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2月5日、富山大学高岡キャンパスで、ウィルコムの通信モジュール「W-SIM」のシンボルアイコンのデザインについての最終講義があり、学生たちから各自のデザインのプレゼンテーションが行なわれた。
この講義は、同大芸術文化学部とWILLCOM コアモジュール フォーラム(WCMF)の産学協同の取り組みで、学生たちにW-SIMのシンボルアイコンをデザインしてもらおうという内容。国立の芸術系大学と企業団体がコラボレーションした珍しい取り組みとして通信業界の内外から注目されている。
プレゼンテーションは、「Wチーム」「Sチーム」「Iチーム」「Mチーム」の4チームに分かれ、代表者がアイコンをデザインするにあたって各チームで設定したキーワードの意味を説明した後、個々の学生のデザイン案とコンセプトの説明が行なわれるという形で進められた。
また、実際に製品に採用された場合には、見た目だけではなく、指で触った際の触覚も重要になることから、表面に凹凸を付けたワックスがデザイン案ごとに用意され、さまざまな視点から活発に議論が交わされた。
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Wチームのキーワード
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Sチームのキーワード
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Iチームのキーワード
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Mチームのキーワード
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各々の学生がフォトモンタージュを制作し、使用イメージを膨らませる
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エンボス・デボス加工されたワックスを用意し、触覚についても検討
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富山大学 芸術文化学部 学部長 前田一樹氏
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富山大学 芸術文化学部 助教 長岡大樹氏
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プレゼンテーションでは、端末の写真を加工して、実際にアイコンをレイアウトした際のイメージを掴むために制作されたフォトモンタージュも各々の学生から披露された。W-SIMスロットのキャップ部の真ん中にアイコンをデザインするパターンが多い中、端末デザイナーの気持ちを考えて、あまり目立たないようにキャップ脇や側面にアイコンを配置したという学生もおり、デザイナーとして生きていくための現実味のある提案がなされた。
議論の中では、学生から「現状のW-SIM端末では、W-SIMを装着する方向が分かりづらく混乱するため、どの向きに挿せば良いのか明示的に表現した方がいい」「アイコンに色を付けたり、サイズを大きくすることで視覚的な分かりやすさを追求したらどうか」など、さまざまなアイデアが提示された。また、「携帯電話に付けられているアイコンは、なぜデボス(凹状)加工が多いのか?」といった素朴な疑問も飛び出した。
学部長の前田一樹氏や、一連の講義を担当した助教の長岡大樹氏をはじめとする講師陣からは、学生たちに対して興味深い助言もあった。前田氏は「理論として、(製品の)キーワードそのものをしっかりと抽出できるかどうかが重要」とコメント。その他、「製品に採用するにあたって、アイコンをデザイン案より小さくしなければならないことを想定すると、錯視(見間違い)を起こしやすいデザインは避ける必要がある」「どこかで見たことがあるようなデザインになっていないか、類似性をチェックする必要がある」などのコメントが寄せられた。
講義は、プレゼンテーションと質疑が終わったところで、学生と講師、WCMF関係者などによる投票という形で最終案を15件から5件に絞り込むことになった。この5件がWCMFを通してウィルコムに提案される。しかし、投票の結果、4位以降が僅差で並んだため、前田氏とWCMF関係者で協議し、最終案を6件とすることに決まった。これらのアイコンを実際に採用するかどうかは、最終的にはウィルコムが判断することになる。
クライアントに媚びない学生ならではのストレートな表現と、プロ顔負けの実践的なデザインへの取り組みが、記者には新鮮に感じられた。
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投票で最も人気があったアイコン
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2番目に人気があったアイコン
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こちらも同数で2番目に人気があったアイコン
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4番目に人気があったアイコン
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こちらも同数で4番目に人気があったアイコン
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前田氏とWCMF関係者で協議した結果、最終案に残ったアイコン
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■ URL
富山大学芸術文化学部
http://www.tad.u-toyama.ac.jp/
WILLCOM コアモジュール フォーラム
http://www.wcmf.jp/
■ 関連記事
・ 富山大学とWCMF、W-SIMのアイコンをデザインする講義
(湯野 康隆)
2008/02/06 16:35
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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