|
NYのAppleストア SOHO店
|
2007年1月のMac Expoでの発表以来、大きな注目を浴びてきたAppleの「iPhone」だが、6月29日金曜日の午後6時より全米で一斉に発売となった。
米国はアラスカやハワイをのぞいた本土だけでも4つの時間帯を持つ。そのため東海岸側は全米他都市に先駆けてもっとも早く発売されることになる。今回は東海岸都市の一つ、ニューヨークにあるAppleストアでの発売日当日の模様をレポートする。
iPhoneはオンラインの他、店頭ではAppleストアおよびAT&T携帯電話ショップを通して販売される。AT&TはiPhoneの唯一のキャリアであり、当面他のキャリアには提供されないことがアナウンスされている。
一般に新製品の発売というと日付が変わる零時や早朝開店時刻にあわせるというスタイルが多い中、iPhoneの販売開始は金曜日の午後6時に設定された。勤め帰りの人でも気軽に立ち寄ることができるなど、より多くの人に対して購入のチャンスを、ということで同社がこの時刻を選択したのかもしれない。午後6時発売、というのはAT&Tショップでも遂行された。
■ マンハッタンのAppleストアには早くから行列
|
NYのAppleストア SOHO店、発売日朝10時頃の様子
|
AT&Tショップでは並ばずに買える、という前評判ではあったものの、やはり発売初日にAppleストアで並んで確実に買いたい、という人が多いようで、マンハッタン内に2店あるAppleストアにはどちらも早くから行列ができていた。
画期的な製品とはいえ主要な機能はあくまで携帯電話であり、その携帯電話に$499/$599を払ってでも買いたいという人がそれほどいるのか、というのが発売前の評判だったが、いざふたを開けてみるとどこも行列ができるほどの大人気となった。連日メディアが過熱報道したこともあり、人々の認知度も極めて高かったようだ。偶然だが、米国でのソニー PS3の価格も$499/$599であり、発売前は家庭用ゲーム機としては高いのでは、という論評が目立った。おそらく携帯電話購入のために大規模な行列ができたというのは米国では初めての事だと思われる。
|
|
|
SOHO店、行列の先頭
|
一体誰が作ったのか。「今年は一足先にクリスマスがやってきた」
|
行列先頭あたりに転がっていたゴミ。ここで長時間待っている間、高級食品のデリバリーを頼んだ人がいた様だ。iPhoneユーザーは贅沢!?
|
今回レポートのために訪れたSOHO店は、もともと1920年代より米国郵便局として使われていた建物で、Appleストアとして開店するにあたり全面改装された。外観は歴史的な姿そのままに、そしてインテリアはAppleらしくシンプルで洗練されたデザインとなっており、またガラスでできた階段が開店当時大きく話題になったところである。
予告通り、午後2時になると通常営業を一旦停止し、店をクローズ。市内にあるもう一方のAppleストア、五番街店も同様にクローズしたと聞くが、あちらは本来24時間営業であるので異例の措置といえる。それだけAppleの強い意気込みが感じ取れる。
|
|
発売当日の正午には早くも200人を超える人たちがAppleストアのあるブロックをほぼ一周するように列んだ
|
発売直前の入り口付近
|
先頭には、映画監督のスパイク・リー、そしてその次のグループには、女優のウーピー・ゴールドバーグの姿もあった。
|
|
スパイク・リー監督。このあと発売と同時に店内へ
|
映画「ゴースト」など、日本でもおなじみのウーピー・ゴールドバーグ
|
■ 店内はiPhone一色に
|
カウントダウン直後、記念すべき最初の客=スパイク・リー氏が入店
|
午後6時ちょっと前になると、カウントダウンが始まり、あたり一帯はナイン、エイト、セブン、シックス……と通行人も含めて大合唱になった。そしてゼロの掛け声と同時にドアが開くと、店員が総勢ならんで待ち受けており、盛大な拍手で客を招き入れた。
店内はいつもと違う様子に少しとまどいを感じる。クローズしていた4時間にiPodやMacなど店内の製品は全て撤去され、展示されているのはiPhoneとそのアクセサリだけになっており、キッズ用のコーナーすら完全に商品は片付けられていたからである。おかげで客はiPhoneだけしか買うことができないようになっており、流れがとてもスムーズだが、さらに店内の混雑を避けるため、一度に10人~20人ずつ入店するよう誘導が行われていた。ひとたび店内に入るとすぐに2階に案内され、ここにあるジーニアスバーがにわかiPhone販売カウンターとなっていた。
これまで新規に携帯電話機を購入するというと、店頭で料金プランの設定や旧電話番号の移行処理、それに支払い処理などどうしても1人10分以上はかかっていたものだが、iPhoneはその方式を取らず、店頭では販売のみに徹していた。そのかわり携帯電話のアクティベート、料金プランの選択などは個人がパソコンやMacにインストールしたiTunesを通して行なう。そのおかげで対面販売にかかる時間は5分程度であり、行列は割と早い速度で収束していった。
|
入店制限のおかげで店内の購入手続きはとてもスムーズだった
|
NY市内のAT&Tショップの中には売り切れたところもあったものの、Appleストアには潤沢に製品が並び、こちらに来店した人はもれなく購入できた模様。
ケータイ Watchでも、使用感などレポートを掲載する予定だ。
■ URL
Apple Inc. iPhone(英文)
http://www.apple.com/iphone/
■ 関連記事
・ ドコモ株主総会、iPhoneの導入や料金改革に意欲見せる
・ 米Apple、GSM対応の“iPodケータイ”「iPhone」
(Hiroyuki Yoshikawa)
2007/07/02 13:07
|