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モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)は、いわゆるブラックリスト方式(特定分類アクセス制限方式)において、アクセス制限対象とするカテゴリーを選ぶ際の基準について、第1回目の意見書を発表した。同機構では、今回の意見書を各キャリアやフィルタリング会社に対して提出している。
意見書は、ブラックリスト方式におけるフィルタリング基準に対して、問題と考えられる点を指摘し、今後の方向性を示す内容となっている。それによれば、青少年が安全かつ安心してネットを利用できるようにするための取り組みが必要で、フィルタリングサービスは一定の有効性がある手法としつつも、現状の基準では、親子間や友人間のコミュニケーションに使うサイトや青少年の自己表現に用いるサイトなども有害サイトとして扱われており、過度の規制と指摘している。
そこでEMAでは、一般から募集した意見や専門機関からの意見などを参考に、暴力性や性的欲求を刺激、助長したり、自殺を誘発しかねないものなど、5つの要件に当てはまるサイトをアクセス制限すべきカテゴリーにすべきと提言している。
- 画像・表現・描写などにより著しく性欲を刺激するもの
- 暴力的又は陰惨な画像・表現・描写などにより興味本位に暴力行為又は残虐性
を喚起・助長するもの
- 自殺を誘発・助長・ほう助するもの
- 犯罪行為及び刑罰法令に抵触する行為又は誘引・助長・ほう助するもの
- その他、青少年の健全な育成を著しく阻害するおそれがあるもの
これらの要件に該当するカテゴリーの具体例としては、アダルトカテゴリーや軍事・テロなどのサイト、自殺や家出に関する情報を掲載するカテゴリー、違法薬物の使用を助長するサイト、あるいはネット利用においてハッキングや不正コード配布を行うサイト、出会い系サイトなどが挙げられている。
また現状アクセス制限対象となっているカテゴリーのうち、同機構提言の要件に当てはまらず、制限から外すべきとされたカテゴリーは、検索エンジンのキャッシュページ、同性愛関連サイト(アダルトは含まず)、宗教関連ページ、政治関連ページとなる。
今後の検討課題として、ユーザーがアクセス制限対象サイトを選べる「マイホワイトリスト」「マイブラックリスト」のような仕組みを整えることや、複数のブラックリストからユーザーが選択できる環境にすることを挙げている。
このほか青少年や保護者に向けた啓発・教育プログラム第2弾として、全体の方針を示したアクションプランも発表されている。同プランでは、政府や事業者、EMA、保護者、教育機関などが果たすべき役割や、保護者・学校・地域の連携体制の構築、啓発・教育プログラムの進め方が記されている。
■ URL
EMA
http://www.ema.or.jp/
フィルタリング基準に関する意見書(PDF形式)
http://www.ema.or.jp/application/opinion0904.pdf
啓発・教育プログラム アクションプラン(PDF形式)
http://www.ema.or.jp/application/edu_action080904.pdf
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(関口 聖)
2008/09/05 12:25
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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