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ウィルコム石川氏、「WILLCOM 9は新しい提案」

 ウィルコムは3日、都内で「WILLCOM 9」の商品発表会を開催した。WILLCOM 9のコンセプトや特徴、デザイン面で注力したポイントや、新たに提供される「ウィルコム ガジェット」について説明が行われた。


9(nine)の後継機

ウィルコム土橋氏

ウィルコム土橋氏

WILLCOM 9を紹介した石川氏

WILLCOM 9を紹介した石川氏
 説明会は、同社取締役執行役員副社長の土橋匡氏による挨拶でスタートした。同氏は「国内の携帯電話・PHS市場の競争が激化する中、当社ではWILLCOM 03やWILLCOM D4のような製品とともに、今回発表するWILLCOM 9でアピールしていく」と挨拶し、スマートフォンと音声端末で新機種を投入し、今後の市場に挑む考えを示した。

 プレゼンテーションを行ったブランド&プロダクト企画部部長の石川 俊司氏は「昨今の携帯電話は、機能をとにかく入れ込むという流れにある中、当社ではスマートフォンを提供してきたが、今回発表する新製品は一般的な携帯電話が狙う層とは違う層にアピールするもの」と述べる。

 その前提にある製品が、2006年12月に発表された音声端末「9(nine)」だという。石川氏によれば、「9(nine)」は発売から1年半書けた現在も販売されており、継続して人気のある機種で、特に最も販売数が伸びた時期は発売から1年を迎えた頃だったという。土橋氏によれば累計販売数は約43万台とのこと。

 石川氏は「携帯電話は半年ごとに店頭から姿を消すが、9(nine)はロングセラーモデルになった。カメラを搭載せず、Webブラウジングとメール、通話に特化したシンプルな機能が特徴という9(nine)だが、そういったコンセプトの遺伝子を受け継ぐ機種が今回のWILLCOM 9」という。

 なお、土橋氏によれば、「WILLCOM 9が登場しても9(nine)は売れ続ける限り、提供していきたい。商品動向は市場に合わせて展開していく」と説明した。


WILLCOM 9は「新しい提案」だという ロングセラーの「9(nine)」の累計販売数は約43万台
WILLCOM 9は「新しい提案」だという ロングセラーの「9(nine)」の累計販売数は約43万台

インハウスデザイナーが主導した端末開発

デザイン担当の堀田氏

デザイン担当の堀田氏
 「WILLCOM 9」のデザイン的な特徴については、ウィルコム内でデザイン監修業務に携わる堀田峰布子氏が説明を行った。同氏は「社内デザイナー、つまりインハウスデザイナーとして、今回はプロダクトデザインを担当し、新しいシンプルな価値を提供することを目指した。シンプルな機能に見合ったボディサイズということで、意味のあるサイズが市場に求められていると考えた」と述べ、シンプルさを追求するというコンセプトは機能面だけではなく、外観でも表現されているとした。

 ストレート型だった「9(nine)」の後継モデルに位置付けられながら、折りたたみ型にした理由については「ユーザーにとっては、選択肢があることが重要」と説明した。折りたたみ機構を採用しながら開けやすくするため、同社内で“ネガR”と呼ぶ形状を採用した。“ネガR”のRとは、図面などで円の径を示す“アール(r)”のことで、ネガとは“反対”という意味。つまり出っ張る“R”の反対で、外側から内側へ窪む“逆方向のR”という形になる。

 ソフトウェア面では、長く愛着を持って利用されるように、待受画面を3分割してカスタマイズできる「スロットアクセサリー」を開発した。またHTMLベースで本文を装飾するデコラティブメールについても、デフォルトの背景色を変更すると背景の模様が見えるというテンプレートをプリセットすることにした。

 堀田氏は「デザインコンセプトは、サイズ、フォルム、カラー、GUI、デコラティブメール、スロットアクセサリーで表現した。WILLCOM 9はシンプルという価値を伝えるデザインであり、商品となる」と述べ、コンセプト通りの仕上がりになったと自信を見せた。


コンセプトにあわせた機能とサイズ ネガRの採用で開けやすく
コンセプトにあわせた機能とサイズ ネガRの採用で開けやすく

ガジェットの特徴とは

 WILLCOM 9の特徴を紹介する中、新たに搭載する「ウィルコム ガジェット」に触れた石川氏は「ウィルコム ガジェットの特徴は、ディスプレイ上に必要な情報をコンパクトに表示できる『最小化』という点と、あらかじめ読み込んでおいた情報を瞬時に表示できる『最大化』という点。データ通信を定額で提供し、マイクロセルによる大容量ネットワークを特徴とする当社と親和性の高いサービスだと思う」と述べた。

 今後登場する機種に対しても、「ウィルコム ガジェットは利便性の高い機能と考えており、音声系端末には搭載していきたい」とした。また、開発環境の開放については、ウィルコムの水平分業スタイルとマッチするとして、「積極的に展開したい。ただしセキュリティ面などの課題もある」とした。



URL
  ウィルコム
  http://www.willcom-inc.com/

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(関口 聖)
2008/07/03 18:26


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