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ドコモ新社長の山田氏、進化の方向やiPhoneへの考えを語る
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NTTドコモは23日、新社長に就任した山田隆持氏による記者会見を開催した。同氏からは、4月に発表した「新ドコモ宣言」を受けて、今後注力するポイントや国内でも販売されることになった「iPhone」に対する考えなどが語られた。
■ キーワードは「変革とチャレンジ」
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ドコモ新社長に就任した山田 隆持氏
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大きく分けて3つのポイントで、「変革とチャレンジ」に取り組む
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新社長に就任した山田隆持氏は、1973年にNTTに入社し、1999年にはNTT西日本で設備部長に就任。2002年にNTT西日本 常務取締役 ソリューション営業本部長、2004年にNTT代表取締役副社長と要職を歴任し、2007年からはNTTドコモで代表取締役副社長となっていた。
4月18日に発表された「新ドコモ宣言」ではブランド再構築とユーザーとの関係強化、要望を戦略に反映させる方針、イノベーションの追求、組織再編と大きく分けて4つの要点が掲げられたが、今回の会見で山田氏は、ドコモが進むべき道として「お客様視点での変革」「新たな価値創造へのチャレンジ」「明るく元気で活力ある会社へ」という3つのポイントを紹介した。
「お客様視点での変革」として、まずドコモショップの顧客対応を強化していく。同氏は「現状全国2000店舗ほどのドコモショップに対して、150店舗増加させるとともに、全国200店舗ほどのドコモスポットと呼ばれる小規模店舗を拡充し、ドコモショップ化する。これにより全国のドコモショップは2300~2400店ほどに増加させる」と語った。
山田氏はプレゼンテーションの中で「ショップスタッフの方々には新ドコモ宣言の精神を理解して欲しい。たとえば閉店間際に来店してくれたユーザーに対して、閉店時間を延長してまで対応すれば感謝の言葉をいただけるが、『閉店なので明日来て下さい』と回答すれば苦情に繋がる」と述べたほか、会見後の記者団からの質問に対して「ほとんどのトラブルはドコモショップで解決できる。そこで解決できない問題は、ネットワーク品質などで、それは本社側で取り組んでいく」と語っており、ドコモショップの能力向上を図ることで、きめ細やかな対応によって顧客満足度を向上させる考えを示した。またドコモショップが混み合うと指摘する声に対しては、携帯電話から予約できる機能を取り入れる予定とした。またドコモ本社内部には、フロント支援センターを呼ばれる部門が設置され、多様化するユーザーからの要望をスピーディに応対していく。
また顧客満足度を向上させるための必要な点として、ネットワーク品質の向上も紹介され、山田氏は「たとえば新幹線はトンネル内で利用できるようになった。これまでネットワーク品質の改善に取り組んできたが、ほぼ達成できたのではないか。もっとも限られたスポットが繋がりにくいということはある。これについてはユーザーからの申告があれば48時間以内に訪問して改善を図る。これは東京からスタートして、順次全国に拡大していく」とした。
■ “インターネットのケータイ化”
新たな価値を生み出していくという姿勢について山田氏は「昨年、固定網のNTTから移動体のドコモに移ったが、24時間365日、30cmの距離で利用されるという携帯電話は固定網からすると羨ましい存在。さらに便利で快適に使ってもらえるようチャレンジする」と述べる。
今後挑戦する分野として、同氏は「生活をサポートできるような機能を検討している。より簡単な設定で、好みなどにあわせた情報を配信できるようにする。これは“エージェント機能”と呼んでいるが、現在はその一歩手前まで来ている。今後高度化していけば、生活をしっかりサポートできる」とした。
また「インターネットのケータイ化」という言葉を掲げ、「携帯電話は個人認証、位置情報、リアルタイム性という特性がある。これとインターネットの特性を組み合わせていく。パソコンでできることは、当然携帯電話でもできるようにする。動画をはじめとするリッチコンテンツにも取り組むが、“インターネットのケータイ化”は携帯電話の特性で、インターネットを進化させるというもの。銀座の歩行者天国を歩いている時に、絵画を好む人には展覧会情報を配信する。各地の名産に興味がある人には百貨店の物産展情報を提供できる。やり過ぎれば迷惑メールになるが、どういう形であれば良いのか、大いに研究開発していく」と述べた。
このほかチャレンジする分野として「融合サービス」「グローバル&ボーダレス」という点も挙げられ、山田氏は携帯電話と固定網の融合サービス、海外での利用や異業種企業との連携といった点を強化していく考えを示した。
通信技術については、従来通り、3.9G(第3.9世代)と呼ばれるLTE(Long Term Evolution)の導入に意欲を示し、「LTEは2009年に開発を完了し、2010年に導入していく予定だが、3Gの延長線上にある技術。さほどコストがかからず、同じ基地局設備で導入できると見ている。ドコモはLTEの開発に貢献してきたし、そう自負しているが、今後もしっかり取り組んでいきたい」とした。
■ iPhoneは「今後もあきらめない」
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iPhoneについては、今後も交渉を続ける考えを示したが、交渉状況については明言を避けた
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米アップルの携帯電話で、3G網に対応した「iPhone 3G」が7月11日からソフトバンクモバイルで発売されることになった。iPhone関連の動向について尋ねられた山田氏は「iPhoneは、特に若いユーザー層が魅力的と評価している端末だと思う。昨年発表された時は、皆さん驚きの目で見たが、ドコモ陣営としてはPRADA PhoneやSH906iといったタッチパネル対応機種を導入してきた」と述べた。
国内で受け入れられるかどうか、という点については「販売されてみないとわからない。もちろん発売時には店舗にユーザーが殺到することになるだろうが、(長期的に見て)どのくらい日本で売れるのか。これからしっかり見守りたい」と語った。
また、ドコモでの導入については「iPhoneの提供をあきらめたわけではない。ただし、アップルとの交渉状況については、秘密保持契約を締結しており、現時点では明らかにできない」とした。iPhoneの販売価格についても山田氏は「驚いた」と率直な感想を表わす一方、「原価はどの程度なのか」とも述べており、国内では撤廃方向にある販売奨励金の影響を示唆した。
■ URL
NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/
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(関口 聖)
2008/06/23 17:49
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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