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同社では、2.5GHz帯によるモバイルWiMAXサービスの提供に向けて準備を進めてきた。今回の総務大臣の認定を受けて、同社では、事業計画の適切性・確実性、これまでの取り組みなどが総合的に高く評価されたものと考えているとコメントを発表。2009年中にもモバイルWiMAX技術によるワイヤレスブロードバンド事業を開始するとした。 ワイヤレスブロードバンド企画は、KDDI（32.26％）、インテルキャピタル（17.65％）、JR東日本（17.65％）、京セラ（17.65％）、大和証券グループ本社（9.8％）、三菱東京UFJ銀行（5％）が出資する企画会社。会見に出席した、代表取締役社長の田中孝司氏（KDDIからの出向）は、改めて事業概要について説明した。 早期にビジネス展開するために、まず現在8.5億円の資本金を2008年2月末までに170億円まで増資し、3月上旬を目途に事業会社化する。増資は、現在の株式比率のまま行なわれる。ただし、170億円ではすぐに資金はショートするため、最初の増資以降はさらにほかの企業からの増資や、銀行筋からの借り受けなども検討する方針。 また現在40名の社員も4月までに約100名まで拡大する。その多くはKDDIからの出向組になる見込みで、中期的には外部からプロパーの社員も増員し700名程度する予定。 サービスは、2009年2月頃にまず試験サービスが開始され、2009年夏にも商用サービスがスタート。サービスの提供価格は平均月額3,200円、最大月額5,000円程度になる見込み。試験サービスは東京23区および横浜あたりをエリアとし、広く一般から試験サービス参加者を募る予定。 基地局はKDDIの無線局を活用して、現時点で6,000局を確保しているという。さらに、出資元でもあるJR東日本と強力して、鉄道沿線や駅構内などにエリアを構築していく。2012年度には人口カバー率は90％超を達成するとしており、それ以外に屋内対策用に約19,000局の設置を計画している。 こうした施策を講じて、ワイヤレスブロードバンド企画では2013年度末には約560万加入を獲得したい考え。その多くは法人ユーザーになるのではないかと予測しているという。当初はパソコン向けのデータ通信サービスとして展開し、その後、UMPCのような携帯電話とパソコンの中間を狙った端末への組込などを中心に展開する方針。 田中氏は、基地局が整ったばかりのサービス開始当初は、ワイヤレスブロードバンド企画自身で市場を創出していく必要があると語り、その後MVNOへの提供が始まるのではないかと予想。MVNOにネットワークを提供する場合もガイドラインを設けて公平に行なうとした。
増田寛也総務大臣から認定書を渡された際、田中氏は「日本に新たな産業が生まれるように頑張ってください」と言われたと話した。同氏は、モバイルWiMAXが日本の社会インフラとなるよう展開すると抱負を語った。 なお、ワイヤレスブロードバンド企画という社名はあくまで企画会社としての名称だ。今後の事業会社化に伴い、社名の変更やブランド名の発表も期待されるが、現状は検討段階として明言を避け「新たな社会インフラができたとわかる名前にしていきたい」とするに留まった。 携帯電話との連携についても期待されるが、田中氏は現状では深い連携はないとの見解を示した。「WiMAXの高速ネットワークが売りであり、携帯電話をWiMAXのネットワークに載せるのはそれなりに大変なのかなと考えている」と話し、あくまで携帯電話とWi-Fiの中間にある存在に徹する考え示した。 MVNOも積極的に受け入れる方針で、今後ガイドラインを公表する。初期はエリアが狭いが、試験段階から一緒にやりたいという事業者も歓迎する姿勢を見せた。 また、MVNO間を差別するつもりはないとし、3Gの事業者であってもそれは変わらないと話した。 なお、もう1社の認定事業者が次世代PHSのウィルコムだった件については、2社がWiMAXである必要はないとの見解を示し、モバイルWiMAXも次世代PHSということではなく、互いにワイヤレスブロードバンド事業を展開する企業として競争していきたいとした。 田中氏は、今回の認定について、笑顔で「いいクリスマスプレゼントになった。これまで、WiMAXが厳しいと言われた時も技術部門が本当に頑張ってくれた。WiMAXはある日ドカンとできるよなものではなく技術の蓄積だと思う」と語っていた。
■ 関連記事 ・ 総務省、ワイヤレスブロードバンド企画とウィルコムに認定書 ・ 総務省、KDDI系とウィルコムに2.5GHz帯免許割当 （津田 啓夢） 2007/12/21 21:35 | ||||||||||||||
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