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ドコモの「バリューコース」導入で店頭価格はどう変わった?
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ドコモでは、今冬発売の905iシリーズから料金体系を改め、併せて端末販売方式も変更する。
新しい販売方式では、端末購入時に「ベーシックコース」か「バリューコース」のいずれかを選ぶようになった。大雑把に言えば「ベーシックコース」は従来に近い販売方式で、一方の「バリューコース」は端末価格が高くなる代わりに月額料金が安くなるという新しい販売方式だ。
ただし、これら2つの販売方法を選べるのは「905iシリーズ以降の対応機種」のみとなっている。904iシリーズや704iシリーズについては、引き続き従来の販売方式を利用するしかない。また、コースの変更は端末購入時にしか行なえない仕組みとなっている。
新しい販売方式にあわせ、店頭での販売がどう変わったかを、都内の家電量販店2店で見てみた。なお価格などの諸条件は店舗や時期によって変わるので、本稿では価格を保証するものではない。実際に購入を検討する場合は店頭で直接価格や条件を問い合わせて欲しい。
■ 店舗によって異なる表示方針
まず価格の表示だが、一方の家電量販店では「新規」と「movaからFOMAへの1年以上の機種変更」、「movaからFOMAへの1年未満の機種変更」、「FOMAからFOMAへの1年以上の機種変更」、「FOMAからFOMAへの1年未満の機種変更」の5種類の価格が、「バリューコース」と「ベーシックコース」のそれぞれで表示されていた。
もう一方の家電量販店では、バリューコースでの「新規」と「1年以上の機種変更」の2種類のみの価格が表示され、ベーシックコースや1年未満の機種変更価格については店員への問い合わせで聞くという状態だった。
バリューコースは分割払いも可能なため、いずれの店舗でも一括払い価格と分割払い時の頭金と分割料金(12回払いと24回払いの2種類)が表示されている。ちなみに分割手数料がかからないため、総額は一括でも分割でも変わらない。
※店舗Aでの価格表示イメージ
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バリューコース |
ベーシックコース |
新規契約 |
頭金0円 |
24回払い2,100円 |
34,650円 |
12回払い4,200円 |
(総額50,400円 一括50,400円) |
mova→FOMA 機種変更 1年以上 |
頭金0円 |
24回払い2,100円 |
34,650円 |
12回払い4,200円 |
(総額50,400円 一括50,400円) |
mova→FOMA 機種変更 1年未満 |
頭金15,330円 |
24回払い2,100円 |
49,980円 |
12回払い4,200円 |
(総額63,730円 一括63,730円) |
FOMA→FOMA 機種変更 1年以上 |
頭金0円 |
24回払い2,100円 |
34,650円 |
12回払い4,200円 |
(総額50,400円 一括50,400円) |
FOMA→FOMA 機種変更 1年未満 |
頭金15,330円 |
24回払い2,100円 |
49,980円 |
12回払い4,200円 |
(総額63,730円 一括63,730円) |
※店舗Bでの価格表示イメージ
新規契約 |
分割払い |
一括払い |
頭金0円 |
24回払い2,100円 |
総額50,400円 |
50,400円 |
12回払い4,200円 |
機種変更(1年以上) |
分割払い |
一括払い |
頭金0円 |
24回払い2,100円 |
総額50,400円 |
50,400円 |
12回払い4,200円 |
実際の価格をバリューコースの新規で見てみると、D905i(11/26発売)、SH905i(11/26発売)、N905i(11/28発売)、P905i(11/28発売)、F905i(11/29発売)、SO905i(11/29発売)はいずれも50,400円で、N905iμ(11/30発売)のみが47,040円となっていた。つまり、ワンセグ搭載の6機種はすべて同じ価格だった。
同じくバリューコースの機種変更価格を見ると、いずれの店舗でも1年以上の機種変更は新規と同一価格に設定されていた。1年未満の機種変更は、表示を行なっている店舗では、新規価格プラス15,330円という価格だった。
ベーシックコース時の価格は、機種や新規・機種変更を問わず、バリューコースより15,750円安くなる(この価格差はドコモの料金システムで決まっているため、店舗による差はない)。つまり新規(1年以上の機種変更も同一価格)で言うと、ワンセグ搭載の6機種は34,650円、N905iμは31,290円だ。
分割時の支払金は、すべての機種において、新規と1年以上の機種変更で0円に設定されている。表示を行なっている店舗では、1年未満の機種変更の頭金が新規との差額(15,330円)に設定されており、月々の支払金額は同じ金額になるように調整されていた。
なお、これらはすべて期間限定の端末価格割引キャンペーン「冬割」がついた価格だ。「冬割」には「ひとりでも割★50」の契約が必要など条件があるので、詳しくは店頭で確認して欲しい。
■ 端末価格水準は、ベーシックコースなら従来とほぼ同じ
本誌の価格調査によると、たとえば904iシリーズも、発売直後の新規価格は30,000円程度、ワンセグ搭載機なら35,000円程度だった。同じ料金体系のベーシックコースと比較すれば、905iシリーズもほぼ同等水準の価格といった印象だ。
1年以上の機種変更価格が新規と同じ価格になっているのは、従来機種よりも割安感が強い。このことについてドコモの中村社長は905iの発売記念イベントで、「いままでは新規が安いことに問題があった。これからは長く使っている人へのサポートへ軸足を移す」と語っている。
一方で期間に応じて機種変更価格が異なることについては、「現在は(端末販売価格を安くするための料金を含み、安く端末を買えた)従来の料金プランで使っている人がいるため」ともコメントしている。このコメントから推測すると、端末価格を安くするための料金を含まないバリューコースからの機種変更が主流になれば、機種変更価格体系が再度、見直される可能性もあるわけだ。
調査した家電量販店の一方では従来機種と同じく、「movaからFOMAへの機種変更」と「FOMAからFOMAへの機種変更」を区別して表示していたが、価格に違いはなかった。もう一方の店舗では、区別自体をしていなかった。従来機種ではmovaからの機種変更を安く設定し、FOMAへの移行を促していた。この制度が廃止されるのか、あるいは発売直後だからたまたま同じ価格なのかは不明だ。
また、従来機種では機種変更の期間区分は「1カ月~6カ月未満」「6カ月~12カ月未満」「12カ月~24カ月未満」「24カ月~」の4種類だったが、905iでは「1年以上」と「1年未満」の2種類に減っていた。
期間区分が減った一方で、バリューコースとベーシックコースで別の価格表示があるため、店頭での価格表示の扱いは少々煩雑になった印象を受ける。今回調査した店舗の一方でベーシックコースや短期機種変更の価格表示をしていなかったのは、少々割り切りすぎかもしれないが、シンプルで良いとも感じられる。
また、こうした価格表記は905iシリーズのみで、従来と同じ販売方式の従来機種では当然、従来と同じ表示がなされている。一つの店舗の同じキャリアの端末販売において、異なる形式の価格表記が行なわれているというわけだ。
筆者が見た量販店の店頭表示は、バリューコース分割払い時の頭金「0円」が大きく表示され、分割支払金や支払総額の表示は小さかった。ベーシックコースと併記されると、バリューコースが「端末価格が安くてお得」と誤解してしまいかねない印象を受けた。
頭金「0円」が大きく表示され、分割払いの方がオススメのようにも見えてしまうが、実はそうでもない。家電量販店で一括払いした場合、ポイント還元など、販売店独自の割引を受けられるからだ。分割払いでもドコモのポイントが付くが、還元率は低い(100円で1ポイント)。現金に乏しい状況でない限り、一括払いの方がお得と言えるだろう。
■ 短期でも長期でもお得なバリューコース
新販売方法の導入でもっとも気になるのは「どっちのコースがお得なの?」ということだ。
ベーシックコースは端末価格が15,750円安く、バリューコースはその代わりに月々の基本使用料が1,680円(各種割引適用前)安くなる。ベーシックコースの場合、2年以内に機種変更する場合は「残月数×630円」の解約金がかかる。
また、いまバリューコースを利用した場合、最大3カ月、基本使用料が2,100円割引されるというキャンペーンも行なわれている(11月中の契約時は、11月の日割りおよび12月から3カ月が割引対象となる)。3,780円のタイプSSプランでバリューコースを契約すると、最大3カ月、基本使用料が0円になる。
「ひとりでも割★50」を利用した場合の端末料金と月額基本使用料の支払総額を考えると、端末購入直後はベーシックコースの方が端末価格の差で15,750円分お得だが、基本使用料の差や現在のキャンペーンにより、14カ月後にはバリューコースの方が支払総額が安くなる。
しかし、ベーシックコースでは2年以内の機種変更や解約の際に解約金がかかる。それを考慮に入れ、次回機種変更するときを含んだ支払総額を考えると、1カ月目からの機種変更でも、ベーシックコースでは「短期の機種変更料金+15,120円(解約金)-15,750円(値引き)+1,890円(長期割引後の最低基本使用料)」(=「短期の機種変更料金+1,260円」)となる。一方のバリューコースでは「短期の機種変更料金+0円(キャンペーン期間中の初月最低基本使用料金)」となり、ベーシックコースより安い。基本使用料の差により、期間が経てば経つほど、バリューコースの方がどんどん安くなる。
次に機種変更の際にベーシックコースを選べば、再度15,750円の割引を受けられるわけだが、それでも同じことで、やはりバリューコースを選んだ方が長期的に支払総額は減らせる。
今回はまだ販売機種がハイエンドの905iシリーズだけなため、バリューコースでは端末価格が割高に見えてしまうが、計算してみるとベーシックコースよりも安いことがわかる。バリューコースの料金プランも、他キャリアの1,000円前後のプランに比べると、無料通話分が含まれるなど割安感が強い。最大の節約方法は「ずっと買い換えないこと」ではあるが、買い換えを検討している人は、各種割引キャンペーンがあり、割安なバリューコースに乗り換えられる今冬は、絶好の買い換えタイミングかもしれない。
■ URL
新料金コース
http://www.nttdocomo.co.jp/support/procedure/value/
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(白根 雅彦)
2007/11/26 16:31
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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