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左から喜久川氏、土橋氏、近氏
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ウィルコム 代表取締役社長の喜久川 政樹氏
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ウィルコムは26日、新商品「WILLCOM 03」の発表会を開催し、スマートフォンに加えて次世代PHSなど同社の戦略を説明した。
発表会で登壇したウィルコム 代表取締役社長の喜久川 政樹氏は、「WILLCOM 03」について、「Advanced/W-ZERO3[es](アドエス)の後継となる製品」と紹介し、「“0”には商品設計の見直しや新しい感覚という意味を、“3”には基本性能である通話、メール、Webという意味を込め、基本機能はさらに強化した。スマートフォンは敷居が高いと感じていたユーザーも簡単に使ってもらえるようなものになっている」と語り、基本機能の充実でより幅広いユーザーに受け入れられる内容とした。
本体カラーについても、「これまではどちらかというとビジネス寄りのデザインで、カラー展開はホワイトが中心のバリエーションだった。今回は、スタイリッシュなカラーリングを採用した」と語り、一般ユーザーを意識したカラーバリエーションをアピール。
機能面ではまず、「あって当たり前の機能だが、既存のユーザーにとって、一番の不満点だったのではないか」とする「電話帳」の機能が紹介された。OSにWindows Mobileを搭載する端末でも、携帯電話で一般的な「電話帳」のユーザーインターフェイスを実現するもので、待受画面上から簡単にアクセスできるようになっている。
また、メールはGmailやYahoo!メール、OCNといったメールサービスのセットアップが簡単に行なえる機能が用意されていることが紹介されたほか、端末の各機能に簡単にアクセスできるようにするランチャータイプのメニューや、Opera Mobile 9.5のタップによるズーム操作など、新しい機能が紹介された。
■ モバイルFeliCa対応へ
喜久川氏は発表会の中で「WILLCOM 03」をスマートフォンの新商品として紹介したが、このほかにウィルコムの戦略として、「生活密着型」「次世代に繋がる端末」をテーマにした内容にも触れられた。
「生活密着型」では、定額プランの普及や音声端末「HONEY BEE」のヒットに触れて、新色として「HONEY BEE ブルーシールアイスクリーム」モデルを紹介した。同氏はHONEY BEEのユーザー満足度がデザイン面で特に高いとする調査結果を示し、「機能だけでなく、デザインも重要であることをこのプロダクトが示した」とデザイン性が大きく受け入れられたことをアピールした。
さらに喜久川氏は、生活密着型の次の施策として、「モバイルFeliCa」への対応を発表した。同氏はFeliCa対応PHS端末を2008年度第4四半期に発売することを明らかにし、対応予定サービスとして「QUICPay」「ANA」「JAL」「モバイルSuica」「Edy」の5つのサービスを紹介した。同氏は「FeliCaはおまけの機能ではなくなっている。生活密着という意味で不可欠と判断した」と語り、他キャリアと比べて対応が遅れていたFeliCaサービスを順次導入していく姿勢を明らかにした。
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モバイルFeliCaへの対応を表明
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主要なサービスへの対応を予定する
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■ 次世代PHSは「WILLCOM CORE」として展開
同氏は次世代PHSとして進めている施策についても言及し、先日発表された端末や基地局ベンダーを改めて紹介するとともに、次世代のサービスで実現を目指す具体的な数字を提示。モバイル向けのみならず家庭での利用を想定したサービスや、W-SIMを発展させたようなオープン指向の端末開発といった展開を紹介し、これら次世代PHSのサービスを「WILLCOM CORE」のブランドネームで推進していくことが明らかにされた。
喜久川氏によれば、「WILLCOM CORE」のサービスは都内などエリア限定で2009年春にエリア展開を開始し、2009年の秋からは政令指定都市などにエリアを拡大していくという。
通信速度は下り数十Mbpsの速度でまずはスタートし、上下100Mbpsの速度を近い将来に実現できるよう、研究開発を進めていく。また、新幹線での利用中にも途切れないといった、高速移動中での安定性も追求される。
同氏からはこのほか、PHSの基地局設備にカメラを設置したソリューションなど、新たなサービス展開も明らかにされたが、これについての詳細は27日開催される「WILLCOM FORUM&EXPO 2008」で発表されるとした。
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ウィルコムが注力する3つの分野と方向性
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次世代サービスのブランドを「WILLCOM CORE」に決定
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次世代PHSの端末ベンダーなど
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スペックや機能面でのトピックも示された
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家庭向けのサービスやオープンプラットフォームの端末にも言及
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米マイクロソフト 会長のビル・ゲイツ氏からビデオメッセージが届けられた
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■ D4の発売延期「中途半端に出すよりは」
質疑応答の時間では、発売時期の延期が発表された「WILLCOM D4」に質問が及び、「商品自身は画期的な商品。中途半端な、不満が出るような状態で出荷するよりは、満足度が高く、ほかのユーザーにすばらしいと伝えたくなるようなものとして出すのが重要。長い目で見ればその方が良いだろう。発売からある程度の期間が経てば(延期による)マイナスもカバーできるのではないか」との見方を示した。
次世代PHSとして展開されるサービスについては、競合他社の方式との違いを問われると、取締役執行役員副社長の近 義起氏は、「どの方式も、技術面では同じ方向を向いている。実効速度の高い真のモバイルブロードバンドは、12年間で培ってきたマイクロセルのインフラを活用し組み合わせた時に最高の性能を発揮できる」と語り、同社のネットワークインフラと次世代サービスの組み合わせをアピールした。
■ URL
ニュースリリース
http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2008/05/26/
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(太田 亮三)
2008/05/26 19:18
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