NTTドコモは、Research In Motion(RIM)製のスマートフォン「BlackBerry Bold」を2008年度の第4四半期に発売する。法人向けソリューションのほか、個人向けの「ブラックベリーインターネットサービス」にも対応する。
両社では29日、都内で会見を行い、NTTドコモ代表取締役社長の山田 隆持氏やRIM COOのドン・モリソン氏が登壇し、「BlackBerry Bold」の概要や戦略が語られた。今回の発表は、両社が日本市場に「BlackBerry Bold」を投入することについて基本合意に達したことから開催された。そのため、端末の価格帯や専用料金プランの導入、コンテンツサービスの有無などについては未定となっている。
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BlackBerry Bold
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■ BlackBerry Boldの特徴
「BlackBerry Bold」は、RIM製スマートフォンの最上位機種で、これまでに世界で1900万台以上発売されている。今回発売されるモデルは、海外で発売されているものとほぼ同等だが、ソフトウェアが日本語化されたり、キー右隅に「文字種別切替キー」が用意されるなど、日本向けにカスタマイズされたモデルとなる。
大きさは114×66×15mmで、重さは約136g。一般的な携帯電話よりも横幅が長い形状で、ディスプレイも2.7インチ、480×320ドットのTFT液晶で、横長となっている。革風のデザインが施された背面のカバーを外すと、バッテリーが脱着できる。端末下部にはストラップホールが用意されているが、ストラップを脱着するには、背面カバーを取り外す必要がある。
通信方式は3.6MbpsのHSDPA(FOMAハイスピード)とGSMに対応し、FOMAプラスエリアもサポートされる。無線LAN(IEEE802.11a/b/g)対応で、Bluetooth機能でハンズフリー通話や音楽再生が楽しめる。microSDHCカードスロット(最大16GB)、1GBの内蔵メモリを装備するほか、QWERTY配列のキーボードを備え、本体中央のトラックボールで操作することもできる。200万画素のCMOSカメラも搭載するが、法人での利用を踏まえ、カメラ無しモデルも提供される予定。なお、「BlackBerry Bold」のカメラなしモデルは、海外でも提供されておらず、世界に先駆けて日本で投入されるという。なお、今回発売される「BlackBerry Bold」はSIMロックがかかった状態で発売される。
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QWERTY配列のキーボード。右隅に「文字キー」が用意されている
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「メディアプレイヤー」機能でのコンテンツ再生画面
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■ エンターテイメント機能を強化、パケット定額プランは未定
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メインメニュー
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Webブラウザで本誌にアクセスしたところ
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従来のBlackBerryと比べると、エンターテイメント機能が強化されたとのことで、「メディアプレイヤー」機能の仕様では、動画フォーマットはDivX4.DivX5/6(一部対応)、XviD、H.263、H.264、WMVに、楽曲フォーマットは3GP、MP3、WMA9/10、MIDI、AMR、Professional AAC、AAC+、eAAC+をサポートする。会見では「携帯網・無線LANのどちらでも音声・映像のストリーミングが利用できる」と案内されたが、会見終了後、担当者に確認したところ、音声・映像のストリーミングは無線LAN経由でのみ利用可能という。
パソコン向けのソフトウェア「BlackBerryメディアシンクアプリケーション」を使ってデータを同期できる。同ソフトでは、アップル製の楽曲管理ソフト「iTunes」と連携できるようになっており、楽曲やプレイリストを管理できる。ただし、iTunes Storeで購入した楽曲は利用できない。基本的に、DRMなしのメディアファイルであれば、問題なく利用できるという。
Webブラウザは、BlackBerry開発のオリジナルブラウザだが、FLVもサポートする。マルチタスク機能も用意されており、Webブラウジングしながらメールを作成したり、音楽を聴きながら他の機能を利用したりできる。メニューアイコンは、色を変更することはできるが、国内の携帯電話で採用されているような着せ替えの仕組みはないとのこと。
ネイティブアプリケーションを追加できることも特徴の1つだが、今回、日本での発売において、どの程度のアプリケーションが許容されるか、担当者は「現時点では未定。ただ、仕組みとしてはVoIPのようなアプリケーションも開発・提供できる」としている。
法人向けソリューションのほか、ISPメールやWebブラウジングなどが利用できる個人ユーザー対応の「ブラックベリーインターネットサービス」も用意される。またBlackBerry Boldの提供にあわせ、ドコモでは新たなパケット定額プランを導入する予定という。料金は「スマートフォン向けのBiz・ホーダイより安価になる方向で検討中」という。
なお、BlackBerry Boldは、ノートパソコンなどのモデムとしても利用できる。ただし、通常はBlackBerry専用のアクセスポイントに接続するところ、モデム利用の場合は異なる接続先に設定することになる。料金プランは未定だが、仕組みとしては、BlackBerry Bold単体での通信料とモデムとして利用する場合の通信料は区切って算出できるという。
ソフトウェア更新機能について、RIM側の担当者は「グローバルレベルの取り組みとして検討している最中」と述べており、日本市場でも通信経由でソフトウェア更新できる仕組みを導入するかどうか、検討中となっている。
■フォトギャラリー
■ URL
ニュースリリース
http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/080929_00.html
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(関口 聖, 太田 亮三)
2008/09/29 13:24
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