルとして発表された。今回の説明会でも端末が展示されたが、国内販売などへの言及はなかった。
海外向けの「OMNIA」は、これまでWindows Mobileを採用していたが、「OMNIAHD」では、Symbian S60 5.0となった。KIM氏は、Symbian OSの多くがノキア端末で採用されており、欧州はSymbianの市場とも言えるとし、欧州でシェアを伸ばすためにも「見逃すわけにはいかない」とプラットフォーム変更の理由を説明した。
ただし、SamsungのラインナップにはWindows Mobile採用端末もあり、日本向けのOMNIAは携帯向け独自OSを採用するなどプラットフォームの採用に幅がある。KIM氏は、「Windows Mobile、Symbian、Linux、Androidなど、オープンなプラットフォームはニーズがあれば全て対応していきたい。オープンOSのエコスシステムを強化していく」と語った。フランスやドイツでOMNIAは、非常に好調なセールスを記録しているという。
Samsungは、2006年にそれまでのハイエンド中心の戦略から、世界No.1となるために方針を転換したとのこと。アジアやインド、アフリカといったいわゆるエーマージングマーケットにも端末を積極的に投入し、フルラインナップで勝負しているとのこと。アジア・アフリカなどの新興国の成長市場では、中間層以下をターゲットとした端末を投入しており、実を結びつつあるという。同社は今後、パソコンなどのさまざまな事業分野と協力して、総合メーカーとしての強みを活かしていく方針だ。
質疑応答ではさまざまな質問が飛んだ。
同社のエコプロジェクトとして明らかにされたソーラー充電式携帯電話「Blue Earth」については、商品として発売することをあらためて確認した。「KIM氏はビジネス的にも成功させたい」と語った。
また、ノキアが日本を去る中、KIM氏は「Samsungはこれからも日本で頑張る」と述べた。「ノキアが撤退するほど携帯市場は厳しい。ただ、ノキアはそれほど日本に力を入れておらず、日本の顧客に対してカスタマイズしてこなかった。Samsungにとって日本の市場(年間4500万~5000万台市場)は決して小さな市場ではない。欧州では1つの端末を売れるが、日本は3キャリアで別々のものを作らなければならない点が難しい。一方で日本市場は最先端の技術を取り入れるのが一番速い」と述べた。
さらに続けて、「iモードも写メールも、カメラだって日本は3メガ以上が普通。技術の発展、サービスの発展のために日本市場で追いついていかなければダメだと思う。部材も発達していて学ぶところが多い。ただ、これまでSamsungが日本市場に100%力を入れてきたのかというと疑問はある。2006年に参入してたくさんの勉強をした。これからはビジネス的にも成功していきたい」と語った。
このほか、会場にはMWC2009で展示された端末が並んだ。
■ フォトギャラリー
■ URL
Samsung Electronics
http://www.samsung.com/
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(津田 啓夢)
2009/02/27 19:35
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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